素材と料理:情報と知識の境界
情報は「知っている」、知識は「使える」。SECIモデルを読む前段として両者を分け、料理のメタファーで会話の成立条件を整理する。理解度を外から測る4段階のテストまで扱う。
中国EV戦略とQ&A全記録
BYD・吉利・奇瑞・NIO・小鵬・理想・小米など多数のメーカーが並立する中国EV産業を、レジリエンス志向と規制回避という戦略論の実例として読み解く。垂直統合と水平分業の違い、中央・地方政府の二層構造まで扱う。
感情に残る言葉のストック術
ジェイ・エイブラハム氏の講演を間近で聞いた体験から見えた、記憶に残るプレゼンの作り方。情報を正確に伝えるだけでは人の心に残らない——感情に刺さる言葉を日頃からストックする技術を、note・X投稿にも応用できる形で語る。
高校登壇という最難関のアウェイ
宮崎県の商業高校で行われた講義の実況報告。教員が挙げた「生徒は受け身」という前提は、最初の二十分で崩れた。上場企業二百社の前より百倍難しいと語られた場で、期待値がマイナスから始まる聴衆をどう反転させたのか。掴みの十分間に何を投じたかを記録する。
ファシリテーターか司会か
高校の教員に出された宿題は「生徒に議論させ、生徒に自分を採点させること」だった。評価の向きを反転させる設計、ほとんどの人が司会をファシリテーションと呼んでいるという指摘、そして日米で異なる「喋ることの評価基準」をめぐる議論を追う。
マーク3と統合するサーチ
マーク1は拡大するサーチ、マーク2は進化するサーチ。ならば次は統合するサーチではないか。業界・地域・学問の壁を払わなければ共創は成立しないという仮説から、既存の理論体系が3.0で止まり現実に追い越されている現状までを議論した記録。
周期短縮とROIの崩壊
50年周期で来るはずの技術革新の波が20年早く来た。理由はハードからソフトへの転換と限界費用ゼロ化にある。そして周期が縮んだ瞬間、7〜10年で償却するという設備投資の前提と、長期回収を織り込んだサブスクリプションの前提が同時に壊れた。
棒読みでは人は動かない
決算翌日に株価が19%上がった理由を、講師は数字ではなく物語の順番で説明した。同じ日、名古屋のイベント告知は棒読みだとして途中で止められる。「三大ブスと言われているが本当は違う」――前提を否定してから見せるという、企業と町に共通する伝え方の型。
正義感が運営を止める
苦情が一度入れば施設は二度と使えない。善意のアドバイスが、無償で企画を回す人の意欲を削っていく。報酬のない組織で守るべき資源は会場と実行者の意欲の二つだけだという、運営側が線を引いた十数分の記録。
その人にしか語れないことを聞く
IR資料に書いてあることを本人に聞く意味はない。上場企業の社長を招いた説明会で、講師はあえて何も調べずに臨み、会社沿革の「空白の8年間」だけを突いた。資料一枚の内部だけで成立する質問の設計を、実演と種明かしの両方から記録する。
コトラーの設計図と三つの輪
コトラーを手法の束として読むのをやめ、文明の継承・信頼関係・価値の創造という三重の時間軸から設計図を読み直す。気づく・変える・掴むはダイナミックケーパビリティであり、そこに正当性が加わって初めて商品は価値を持つ。1.0〜5.0は積み上げの跳び箱である。
GDロジックからSDロジックへ
抽象的な理念と受け手の具体が噛み合わないのは、まだ物の側から語っているからだ。2004年にバーゴとラッシュが示したサービス・ドミナント・ロジックを軸に、コトラーが3.0の途中までしか使えない理由と、積み上げたものを捨てる勇気と時間配分の問題を扱う。
内向きの理念・外向きのパーパス
経営理念がすでにあるのに、なぜパーパスという語が要ったのか。味の素の一文から始まり、フリードマンの利益至上論、短期主義が露呈したリーマンショック、ESG・CSV・CSR・三方よしとの距離までを一本の線でつなぐ。掲げただけならダノンと同じ末路を辿る。
報酬の天井とサボる合理性
3割の労力で部門売上の7割を担いながら、給与には天井があった。ならばやる必要はない――講師が商社時代に公然と手を抜いた論理を、制度設計の失敗として読み直す。報酬関数を先に測れという実務の教科書。
パーパスと事前責任論
パーパスは掲げた時点で終わらない。「明日この会社が消えたら社会は何を失うか」という検証質問から、経営理念との境界、iPodの一言が開発を動かした事例、そしてハンス・ヨナスの事前責任論まで。パーパスとは正当性を手に入れる装置だという結論に至る回。
演繹・帰納・アブダクション
演繹はルールから導き、帰納はデータからルールを作る。では学校が教えなかった三つ目、アブダクションとは何か。仮説が思いつかないのは才能ではなくデータ不足だとする講師の主張に、研究者たちが論文執筆の実務と学問史から応答する。…
歌舞伎町の店舗改造と回転率
感動を届けたいのか、金が欲しいのか。金だと答えた歌舞伎町の店に、講師が出した最初の指令は「まずい商品を出せ」だった。品質ではなく回転率と再現性で勝つ設計と、答えを言わずに促す事業相談の作法を、現場の指示の粒度で追う。…
フォレットと状況の法則
人はサボるというテイラー主義の前提に真逆から挑んだメアリー・パーカー・フォレット。対立を支配・妥協・統合に分け、「命令は人ではなく状況が下す」と説いた百年前の理論を、なぜ当時埋もれ、なぜいま復活するのかまで含めて読み解く。
日本が4.0に行けない理由
ドラッカーの理論はいま通用するのか。理論をコンセプトと手法の二層に分けて読む方法から、日本企業が「4.0の皮をかぶった3.0」に留まる構造、組織になれない群れ、そして伝統文化を存続させる条件までを一続きで論じた回。
営業報告を営業に変える
資産運用EXPOで顧客リスト獲得トップ3が自分たちのやり方を三段階に整理して発表した。内容は具体的で有用だった。にもかかわらず講義そのものは「しくじった」と評価される。営業を教える講義が営業になっていない——技術が正しくても、それを載せる器を間違えると価値は伝わらない。
戦略は描くものではない
前回が「ブルーオーシャンとは何か」という定義の回だったのに対し、この回は「では、どうやって作るのか」という実行側に踏み込んだ。戦略キャンバス、市場境界を引き直す経路、非顧客の三層、実行を阻む四つの壁までを順に提示する。…
1.0→2.0 製品から顧客へ
フィリップ・コトラーは「マーケティングとは社会価値の創造である」という命題を掲げた研究者であり、既存の問いを深化させるドラッカー的「進化」の視点に対し、時代に応じて問いそのものを変える…
3.0 価値主導と比較表
2000年代に入るとインターネットの普及で情報格差がほぼ消え、リーマンショックによる企業・金融機関への不信、社会的不平等や環境問題への関心が重なった。この転換の中でMarketing …
85分ぴったりと帰るまでの営業
与えられた90分を、あえて85分ちょうどで終わらせた。全員が持ち時間を超過する会場で、それは技術の誇示ではなく 運営が壊した時間の流れを自分の話速で元に戻す作業 だった。この回のプレゼン論は、内容論ではなく時間と動線の設…
AIがPLに乗らない理由
AIを入れても生産性が上がらないのは、AIのせいでも導入量のせいでもない。6つの段階のどこで機会損失が漏れているかの問題である。その場で描かれたフレームワークと、日米の到達段階…
AIが否定するリーダーシップ
前回の勉強会で配った自作フレームワークを、講師自身が批判的思考で読み返したところ、一箇所だけ致命的な穴が見つかった。「AIはアシスタントである」という文化作り――一見もっともら…
AIが若手を締め出す仕組み
「AIが出てくれば若い人が有利になるはずだ」という直感を、講師が二つの古典理論で真っ向から否定した回。テイラー主義(1911年)とインサイダー・アウトサイダー理論(1988年)…
AIに聞くのはリサーチではない
指標の穴を扱う講義の途中で、ある参加者の一言をきっかけに、この日いちばん厳しいやり取りが起きた。何を「調べた」と呼ぶのか。そして、相手が数字を出してこないときに、何を質問すれば実態が見えるのか。…
AI・LLMと自動車業界
本パートは市場動向・時事トピックとしてのAIと自動車業界を扱う。藤川氏はLLMの本質を「テイラー主義の究極体」と位置づけ、知識獲得のボトルネック解消、行動パターンの標準化、機械が人間の…
AI学習3類型と量子が必要になる理由
本セッションは「量子コンピューターについてなぜ話さなかったのか」というタイトルのもと、AI技術の学習方法を体系的に整理し、それぞれの方法論が人間の思考パターンとどう対応するかを論じたうえで、現在のAIに決定的に欠けている…
AI導入ロードマップと機会損失
この回の後半、マイキー氏がフレームワークの設計論から実際の提案資料に話を移したところで、議論の性格が一変した。理論から、日本企業に何をどう売るかという実務へ降りたのである。そこ…
CFOの二刀流とオーケストレーション
この回の後半は、一人の参加者——日本CFO協会のブログに4年間連載しているという立場の講師——が持ち込んだ主張によって方向が決まった。彼女の主張は一文で言える。 現代のCFOには、埋め込み理論と弱い紐帯の理論の両方が必要…
EV座談会と理論解説
本レポートは、EVのメンテナンス性を巡る座談会、経営理論(キャズム理論)の講義とディスカッション、BYDの市場戦略分析、そしてNPO法人の子供食堂支援事業報告という4部構成のミーティン…
FTQCへの転換と量子5方式の実装競争
量子コンピューティングには超伝導・イオントラップ・冷却中性原子・シリコン・光の5方式がある。これまでの量子コンピューターは「ノイズありの中規模デバイス(NISQ)」として運用されてきたが、2025〜2026年にかけてこの…
GEという恐竜の倒れ方
創造的破壊の講義から派生して、GEをめぐる議論が1時間近く続いた。ジャック・ウェルチの手法は創造的破壊だったのか。GEキャピタルは何をしていたのか。そして2002年から2011年までGEに在籍した参加者が、内側から見た光…
GRAIモデルと3次元KPI
この回の後半は、マイキー氏が長谷川氏と小賀氏のために前夜に組み上げたコンサルティング資料の解説に充てられた。ただし解説は資料の中身からは始まらなかった。「そもそもフレームワーク…
KポップからKを外す戦略
この回の冒頭十五分は、マイキー氏がソウルのホテルから中継で参加し、その日の打ち合わせについて話すところから始まっている。形式としては雑談だが、内容は韓国エンタメ産業の収益構造分…
LVMHブランド価値分析
LVMHは傘下約70ブランドの個別売上を原則非開示とする戦略を採り、BCGやベインでさえ非公開とする情報を、マイキー氏が1日・約10〜12時間で複数ソースから逆算した実例を紹介する。持…
MBOの本質と形骸化の罠
ドラッカーが1954年の『現代の経営』でマネジメントを体系化して以降の議論を出発点に、マネジメントの核心を「組織のシステムに命を吹き込むこと」と定義する回。機械と人間を分ける最大の違い…
NVIDIAはなぜ1月決算か
この回は、講師が唐突に出した一つのクイズから始まった。マグニフィセント・セブンと呼ばれる7社のうち、マイクロソフトの決算期末は6月、アップルは9月、アマゾン・アルファベット・テスラ・メタは12月31日、そしてNVIDIA…
ROEはどこで化粧するか
指標の穴を一般論で語る回ではない。ROEの分解式を開き、どの項目が経営者の意思でいちばん簡単に動くのかを特定し、実在の企業でその痕跡を確かめる、という作業手順そのものを扱った90分の記録。…
TPUと沈黙の経営者
この日のセッションで、マイキー氏は自分の過去の予測に対する答え合わせを何度も行っている。「決算の時にグーグルが最強になるよと言った通りでしょう」「TPUがやっと来ましたよ、前田…
VRIOはOから始める
経営戦略のフレームワークは、教科書に書かれた順番どおりに使うものだと思われている。この回の中心は、その前提そのものを疑う議論だった。VRIO分析はV(価値)からではなく、O(組…
お金の意味づけとワンフェイス
この日の後半は、参加者のひとり——形成外科医であり研究者でもある方——によるプレゼンテーションと、それに対する複数の参加者からの応答で構成された。テーマは一見きわめて個人的であ…
こだわりを持たない強さ
密度依存モデルの質疑が一段落したあと、セッションは理論の講義から離れ、マイキー氏と渡辺氏を中心とした長い対話に移った。表面上は雑談だが、扱われている主題は一貫している。 こだわりを持たないことが、なぜ強さになるのか であ…
なぜ収益が生まれるか説明できるか
この回の前半は、経営理念の講義と、それをめぐる参加者の議論に費やされた。論点は「理念を持ちましょう」という規範論ではなく、もっと手前にある。自分の事業でなぜ収益が発生しているの…
ばらつきを消す組織設計
この日の勉強会は、書籍プロジェクトの実行が始まって数日という段階の中間報告として開かれた。ところが話の中心にあったのは、進捗でも売上でもなく、参加者の「やりすぎ」をどう抑えるかという問題だった。ゲスト格で登壇した出版マー…
アウェイ78%の成立条件
この回の後半は、前日に行われた外部セミナーの報告から始まっている。報告者はキクりん氏で、彼はマイキー氏の隣で一部始終を見ていた。彼が最初に置いた言葉は感想ではなく数字だった。参…
アノマリーは排除か資源か
「納得がいかない」。研究者にとってそれは理論を進化させる入口であり、多くの経営者にとっては排除すべきノイズである。同じ現象に対する態度の違いが、学問と実務のあいだに溝を掘っている。…
アルゴリズムが作る構造的空隙
この回は、3日前に扱われた「弱い紐帯の強さ」(SWT)の続編にあたる。前半は講師の一人がネットワーク理論の構造部品——三角形という最小単位、密なネットワークと疎なネットワーク、ブリッジとローカルブリッジ、経路長と減衰——…
アンチテーゼは感情から生まれる
前半の経済思想史パートで前田氏が弁証法の系譜を整理したのを受けて、マイキー氏が「これをもう少しミクロ的に、皆さんに分かりやすいように説明します」と引き取ったのがこのパートである…
インサイトは作れるか
この回の最後のセッションで、マイキー氏は参加者に問いを投げた。「今後ビジネスをやっていく上で、インサイトとニーズの違い、これを説明できる方はどれぐらいいらっしゃいますか。例え話…
オントロジーと共通言語
「Palantirのエコシステムで一番強いのは、どうでもいい精神が強いところ」。突拍子もない一言から始まった解説は、知識の構造化、暗黙知の吸い上げ、標準化とアイデンティティの消滅、そして逆張りという生存戦略まで一続きに繋…
コモンズの悲劇と回避設計
この日のセッションは、前田氏が用意した「コモンズの悲劇」の講義から始まった。テーマ自体は経済学の教科書に載っている古典だが、この回が面白かったのは、講義がその場で三度にわたって…
サーチの四類型と選択環境
前回の「ルーティン・サーチ・セレクション」の続編。今回は三語のうちサーチとセレクションに絞り、ブロックバスターとNetflixという一組の対照例を通して、企業が探索を止めた瞬間に何が起こるかを追った回である。後半には、サ…
シュミットという留め具
前半のマーシャル講義で示された「二項対立を噛み合わせる第三の点」という枠組みが、そのまま実在の企業に当てはめられた。ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンという二枚の刃に対し、エリック・シュミットが留め具として何をしたのか。こ…
スイッチングコストと値上げの設計
値上げしても客が離れない商品は、どう設計されるのか。パン屋という最小単位からプラットフォーマー、スターバックス、そして「バズってしまった」中小企業の事例まで、囲い込み戦略を経営基盤の問題として扱った回の記録。…
ストライキが技術を生む
ロンドン地下鉄の全面ストから話は始まった。フランス、Amazon、産業革命期の紡績業、2010年前後の中国工場。歴史を並べると、労働争議のあとには決まって設備投資と自動化が来て…
チェーン立地と回収期間の経済学
このセッションの主題は、一言でいえば「チェーン店の出店立地には二種類しかない」という単純な分類である。ひとつは駅前・繁華街・幹線道路沿いといった、すでに人が集まっている場所。も…
デジタルはアナログを強化する
製造業の国内回帰、マーケティングから営業へ、無形資産から有形資産へ、デジタルからアナログへ。バラバラに見える5つの揺り戻しが同じ時期に重なるのは偶然か必然か。思想の分断から消費…
ノウハウコレクターと先行者利益
休憩を挟んだ後半は、マーシャル論から一転して実技になった。前回の講義で扱ったマクロ/ミクロ・抽象/具体の二軸を、参加者が課題として提出していたのだが、前田氏の講評は厳しい。「あそこに上がっていたもののうち、僕には基本的に…
ノルマとKPI:どこが細いか
この日の記録は8分5秒しかない。講師に電話が入り、「1時間もらいます」と告げて中断されたためである。動画には「買い回りの裏側」という題名が付いているが、 収録された範囲に買い回りの実務は一切出てこない 。話されたのは、そ…
ハサミの留め具と第三の視点
マーシャルの有名な比喩「紙を切っているのは上刃か下刃か」を、講師は刃ではなく 留め具 のほうへ引き寄せて読み替えた。二つが対立したままでは何も動かない。動かすのは、二つを噛み合わせている第三の点である。…
パレート最適は公平ではない
ワルラスの一般均衡論を、教科書的な数式解説ではなく「どんな時代背景が、どんな問いを生んだのか」から読み直した回。パレート最適とパレート改善の決定的な違い、そして部分均衡/一般均…
パン屋で辿る経済学の系譜
王様がパン屋を支配し、パン屋が自由になり、パンが売れ残り、客の気持ちが問われる。断片的に積み上げてきた経済思想史の講義を、一つの比喩で串刺しにして全体像を復元した回。個々の学者…
ビンテージ資本とコカコーラ
本パートは、古典的な成長理論が見落とす「資本の質」という論点と、それを100年先取りした企業経営の実例を扱う。新古典派の成長モデルは資本ストックを一度計上すると価値が固定されたまま扱う…
フェティシズムの6つのレバー
この日の講義は、マルクスの商品論をどこで切り上げるかという問題から始まった。前田氏は労働価値説の系譜——アダム・スミスから引き継がれた「価値は労働量に準拠する」という前提——を…
ブランディングは期待を売る
サーチの話から派生した質問が、この日もう一つの中心テーマを開いた。日本で使われる「ブランディング」はほとんどの場合プロモーションの言い換えであり、両者を混同したまま外に出ると淘汰される、という指摘である。そこから学習効率…
ブルーオーシャン戦略の再定義
なぜ日本のブルーオーシャン戦略は「隙間探し」になったのか。境界線(バウンダリー)の再定義とサーチの幅、そしてキム&モボルニュが2023年に打ち出した第3の理論までを、講義とQ&Aから再…
プレゼンの設計と感情誘導
今回の勉強会では、プレゼンテーションの本質的な目的から出発し、聴衆の感情を動かして行動につなげるための構造設計が体系的に解説された。プレゼンの型は「キャッチコピー → プロブレム → ソリューション」の3段構成であり、本…
マイナスの理念と現状維持
「現実/理想」を横軸、「主観/客観」を縦軸に取った一枚の図が持ち込まれた。人はなぜギャップを埋めずに埋めたふりをするのか。その仮想的な埋め合わせを、作者は「マイナスの理念」と名づけた。…
マインドセットと発言術
冒頭は雑談パートだが、マイキーさんの「他人の評価をコントロールしない」という一貫した思考様式が明確に語られており、後半の投資哲学・コミュニケーション論とも通底する重要な内容。
マニュアル論と人材マネジメント
このパートは前田氏の理論に対する参加者からの質疑を起点に展開したマニュアル論と、マイキー氏による人材・組織論をまとめている。HACCPとの類似性を問う質問への回答から、「ポイントを決め…
マーケティング理論と進化論
本パートでは、YouTube勉強会「マイキークラブ」でのフィリップ・コトラー理論解説パートを扱う。前田氏はコトラーの定義を軸に、マーケティングとプロモーションの違いを丁寧に整理し、目的…
リカード対マルサスは成立しない
この回は、アダム・スミスを扱った前回の続きとして、本来なら順当にリカードへ進むはずのところを、前田氏があえてマルサスから入るという構成を取った。理由は明快で、リカードを先に置く…
リサーチ4象限とピック&ショベル戦略
このセッションの後半では、量子コンピューティングの技術解説から「リサーチの方法論」と「投資戦略」のレイヤーに話が移った。マイキー氏が示したのは「マクロ⇔ミクロ」×「抽象⇔具体」の4象限マトリクスで、リサーチの視座を整理す…
リーダー論とコトラー接続
リーダーとマネージャーを対立ではなく組織の両輪として捉え、「ドライバーとハンドル」の自動車アナロジーで役割分担を整理する。ジョン・コッターの知見をもとに、15名以下では分離不要だが30…
ルーティンとサーチの進化論
前回の組織エコロジー理論が「環境に左右される」で終わったのに対し、この回は「では企業側に打つ手はないのか」に踏み込んだ。ネルソンとウィンターの企業進化理論を軸に、ルーティン・サーチ・セレクションという三語で企業の生存条件…
ロックインと探索の基準値
埋め込みの機構を分解したあと、講義は「では抜けるべきか」という実践側へ移った。抜けた先にあるのは別の埋め込みでしかない。ならば何のために移るのか。台形の面積という一つの例え話が、この日もっとも遠くまで届いた。…
三つの支配と231の順番
この回は、ウェーバーの支配の三類型を扱いながら、実際に議論の中心にあったのは類型そのものではなく 並び順 だった。前田氏はカリスマ的・合理的・伝統的という順で提示し、「これは一般的な並べ方とはあえて変えている、理由は後で…
上部構造は戦略・下部構造は組織
この回の講義は、上部構造/下部構造という百年以上前の概念を、製造業と金融業、そして最終的には一企業の戦略と組織にまで因数分解していく。抽象概念が実務の道具に変わる過程そのものが…
中間層を壊す組織実験
プレゼン合宿の種明かし回。語られたのは話し方の技術ではなく、参加者を四つの階級に分け、意図的にコミュニケーションを破断させ、「中間層は機能しない」という命題を体感させるための設計そのものだった。…
人が変わる条件と理不尽
この日のセッションの前半は、講義ではなく議論だった。テーマは「人はどうすれば変わるのか」。そして結論は、勉強会の文脈としてはきわめて重い。人は基本的に変わらない、変わるとすれば…
人口ボーナスはどこで起きるか
チェーン店の出店戦略の議論から派生して、このセッションの後半は「そもそも人口ボーナスはどこで、なぜ起きるのか」という都市論・人口動態論へ移っていった。出発点は極めて実務的な問い…
任天堂とIPの流動化
日本のゲーム業界は自己資本比率が異様に高い。それは強さの証明ではなく、ビジネスモデルが「当たるか外れるか」で終わる構造から抜けられていないことの帰結である――そう置いたうえで、…
任正非の非上場経営とLOGINK
韓国エンタメの人事システムから始まった組織論は、Microsoftのリファラル採用を経て中国企業の人の使い方へ移り、最後にゲスト参加者による任正非論に着地した。財務諸表を気にせ…
企業の存在意義と物語の引き出し方
2026年9月9日のマイキークラブ勉強会では、前田さんを講師に迎え、企業がなぜ存在するのかという根源的な問いに対して、取引費用理論(Transaction Cost Economics: TCE)を軸とした体系的な講義が…
会場設計と摩擦の効用
前半の報告(別レポート「アウェイ78%の成立条件」)は、外から見ていたキクりん氏による観察だった。本レポートが扱うのは、その後にマイキー氏本人が始めた種明かしである。内容は、話…
会話・対話・議論の三段階
「話すこと」はコミュニケーションではない。前田氏による三段階モデルの講義と、それを受けたマイキー氏の切り返し――対話はプロセスの目的地であって、最終目的地は議論である。そして議…
依存度とシナリオプランニング
前半のNVIDIAの話は、後半で全員の事業の話に折り返される。講師が参加者に繰り返し問うたのは一点だけだった。いま自分の売上が立っている経路への依存度はどれくらいか。そしてそれが来年通用しなくなると仮定したとき、ジェンス…
依存構造を設計する五つの手
この回の講義パートは、これまで三回にわたって積み上げてきた資源依存理論を、一つの定義に収束させることから始まった。講師が板書したのは「組織とは、依存構造を戦略的に再設計する主体である」という一文である。抽象的すぎるという…
価値の物差しとストーリー
この回の『資本論』は、商品の定義で止まる。そして「では価値とは何か」という一歩手前で、講義は意図的に中断された。その空白に、参加者たちが投げ込んだのがエンダウメント効果と物語だ…
共産主義は理想・社会主義は工程
同じ「社会主義」という語を使いながら、マルクスとワルラスはまったく違う場所に立っていた。この回は、両者を並べて論じることの危うさを三つの軸で解体し、最後にそれを自社の組織設計と…
出禁を狙うブース戦略
この回は、前半が「営業とは何か」をめぐる雑談、中盤が制度理論の講義(別レポートで扱う)、そして後半が5月の資産運用EXPOにどう出展するかという実戦計画で構成されている。本レポートが扱うのは、前半の営業論と後半の出展計画…
分析ツールの矛盾と組み合わせ
フレームワークを1つ覚えても、事業判断は1ミリも進まない。この回の講義は「VRIOの4文字が何を意味しているか」を言葉の水準まで分解したうえで、複数の分析を重ねたときに必然的に…
制約条件理論と全体最適化
今回の勉強会の前半パートは、前田さんによる制約条件理論(TOC:Theory of Constraints)の講義が中心となった。テストの平均点を上げるという身近な題材を起点に、「全体を最適化するには、強みを伸ばすのでは…
合理性と正当性のズレ
合理化とは何をする作業なのか。なぜ手段だったルールが目的をのみ込むのか。そして、人が合理的に「考える」のに正当性で「動いて」しまうとき、その差はどこで測れるのか。前田氏の講義と、マイキー氏の制度理論からの切り返しが正面衝…
同人誌が育てた日本のIP
日本の漫画とアニメが世界に届いた理由は同人誌だった、という仮説から議論は始まる。ならばAIによる「デジタル同人誌」も同じ役割を果たすはずだ――そう見立てたうえで、iモード、Su…
同質化の三段階と形骸化
この回は、前回に置いた「制度の定義」という土台の上に、制度がどうやって出来上がるのかという作動原理を積み上げる時間だった。講師(前田氏)が冒頭で釘を刺したのは、前回いちばん誤解を招きそうだと感じていた点である。同質化すれ…
命題のすり替えと論破の罠
この回の後半、講義が終わってから約47分間続いたディスカッションは、単なる質疑応答の域を超えている。前半で提示された弁証法という枠組みが、参加者それぞれの実務――事業相談、論文…
型がなければ型破りはできない
この日の勉強会は、マイキー氏が直前まで行っていた事業面談の話から始まった。70本のうち20本が「殺そうかと思った」レベルで、しかもそれを作ってくるのが50代・60代の大手企業出…
埋め込まれた前提とホンダの敗北
後半のセッションは、前半で組み立てた制度理論の道具を、具体的な企業と市場に当てはめる時間になった。きっかけは、参加者の一人が「だからホンダが負けたんじゃないですか、今回」と切り出したことだった。ここからマイキー氏が展開し…
埋もれた技術とプレゼンの壁
シュンペーターのマーク1・マーク2を「拡大するサーチ」と「深めるサーチ」に読み替えたところから、議論は大学と企業の断絶、産学連携が契約段階で止まる現実、蓄電池という巨大市場、そして「あなたの話が面白くないから売れない」と…
境界線はリスクでしか測れない
ブルーオーシャンとは境界線の再定義である。ではその境界線はどうすれば見えるのか。答えは「怒られてみること」だった。中国スポーツブランドのNike侵食、韓国サンダルのKPOP戦略、Anthropicのミュートスまで、線を動…
増刷交渉と無償組織の統制
この日の勉強会の後半は、講師の書籍の発売を控えたプロジェクトの説明に充てられた。表面上は本を売るという話だが、講師も進行役も繰り返し「これは組織論の実験である」と位置づけている。売る・買うという話ではなく、自分のところに…
外国人材と把柄の発想
日本は先細りだ、という参加者の実感から始まった議論は、雇う相手を日本人に限定する必要はどこにもないという結論に向かった。さらに議論は中国ビジネスに及び、そこで一つの中国語が持ち…
奇跡の復興と長子相続の呪縛
戦後日本が世界に対して持っていた優位は識字率だった。だがそれは「マニュアル化できる」という優位であり、0から1を作る能力ではなかった。加工貿易、半導体潰し、MBAを「外国かぶれ…
女性リーダーの数値優位と評価制度
合宿直後の集中セッションで読み込まれた約100本のリーダーシップ論文。その分類作業と、そこから導かれた「評価制度を切り替えなければ人は変わらない」という主張を再構成する。
威信という見えない資源
講義の最終盤、渡辺氏が資源依存理論を政治学の系譜に置き直した。資源とは与えられるものではなく作るものであり、金・正当性に続く第三の資源として威信(プレステージ)が浮かび上がる。明治日本と近代中国の事例まで議論が伸びた。…
実践事例と日本への示唆
iPhoneは本質的に「持ち運びのパソコン」でありながら、市場投入時は「携帯電話の一部」として既存の文脈に着地させ、そこから徐々にパソコン機能を充実させていった。半導体製造装置でも、ラ…
密度依存モデルと参入の時機
この回の前半は、前田講師による組織エコロジー(組織生態学)理論、なかでも密度依存モデルの講義にあてられた。冒頭で講師が明示したのは視点の反転である。これまでの勉強会で扱ってきた理論の多くは、組織が主体的な意思を持って動き…
対話の精神と静かなるリーダーシップ
2026年のダボス会議のテーマは「A Spirit of Dialogue(対話の精神)」だった。探り合いと熱量が求められる場に、日本は自国向けの理論をそのまま持ち込み、超長期金利が跳ねた。講師はこれを財政論の失敗ではな…
市場戦略と子供食堂支援
本レポートは、EVのメンテナンス性を巡る座談会、経営理論(キャズム理論)の講義とディスカッション、BYDの市場戦略分析、そしてNPO法人の子供食堂支援事業報告という4部構成のミーティン…
希少性と効用最大化の限界
経済学の土台にある二語、希少性(scarcity)と選択(choice)を出発点に、商品価値がどこから発生するのかを組み立て直したセッション。後半は「効用最大化は本当に定量化で…
広告神話の崩壊と勝者の呪い
「広告費の投入量は売上と市場シェアの相関を作る」。経営戦略で長く語られてきたこの命題を、講師はオークション理論と行動経済学の二つの武器で反証しにかかった。勝者の呪い、自動入札、…
情報を知識に変える技術
前田氏が「アウトプットが何かわからない」という荒井氏の訴えに答え、料理のメタファーで体系化したプレゼンを扱う。牛肉をそのまま出すコピー&ペースト、食材にあたる情報、そして料理そのものに…
成長段階とFCFの読み方
同じ数字でも、企業がライフサイクルのどこにいるかで意味が反転する。導入期・成長期・成熟期・衰退期の四段階、その最初の関門であるキャズム、そしてなぜ成長性の指標がキャッシュフロー…
戦略論:優位性のつくり方
本パートでは、戦略論の核となる定義から入る。戦略とは選択肢を増やし、その中から適切なものを選ぶ行為であり、戦略そのもので直接勝つことはありえない。勝敗を決めるのは選んだ選択肢を最大化す…
手書き・図解・復習の勉強法
市場構造と資金調達の議論を終えた後、話題は学習の方法論そのものへ移った。この転換は唐突ではない。前半で示された結論——海外までリサーチできる人とできない人の間に圧倒的な差が生ま…
批判的思考は悪口から始まる
「批判的思考を養うにはどうすればいいか」という質問に、講師は「人の悪口だけ言い続けてください」と答えた。乱暴に聞こえるこの処方箋は、しかし最後に「悪口をロジカルに喋れないやつの…
抜けられない合弁の代償
資源依存理論の講義は、途中から日本企業の中国合弁という生の実務に着地した。中川氏の現場証言を軸に、サムスンの撤退手法とテスラの単独出資を並べて、依存の解除がなぜこれほど難しいのかを追う。…
撤退判断と実務への応用
本パートは、戦略の定義が現実の意思決定にどう表れるかを扱う。来日したNVIDIAのジェンスン・ファンCEOが日本の強みを「ものづくりと材料」と評したことを受け、日本はルールメーカーにな…
暴落心理とレバレッジETFの罠
本レポートは、提供された文字起こしの内容を可能な限り忠実に構造化・整理したものです。相場に関する見通し(IBMの下落予想、SK hynix ADRの正常化時期など)は、いずれも登壇者個…
正当性の三類型と脱制度化
制度理論の第2回は、前回の同質化(アイソモーフィズム)の議論から一段深いところ、つまり「そもそもなぜ人は制度に従ってしまうのか」という層に降りていった。講師の前田氏は冒頭で、この理論が抽象的にならざるを得ない理由を、理論…
正当性はずらして変える
制度理論の講義本編が終わったあと、この回は1時間半近くにわたって実務の質疑に費やされた。テーマは一貫している。理論として「正当性は変えられる」と分かったとして、では自分の組織の中で、それを具体的にどうやるのか。質問したの…
比喩の三類型:比較・列挙・対比
比喩は才能ではなく設計である。この回の前半は、比喩を「比較」「列挙」「対比」の三つに割り、それぞれの成立条件を言語化する講義に充てられた。コロッケとメンチカツという卑近な例から…
海外出展はパッケージで売る
エキスポ振り返りから始まった雑談は、途中から「なぜ日本企業は海外展示会で成果を出せないのか」という構造論に変わった。講師が韓国・台湾・中東で実際に使っていた出展の設計思想、そして営業部隊を二つに割るという運用が語られた回…
満足度・理解度・支配可能量
この回の前半は、前田氏による「効用価値説」の講義に充てられた。前回扱った限界革命の背景論を受けて、今回はそもそも商品とは何か、価値とは何かという定義そのものを解体する作業に入っ…
無形資産をどう値づけるか
PBRもPERも、全員が同じ能力であることを前提にした労働集約型の世界で設計された。人ひとりの質が価値を決める市場で、その物差しは何を取りこぼすのか。赤字上場企業に価値はあるのかという問いから、デューデリジェンスで財務の…
理念型は理想ではない
この回の主題は理念型ひとつである。前田氏はまず、マックス・ウェーバーをこれだけしつこく扱っている理由から入った。重農主義や重商主義、アダム・スミスといったこれまでの経済思想は、…
理想・規範・イデオロギー
この日の後半は、講義というより即興の設計作業だった。前田氏が「価値は理想・規範・イデオロギーを総括したものであり、それは文化・宗教・学問によって形成される」と述べた直後、マイキ…
矛盾を抱える力と後悔最小化
このセッションは、前段の講義で出た一つの問いから始まっている。「学問は価値判断を排除できないが、介入させてはいけない」という矛盾をどう扱えばいいのか、という問いである。講師の前…
知の探索とコンピテンシー・トラップ
この回で開示された組織設計は、感覚で組まれたものではなく、複数の経営学・組織心理学の理論を実装先として選んだ結果だと説明された。本レポートはその理論の中身を扱う。ダイナミック・…
社長が回ると継続率が変わる
この回の後半は、前夜に実際に起きた事件から始まった。マイキー氏の知人経営者である小山氏が、自身が発注しているYouTube制作会社に対して激怒した。理由は成果物の質ではない。重…
組織と個人のボトルネック
勉強会の終盤では、制約条件理論(TOC)を組織マネジメントと個人の行動に適用する議論が展開された。技術やビジネスモデルの制約を解消しても、最終的なボトルネックが「人間の感情」「自分が可愛い」という心理に行き着くことが繰り…
組織フィールドと制度の隙間
この回の講義部分は、前回までの「同質化と正当性は厳密には別物である」という確認を引き継ぎ、では制度はどういう範囲に生まれるのかという問いから始まった。提示されたのは三層のモデルである。最も外側に 組織フィールド (業界を…
経営改革と変革の物語
本パートでは、ドットコムバブル期の携帯電話向けデジタルチップ(DSP)で市場を席巻したTIが、AIブームでは一転してアナログの電源・電力管理に原点回帰した変遷を追う。NVIDIAと競合…
美の標準化と模倣の三角形
この回の中心は、講師(マイキー氏)が翌日のメディア取材のために整理していたという一つの実話である。ある日本の美容系スタートアップから「どうやったら韓国に勝てますか」という相談を受け、彼は「絶対に無理です」と答えた。大手で…
習慣は文化より変わらない
前半の講義が「組織にはルーティンと暗黙知が積み上がっている」という理論を提示したのに対し、質疑は一気に実務の話に落ちた。最初の質問者は、ルーティンは文化なのかそうでないのかと問い、自分は文化になる手前のものだと考えている…
評価基準を反転させる設計
この回は、主宰者が自らのコミュニティを「どういう設計思想で作ったのか」を、初めて全体像として言語化した回である。組織論の教科書的な話ではなく、実在するひとつの組織の入口から出口…
話しかけられない人とルールの穴
この回は、三日間の展示会出展を終えた直後の反省会である。参加者それぞれが現場で何を試し、何が効かなかったかを持ち寄り、講師二名がそれを設計論に翻訳していく構成になっている。前半は現場の声かけ技術、中盤は会場ルールとの折衝…
貨幣と労働力:二つの特殊な商品
市場で交換されるものはすべて商品である。だがその中に、他のどれとも似ていない特殊な商品が二つだけある――貨幣と労働力。この回の講義は、その二つをまったく同じ図式で語り切るという…
資料なしのグラデーション
展示会での登壇を終えた直後の反省会で、講師が最も時間を割いたのがプレゼンテーションの技術論だった。ここで提示された課題は、話し方の巧拙ではない。スライドという道具を取り上げられたとき、何を代わりに使うのか、という問題であ…
資本家に養われた反資本主義
この回は『資本論』そのものの解説ではない。講師の言葉を借りれば「資本論に行く前に、資本論がどういうものなのか、何のために書かれているのかが分からないと、書いてある言葉をそのまま…
資源分割理論と中規模の消滅
組織エコロジーの一分派である資源分割理論(resource partitioning)を、米ビール産業とスターバックスの実例から読み解く。ジェネラリストとスペシャリストは競合しない。潰れるのはその中間にいる企業である、と…
質問力と営業プレゼン術
第2部は、前田氏が代講で参加者約670名にフィードバックした内容を、メンバーが実演形式で共有する構成で進む。「褒めてから落とす」ではなく先に欠点を示してから持ち上げる対比の技術、丁寧す…
逸脱の正常化と適応課題
本編講義の前半テーマは「組織レジリエンス理論」。危険なサインが日常に潜んでいても、トラブルが起きなければ「問題ない」と組織内で評価され続けてしまう逸脱の正常化(Normalizatio…
過去の依存を外すナラティブ
比喩の講義が終わった直後、「メタファーとナラティブをどう繋ぐのか」という問いが投げられた。そこから展開されたのは、説得の構造を過去・現在・未来の三段に分解し、そのうち最も削られ…
適切な問いに三分の一を使う
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を、宗教社会学の古典としてではなく「調査設計の教科書」として読み直した回。答えを出す前に、問いそのものを壊して組み立て直す作業に、どれだけの時間を割いているか。前半の雑談で出…
量なくして質は語れない
この回の後半、話題は完全に個人の側へ移った。きっかけは、建築業で長く技術を磨いてきた参加者からの相談である。業界内でトップと呼ばれる位置まで来て、副大臣や文化庁から声がかかるようにもなった。1番になれば口を利くだけで食べ…
量子5方式と3次元推論の壁
量子コンピュータについて質問が殺到したにもかかわらず、講師は講演でその話をしなかった。理由は明快で、方式を特定しない質問には答えようがないからである。この回では超伝導・イオント…
限界は変化量・価値はセットアップ
同じ商品でも価値が変わる。それを言い切った瞬間に経済学は科学になり、同時に「価値はこちらから動かせる」という商売の道具にもなった。限界革命の初回講義と、それを即座にプレゼンと体…
雨が降れば傘を差すのか
雨が降ったから傘を差した。本人の心理としては筋が通っている。統計を取れば日本では大半が差している。では「雨が降る=傘を差す」は因果か。フロリダでは1割しか差さないと聞いた瞬間、その命題は崩れる。この日の質疑は、社会学の証…
需要階層と対話・4.0
コトラー理論の中核は需要の段階的理解にある。「テレビは何台必要か」に答える顕在的なデマンド、「今の不満は何か」を言語化できるニーズ、そして「リビングを広くして家族の時間を増やしたい」と…
非市場戦略と日本の弱さ
前半で組み上がった三層のマトリクスに対し、渡辺氏が投げた一言が議論の方向を変えた。多くの人がこの図に唐突さを感じるのは、宗教的定義と市場的定義のあいだに本来入るべき政治的定義が…
韓国関税25%と日本波及リスク
韓国が対米関税を15%から25%へ引き上げられた経緯を扱う。3,500億ドルの対米投資を約束し15%まで下げる合意に近づいていたが、投資管理特別法が野党の反発で成立せず、ヒュンダイ工場…