質問力と営業プレゼン術

質問5段階モデル・SPRINT営業フレームワーク・プレゼン演出技術

動画1:レコーディング 2026 07 19 213653 動画2:レコーディング 2026 07 19 213647 収録日:2026年7月19日(日) テーマ:相場心理/レバレッジETF/質問力/営業プレゼン
OVERVIEW / 本レポートの位置づけ

本レポートの概要|質問力と営業プレゼン術

この回のレポートは全2本に分割しています。本ファイルはその2本目、テーマは「質問力と営業プレゼン術」です。

代講フィードバック
670
前田氏による個別フィードバック実施
質問モデル
5段階
調査→推測→生産→解釈→主観の順
LINEブロック率
1〜3%
話者運用、業界平均30%より低水準
竹さん売上
3
マイクロインフルエンシング導入後

第2部は、前田氏が代講で参加者約670名にフィードバックした内容を、メンバーが実演形式で共有する構成で進む。「褒めてから落とす」ではなく先に欠点を示してから持ち上げる対比の技術、丁寧すぎる話し方を避け感情を乗せる話法、300人規模の聴衆に効く「間」の使い方など、プレゼンテーションの技術論が具体例とともに展開される。

続いて、生成AIの普及で「質問力」が差別化要因になるという時代認識のもと、調査的→推測的→生産的→解釈的→主観的という質問の5段階モデルと、Speed・Problem・Result・Implement・TrustからなるSPRINT営業フレームワークが紹介される。Whyより相手を萎縮させないHow comeを使う工夫、聴衆の期待値を一度上げてから落とす演出技術も併せて解説される。

後半は営業・集客の実践編で、就活の場で主導権を握る「一抜けた戦略」、顧客層に合わせて品質配分を見直したコーヒー店の実例、専門性を高めて成約率を上げるマイクロインフルエンシング(ボイストレーナー「竹さん」の売上3倍事例)、海外投資家との非公式通話を使う情報収集法が語られる。さらに、教育委員会と11の高校への交渉を経て実現した宮崎商業高校での出張授業と「日本病」への処方箋、「男性がやらないこと」を積み上げる女性のキャリア戦略、認知負荷理論とギフテッド教育の「勉強1時間:議論7〜8時間」という黄金比率、主要Q&A5件と副業・発信・キャリアへの統合インサイトまでを収録する。終盤ではホワイトボードを使ったボラティリティドラッグの数値実演と、今後のオフラインイベント告知も扱う。

第2部質問力・プレゼンテーション・営業講座

「マイキークラブ」と見られる学習コミュニティの配信講義。前回代講を務めた前田氏へのフィードバック確認から始まり、プレゼンテーション・質問力・営業トークの技術論へと展開する。

2-1. 前田氏の代講とフィードバック

講師(マイキーさん)が金曜日に登壇できなかったため、前田氏が臨時講師としてメンバー各自の営業・プレゼンプレゼンテーションに個別フィードバックを実施(参加者約670名)。マイキーさんはそのフィードバックを「そのまま報告する」のではなく、前田氏から得た気づきを本人の言葉で消化し、実演を交えて他メンバーに伝えるようメンバー(渡辺さん)に要求し、以降その実演形式で講義が進行する。

前田氏による3名への個別フィードバック一覧

対象者強み(褒めた点)問題点・指摘具体的アドバイス
渡辺氏聡明さ・論理性褒めて終わるパターン。丁寧語すぎて感情が伝わらない「マウント口調で喋れ」。批判→逆接→賞賛の3ステップに組み直す。丁寧語(〜です/〜ます)は使わない
豊谷氏圧が強い・言いたいことがはっきりしている1対1で話しかけてしまい、300名接続を意識できていなかった「間(ま)を入れる」。1対多数では間を置くことで全員に届く。自分をコントロールして喋る技術が必要
寺尾氏感情が豊か・自然な表現が出るシナリオを書くとダメになる。テクニックに走りすぎて感情が消える「シナリオを書くな」「感情に突っ走れ」。「札幌に来てください。なぜなら私がいいと思うから」の一言で十分

前田氏の「アンカリング」パターン(唯一の説明構造)

3ステップ必勝パターン ── すべての説明に適用可能:
①「あなたの問題点はここです」と明示してアンカーを打つ
②「なぜならこういう理由です」と根拠を説明する
③「だからこう改善すると、この問題が解消できます」と解決策を示す

前田氏はこのパターンしか使っていないにもかかわらず、670名それぞれに機能するフィードバックが成立していた。つまり「しっかりしたパターンが1つあれば十分」というのが、この個別指導から抽出された最大の学びとして整理された。

2-2. 「褒めてから落とす」の逆転技術

渡辺さんは当初、マイキークラブの勧誘プレゼンで「マイキーさんは優秀」と単純に褒めていたが、前田氏からは「先に悪口(けなし)を言ってから持ち上げた方が説得力が上がる」というフィードバックを受けたと報告。マイキーさんはこれをサッカーが得意な少年A・Bの比較例で解説した。

比較例:
A:「A君はサッカーがうまい。毎試合3点取り、リーダーシップもある」
B:「A君は不細工で先生に楯突き、部活以外は学校に来ず、差別的で人を見下す最低なやつ。だけどサッカーだけは誰よりうまい」
→ 参加者への挙手アンケートでは、Bの説明の方が「本当にサッカーがうまい」と感じる人が多いという結果が提示された。

これを応用し、「マイキーさんは口が悪く、性格も意地も悪い(3拍子)。だが、他のどのコミュニティよりも情報の質が高く、勉強になる」という構成に変えることで、対比効果(先に下げてから上げる)により信憑性が高まるという結論が導かれた。

理論的背景:人を一方的に褒めるだけでは説得力が生まれにくい。他人の弱点・欠点を一度提示(批判)することで、対比によって伝えたい強みがより強く伝わる、というのが今回のプレゼンテーション上の学びとして整理された。

渡辺氏の実演:ビフォー/アフター

✗ 最初のアプローチ(褒めて終わる=失敗パターン)
・「マイキーさんはIQ150で優秀です」
・「難しいことを分かりやすく教えてくれます」
・「上から下に降りてくる能力があります」
→ 褒めて終わり。説得力が生まれない。
✓ 前田氏の指摘後(改善パターン)
・「マイキーは口が悪い、性格も悪い、意地も悪い」
・「色々なコミュニティに行ったけど…」
・「それでもあの人に教わるしかない」
→ 批判→逆接→賞賛の流れで信憑性が激増。
プレゼンの大前提(マイキー氏・前田氏):プレゼンテーションは「内容を伝えるもの」ではなく「自分の感情を伝えるもの」。丁寧語(〜です/〜ます)を使えば使うほど第三者的な評価に聞こえ、感情が伝わらなくなる。言葉が汚いほうが感情のフックがかかり、記憶に残りやすい(Amazonの口コミデータでも実証されており、"Fucking tasty" のほうが "Very delicious" より購買行動を引き起こす)。

2-3. 感情を乗せる話し方と「間」の技術

禁止事項:丁寧すぎる話し方

前田氏から渡辺さんへの指摘として「丁寧に喋るな」「マウント口調で話せ」という指示があったと紹介された。理由は、「こと」「もの」のような第三者的・客観的な言葉遣いをすると、感情が伝わらなくなるため。プレゼンテーションは内容を伝えるだけでなく、自分の感情を伝えるものであるという整理がなされた。

汚い言葉・過剰表現の効果

Amazonレビューのコメント欄で、丁寧な表現よりも汚い言葉(例:"fucking tasty" vs "very delicious")を使ったレビューの方が読み手の感情に強く響くというデータが引用され、過剰な言葉づかいや汚い言葉がフックとして機能するテクニックとして紹介された。マイキーさん自身が講義中に「クソみたいなやつ」「ゴミみたいな」といった強い言葉を多用しているのも、この効果を意図したものとされる。

「間(ま)」の使い方

別メンバー(ゆたさん)からの報告として、前田氏は話す際に必ず一拍「間」を置くタイプであり、1対1の会話と異なり、300人規模の同時視聴者に対して話す場では、この「間」を意識的に使うことで、1人にしか伝わらない話を10人・20人・30人に伝わる話に変えられる、という指摘が共有された。

実践への転換:マイキーさんはこの報告の仕方自体にもダメ出しを行い、「私(アイ)」を主語にした自分語りで終わらせるのではなく、「皆さんもこの“間”を意識してみませんか」と聴衆を巻き込む提案型の話し方に変換することの重要性を強調した。

「私が」を「みんなは」に変換する技術

✗ やりがちな「私が」スタイル
・「私は前田さんから間の使い方を学びました」
・「私がすごいと思ったのは○○です」
・「私の体験では…」
→ 自分の感想に終始し、聴衆は「で、自分にどう関係があるの?」となる。
✓ 聴衆を主語にする「みんなは」スタイル
・「人と話している時に、間を詰めて喋ってしまった人は?」と質問する
・「みんなそうですよね、自分もそうでした」と共感をつくる
・「じゃあ一緒に間を入れてみませんか?」と提案で締める
→ 「自分の体験」が「全員に関係する話」になり、気づきをプレゼントする構造になる。
豊谷氏の「愛が強すぎる」問題:「私がすごいと思った」が強すぎる(Self-centered)と人を巻き込めない。本当の愛(Love)は相手を変化させることであり、「みんなも同じですよね」「みんなも変化できる」という文脈に落とすことで、個人の体験が全員に関係する話へ昇華する。

教師が生徒に教える場合も同じ:「今日のページを開いてください」と授業を始めても誰もスイッチが入らない。最初に質問を投げかけてから本題に入ると、全員の注意が向く。

声・発声の技術(ボイストレーナー「竹さん」の知見)

2-4. 質問力が問われる時代背景

NVIDIAのジェンスン・フアンCEOの発言(「以前より回答を得る回数は圧倒的に減り、その代わり質問する回数が格段に増えた。1日中質問だけをしている日もある」)が引用され、生成AI・インターネットの普及により「答えへのアクセス」が容易になった時代には、「どのような順序・流れで質問を組み立てるか」という質問力そのものが差別化要因になるという主張が展開された。

「万が一日本にジェンスン・フアンが来て1時間できるとなったら、俺は多分1時間質問だけにします」

これを踏まえ、講師はコミュニティ内のメンバーに「質問の回数が増えている人」と挙手で確認した上で、「では、なぜマイキークラブでは質問の回数が増えないのか」と鋭く指摘。考えられる理由として①講師の情報がしょうもないため質問する必要がない(AIより精度が低い)、②単にビビって質問できていない、の2択を提示し、後者(心理的障壁)が実態に近いという流れで議論が進んだ。大半の参加者は、自分より「少し上」か「同レベル」か「自分より下」にしか質問していないのが実態だとされた。

質問相手のレベルと学習効果の相関

質問相手のレベル得られる情報の質成長速度具体例
自分より低い・同レベル低〜中ほぼゼロ〜微増友人との雑談、SNSでの検索
自分より少し上緩やか同じコミュニティの先輩への質問
自分より格段に上急速マイキー氏・前田氏への質問
世界トップクラス最高水準最速(1時間で数年分に相当)ジェンソン・ファン、エリック・シュミット、サティア・ナデラへの質問
「高度な人間にこそ質問しない」という矛盾:自分よりレベルの低い相手に質問を重ねて「質問が増えている」と思っている状態は、成長とは無関係。高度な相手がいるからこそ質問の量と質が上がるはずなのに、「怖い」「難しすぎる」という理由で回避してしまうのは本末転倒であると強く指摘された。

2-5. 質問の5段階モデル

プレゼンテーション・営業における「質問力を段階的に高める」フレームワークとして、5つの質問タイプが順を追って紹介された。

段階名称目的・内容
1インベスティゲイティブ(調査的質問)事実や原因を深掘りする。隠れた情報を引き出し、「今なぜこれが起きているのか」「根本原因は何か」を明らかにする。
2スペキュレイティブ(推測的質問)視野を拡張し、想像的アプローチを模索する。「他にどんな活用方法があるか」「他にも応用できないか」を問う。
3プロダクティブ(生産的質問)実行可能性・リソース・現状評価を問う。「実行するリソースはあるか」「何が必要か」を具体化する。
4インタープリテイティブ(解釈的質問)本質的な意味づけを行う。実行する理由・目的を問い、自分または相手を納得させる。
5サブジェクティブ(主観的・悲観的質問)相手の感情・不安・懸念を炙り出し、「こういうものがあったら良いと思いませんか」という形で相手の主観に働きかけ、解決に導く(クロージングにつながる)。
ポイント:この5段階は単なる知識羅列ではなく、①調査 → ②推測 → ③生産的検討 → ④解釈・意味づけ → ⑤相手の主観に落とし込む、という一直線の「流れ(ストーリー)」として構成することで、プレゼンテーションや営業トークの説得力が飛躍的に高まるとされる。段階を飛ばすことは推奨されず、特に質問経験の浅い人ほど順番通りに型を身につけるべきとされた。

講師は自身の過去のプレゼン(出版記念講演会、ロックウェル登壇、コカ・コーラのマーケター経験者ジェレミー氏との対談など)が、無意識にこの5段階構造に沿って展開されていたことを、参加者との対話を通じて実例解説した。また、講義内で「席モデル」と呼ばれる、暗黙知を形式知に変換しながら学びを螺旋状に発展させていく別のフレームワーク(ナレッジマネジメント領域で知られるSECIモデルに近い概念と推察される)とも対応関係があると位置づけられた。

補足:「席モデル」という呼称は音声のみでの言及であり、正式名称・出典は動画内で明示されていない。一般的な知識創造理論(暗黙知⇄形式知の変換を螺旋的に繰り返すSECIモデルなど)との類似性が話の文脈から読み取れるが、断定はできない点に留意。

2-6. Why と How come の使い分け

英語における「なぜ」を尋ねる表現として、"Why" は心理的な圧力をかけやすく、相手の思考を硬直化させやすいのに対し、"How come" はよりネイティブでカジュアルな響きを持ち、相手が安心して答えられる場(間)をつくりやすいという違いが説明された。

この考え方は日本語での質問設計にも応用可能であり、講義が難解な話題に入るほど、聞き手が萎縮しない柔らかい聞き方(Whyではなくどのように=Howに近いニュアンス)を選ぶことが、質問・発言のハードルを下げる工夫になるという議論がなされた。

2-7. SPRINT営業フレームワーク

営業における「スプリント」と呼ばれる6段階のフレームワークが紹介された。スピード(信頼構築の速さ)を起点に、以下の流れで顧客との関係を「囲い込み(クロージング)」まで導く。

頭文字要素内容
SSpeed(即興性)顧客の話す内容を、顧客自身よりも的確に言語化・要約して即座に返す。相手の想像以上のスピードと精度で応答することで信頼が生まれる。単なるオウム返しは逆効果(嫌われる)とされる。
PProblem(問題の拡大)相手の問題を漠然としたものから明確化し、放置した場合の悪化リスクを提示する。「なぜ今すぐ対応が必要か」を伝える。
RResult(結果の提示)その問題を解決した場合に得られる具体的な未来像を提示する(短期間で、効率的に、など)。
IImplement(実行への後押し)結果は感情に訴えるが、実行段階では「安全性」への不安(痛くないか、高くないか、怖くないか)に配慮し、安心して実行できるようコミュニケーションする。
(N)個別対応・カスタマイズ性「あなただからこうしている」という個別最適化・カスタマイズの提示。他社との差別化ポイントとして機能する。
TTrust(信頼の醸成)これまでの流れを通じて信頼を積み上げ、最終的なクロージング(囲い込み)につなげる。
営業とプレゼンの違いについての整理:「営業は攻め、質問は守り」という表現で、SPRINTモデル(営業=主導権を取りにいく攻めの型)と、前述の質問5段階モデル(相手の思考を引き出す守りの型)が対比的に位置づけられた。段階の順序を入れ替えることも状況次第では可能だが、まずは型(暗記できる基本形)を身につけることが優先されるべきとされている。

また、実例として歯科治療の営業トーク(放置した場合のリスク提示→安全性への配慮→カスタマイズ提案→クロージング)を用いて各段階の使い方が具体的に解説された。

2-8. 「上げてから落とす」演出技術

プレゼンにおいて聴衆の期待値を意図的に一度持ち上げてから落とすことで、より大きな落差(インパクト)を演出する技術について、別のメンバー(佐藤さん)からの質問をきっかけに解説された。

2-9. 「一抜けた戦略」と会話の主導権

就職活動のグループディスカッション対策として、大学生から受けた相談への回答が紹介された。

参加者全員が「ベンチャーキャピタルとは何か」について各自の知識を語り合う議論の中で、あえて議論の中身から一歩引き、「そもそもベンチャー企業の定義を揃えませんか」と提案する。これにより自らがファシリテーター(進行役)としての立場を獲得し、場の主導権を握ることができ、面接評価にも良い印象を残しやすい、という「一抜けた戦略」が紹介された。

合わせて、相手に「なぜ」と直接聞いても答えられないことが多いため、その前段階で「この言葉の意味は分かりますか」と定義を確認するステップを挟むことで、相手から情報を引き出しやすくなるという、質問設計上の実践的な工夫(本人いわく「ずるがしこさ」)も語られた。

2-10. 顧客層に応じた品質設計(コーヒー店の実例)

マイキーさん自身が過去に運営していたとされるコーヒー店(歌舞伎町の喫茶店)の事例が紹介された。

教訓:「うまいコーヒーだから」という理由でその店を選ぶ顧客はほとんどいない、という顧客インサイトに基づき、品質への投資配分を見直すことの重要性が語られた。

2-11. マイクロインフルエンシングと集客の質

エキスポ(展示会)経由の集客と、YouTube経由の集客の質の違いについて議論された。

2-12. 情報収集の実践法

「どうやって情報を収集しているのか」という質問に対し、話者は日常的な情報収集の手法を紹介した。

2-13. 宮崎商業高校 出張授業 ──「日本病」の現場と質問による解決

佐藤さん(宮崎県の大工・注文住宅業)の教員ネットワークを通じて実現した出張授業の記録が共有された。教育委員会および11の高校への交渉を経て実施され、生徒・教師の双方を対象とした実践型プログラムだった。マイキーさんはこれを「ロックウェルでの登壇よりも重かった」と評している。

質問が果たす役割の整理:営業で最も重要なスキルはヒアリング能力(質問力)であり、「何を聞くか」「どの順番で聞くか」「どんな言葉で引き出すか」の設計が契約率・売上を決める。プレゼンでも最初に聴衆へ質問を投げかけることで全員が「自分ごと」になる。認知負荷理論の観点からも、質問を挟むことで聞き手に処理時間を与える効果がある。

2-14. 女性のキャリア戦略 ──「男性がやらないこと」というブルーオーシャン

セッション冒頭、静かさん(宮崎県・畜産系の食品加工会社勤務)との対話から展開されたキャリア論。学歴・経歴は高いにもかかわらず、実態は「お茶出しから始まる」職場環境であり、「なんで変わらないんですか」と聞くと「ずっとこれだから変える予定もない」と返ってくる典型的な地方・保守的職場だと紹介された(顧客は畜産農家が中心で、業界ごと昔風の文化が根付いている)。

戦略内容なぜ有効か
レッドオーシャン回避人と同じことをしない。男性と同じキャリアを辿らないよほどの実力がない限り男性に足を引っ張られる。競争が激しいほど浮かばれにくい
ブルーオーシャン発見男性が持っていないスキル・キャリアを積み上げる「レアスキル」になることで価格交渉力が生まれ、比較されにくくなる
地方での逆張り地方・保守的業界ほど参入余地が大きい都市部より競争が少なく、ちょっとした差別化で目立てる。キャリア的なブルーオーシャンが残っている
「人と同じことをしていたら、よほどの人じゃない限りなかなか頭角は出せない。違う土俵に行くと、普通であっても等価を合わせやすい。キャリアも同じ。人と同じことをしていたら、特に女性の場合は男性が足を引っ張ってくるから、すごく大変になる。」(マイキーさん)

2-15. 認知負荷理論 × 学習効率 ── アウトプットなしに学びなし

認知負荷理論(Cognitive Load Theory)の核心:情報量を詰め込めば詰め込むほど、学習効果はマイナス方向に動く。脳がオーバーヒートして処理できなくなるためであり、プレゼンで「情報を詰め込むな」という法則には学術的な裏付けがある。

「何を言うか」より「何を言わないか」のほうが重要。ジャムの種類を10種類並べると3種類の時より購買率が下がる(選択の過負荷)のと同じ原理。

ギフテッド教育から学んだ黄金比率

プログラムインプットアウトプット比率
アメリカのギフテッド教育(マイキーさんが受講)勉強:1時間議論・プレゼン:7〜8時間1:7〜8
マイキークラブ(情報量は通常の20〜30倍)講義(情報量が多い)最低でも講義の2倍以上の議論・実践が必要1:2以上
典型的な学校授業(非効率)授業45〜50分ほぼゼロ(受け身のみ)1:0(非推奨)
参加者への具体的な行動指針:①毎セッション最低1回は質問する。②学んだことを言葉にして誰かに説明する(発言・SNS・日記・プレゼン)。③グリット(継続力、Angela Duckworth提唱)を意識して繰り返す。マイキークラブは1セッションの情報量が通常コンテンツの20〜30倍であるため、アウトプットを講義の倍以上やらないと学習効率はほぼゼロになる。

2-16. 主要Q&A・ディスカッション詳録

Q:プレゼンで「批判」を入れることへの抵抗感はどう克服するか?
A:抵抗感がある人は多い。ただし「人前で批判すること」と「批判的な視点を構造に入れること」は違う。重要なのは、批判がゴールではなく「その後に来る賞賛の信憑性を高めるための通過点」であると理解すること。Amazonのレビューデータが示すように、ネガティブな言葉が入ったレビューのほうが購買行動を引き起こす("Fucking tasty" が "Very delicious" より響く)。批判→逆接→賞賛という構造を体に覚え込ませると自然に使えるようになる。(マイキーさん)
Q:「間を使う」ことが苦手な人への処方箋は?
A:前田氏自身がもともと「サラサラ喋るタイプ」で、意図的に自分をコントロールして間を入れるようになった。まず「今、何人に向けて話しているか」を意識することが入口。1対1の会話と300名接続のZoomではまったく別の話し方が必要であり、「間を入れないと全員に届かない」と理解すれば間を取ることへの抵抗が減る。(前田氏・豊谷氏の事例から)
Q:シナリオを準備してはいけないのか?
A:全員にNGなのではなく、「テクニックに走るタイプ」(寺尾氏タイプ)に当てはまる。そのタイプはシナリオを書くほど感情表現が削がれて伝わらなくなる。自分がどちらのタイプか(感情型 vs. 構造型)を把握することが前提であり、感情型はシナリオなしで感情全開のほうが結果として説得力が高い。(マイキーさん)
Q:質問するのが怖い(エクストリームスポーツのような感覚)という人へ
A:「怖い」という感情は正常。しかし、自分より遥かにレベルの高い人に質問しないことは「自分より低い人にしか質問しない」のと同じで、成長が保証されない。ジェンソン・ファンが1日中質問しているという事実を思い出してほしい。「しょうもない質問でもいいから毎回質問する」という習慣化が最初のステップ。(マイキーさん)
Q:投資初心者が下落時にパニックしないためのメンタル管理は?
A:「最初の5〜10年は耐え時」と理解しておくこと。早期エントリーした人は下落を気にしない。長期的な視点で「今の下落が15年後にどう見えるか」を意識する。韓国のレバレッジETF事例のように、短期で一掃される人と持ち続けた人の差は数年後に歴然となる。(マイキーさん・小賀さん/詳細は本回1本目「暴落心理とレバレッジETFの罠」を参照)

2-17. 統合インサイト ── 副業・情報発信・キャリアへの応用

  1. 情報商材・コンテンツ販売:「落として上げる」フレームは販売ページ・動画の冒頭に使える。「このサービスの欠点は○○です」から始めることで信憑性が増し、CVRが改善する。
  2. SNS・発信活動:感情的なキャプション(汚い言葉・過剰な表現)のほうがエンゲージメントが高い。"Fucking tasty" の原理を自分のコンテンツに応用する。
  3. 投資判断:プロスペクト理論を知ることで「なぜ今売りたくなるのか」という感情的バイアスを自覚できる。自覚するだけで損切りの衝動を制御しやすくなる。
  4. 営業・ヒアリング:「アンカリング→理由→解決策」の3ステップはすべての商談に適用可能。最初に「あなたの問題はここです」と打ってから提案すると刺さりやすい。
  5. コミュニティ運営:質問させる仕組みをつくることが学習効率の核心。「毎回しょうもなくてもいいから質問する」ルールを設けることで参加者のアウトプット量が上がる。
  6. キャリア戦略(特に女性):「男性がやらないこと・レッドオーシャンを避けること」がブルーオーシャン発見の基本原則。地方・保守的業界ほど、参入障壁が低い分野が残っている。

2-18. 相場の補足:ボラティリティドラッグの実演

第1部で言及されたレバレッジ型ETFのリスクについて、ホワイトボードを用いた数値例で改めて解説された(翌日の講義でも取り上げる予定と言及)。

数値例(2倍レバレッジの場合):
・元本100ドルが1日目に+30%上昇 → 現物:130ドル/2倍レバレッジ:160ドル
・2日目に下落して現物ベースで100ドルに戻る(この時の下落率は-23.1%)
・レバレッジ2倍を掛けると下落幅は-46.2%相当となり、160ドル→86ドル
・結果:現物は100ドルに戻っているのに、2倍レバレッジ商品は86ドルにしかならない(同じ変動幅でも元本割れが発生)

この「ボラティリティドラッグ(ボラティリティ減衰)」の仕組みが、韓国のレバレッジETF投資家が短期トレード目的の商品を2〜3週間という中期スパンで保有し続けたことで損失を被った直接的な原因として改めて説明された。

2-19. 告知・今後のイベント