スナップショット
売上高
54.67億円
2025年9月期(前期比+10.1%)
PER(予)
約31〜32倍
2026年9月時点
ROE(実)
17.4%
2025年9月期
時価総額
約300億円
2026年9月時点(株価5,100円台)
事業ごとの売上高比率
セグメント別売上高構成(2025年9月期)
エネルギー関連事業(27.58億円、セグメント利益8.30億円、利益率30.1%):研究機関向けの安全性確証試験装置や新型炉評価試験設備、原子力・火力発電所の温度制御装置、核融合研究向けの溶融金属ループ装置など。原発再稼働関連製品と核融合関連製品の両輪で前期比23.9%増収。
産業システム関連事業(26.74億円、セグメント利益7.06億円、利益率26.4%):半導体・FPD・自動車・鉄鋼などの製造装置に組み込まれるシース熱電対・シーズヒーター・基板加熱ヒーター、アルミ給湯・鋳造用電磁ポンプなど。半導体製造装置向けは調整局面が続いたが、環境関連設備向けが補い前期比1.2%増収。
「その他」に含まれていた飲食店経営(0.34億円)は2025年9月期中に事業分離し、2026年9月期からは2セグメント体制となった。
顧客構成・地域の特徴
売上はほぼ国内向けで、主要納入先は電力10社・日本原子力発電・JERAなどのエネルギー各社、日立GEベルノバ・三菱重工・IHIといった原子力プラントメーカー、東京エレクトロン・KOKUSAI ELECTRIC・アルバックなど半導体装置メーカー、そして量子科学技術研究開発機構(QST)・日本原子力研究開発機構(JAEA)・核融合科学研究所などの研究機関に広がる。2025年9月期の上位顧客はシンワバネス15.7%、QST13.3%、日立GEベルノバニュークリアエナジー11.2%で、上位3社で売上の約4割を占める。海外はITERの協力企業として欧州向けや韓国原子力研究院向けの模擬燃料集合体納入実績がある。
出典:助川電気工業 2025年9月期決算短信(セグメント情報・主な相手先別売上実績)、同社会社案内「主要納入先」。
創業からの歴史
ミッション・ビジョン・バリュー
現経営者の特徴・過去の実績
直近決算の実績・ガイダンス
決算実績(前期比)
| 指標 | 2024年9月期 | 2025年9月期 | 増減率・評価 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 49.64億円 | 54.67億円 | +10.1% |
| 営業利益 | 9.16億円 | 11.65億円 | +27.1% |
| 営業利益率 | 18.5% | 21.3% | 改善 |
| 当期純利益 | 6.37億円 | 7.94億円 | +24.5% |
| ROE(実) | 16.5% | 17.4% | 改善 |
| 年間配当 | 34円 | 40円 | +6円 |
2026年9月期 第3四半期累計(2025年10月〜2026年6月)と通期予想
| 指標 | 3Q累計実績 | 前年同期比 | 通期予想(2026年5月上方修正後) | 進捗率 |
|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 45.42億円 | +5.0% | 60.70億円(+11.0%) | 74.8% |
| 営業利益 | 11.31億円 | +7.0% | 12.80億円(+9.9%) | 88.4% |
| 純利益 | 8.20億円 | +13.8% | 9.03億円(+13.7%) | 90.8% |
| エネルギー関連 売上 | 27.25億円 | +29.3% | ― | ― |
| 産業システム関連 売上 | 18.17億円 | −16.8% | ― | ― |
| 受注残高(合計) | 55.09億円 | +28.1% | ― | ― |
出典:助川電気工業 2025年9月期決算短信(2025年11月6日)、2026年9月期第3四半期決算短信(2026年8月6日)。
売上高・営業利益の推移
売上高・営業利益(12年推移、億円)
| 決算期(9月) | 売上高 | 営業利益 | 営業利益率 | 純利益 |
|---|---|---|---|---|
| 2014年 | 50.22 | 4.08 | 8.1% | 2.76 |
| 2015年 | 42.72 | 3.34 | 7.8% | 2.09 |
| 2016年 | 44.99 | 3.32 | 7.4% | 2.05 |
| 2017年 | 44.19 | 3.49 | 7.9% | 0.33 |
| 2018年 | 46.07 | 4.68 | 10.2% | 2.97 |
| 2019年 | 42.79 | 2.44 | 5.7% | 1.73 |
| 2020年 | 31.23 | −0.15 | −0.5% | −0.13 |
| 2021年 | 36.98 | 2.92 | 7.9% | 1.99 |
| 2022年 | 43.32 | 4.45 | 10.3% | 3.25 |
| 2023年 | 45.77 | 5.89 | 12.9% | 3.97 |
| 2024年 | 49.64 | 9.16 | 18.5% | 6.37 |
| 2025年 | 54.67 | 11.65 | 21.3% | 7.94 |
| 2026年(予) | 60.70 | 12.80 | 21.1% | 9.03 |
売上高の推移
2014年9月期から2019年9月期までは42〜50億円のレンジで横ばいが続き、原発停止下で成長性を欠く「地味な計測機器メーカー」だった。2020年9月期はコロナ禍と半導体装置向けの調整が重なって31.23億円へ27%減収し営業赤字に転落したが、そこを底に5期連続で増収し、2025年9月期には2014年の水準を上回る過去最高の54.67億円に達した。2026年9月期予想の60.70億円が達成されれば6期連続増収となる。
営業利益率の推移
変化の本質は売上ではなく利益率にある。2014〜2019年の営業利益率は6〜10%で推移していたが、2020年の赤字を経て2023年12.9%、2024年18.5%、2025年21.3%と急角度で上昇した。営業利益の絶対額は2020年の−0.15億円から2025年の11.65億円へと、5年で赤字から77倍の水準に変わった計算になる。要因は高利益率のエネルギー関連(セグメント利益率30.1%)の構成比上昇と、多能工化による生産効率向上の2つで、販管費は2024年8.46億円から2025年8.22億円へむしろ減っている。固定費が小さく増収分がほぼ利益に落ちる構造のため、逆に受注が途切れた場合は利益率が急速に元の1桁台へ戻るリスクも同時に抱えている。
出典:助川電気工業 各期決算短信(開示情報データベース catr.jp 集計)、IRBANK。
PER・バリュエーション
PER・PBR(2026年9月時点)
株価:5,100円台 PER(予):約31〜32倍 PBR(実):約5.4倍 配当利回り:約1.0% 時価総額:約300億円
2026年9月期の予想EPS163.74円に対して株価5,100円台はPER約31倍、2025年9月期の1株純資産886.74円に対してPBRは約5.4倍〜5.8倍となる。電気機器セクターや東証スタンダード市場の平均(PER15倍前後、PBR1倍前後)と比べると明らかに割高圏であり、市場は「原発再稼働+核融合」というテーマ性と、5年で利益率を20ポイント引き上げた変化率に対してプレミアムを支払っている。2025年9月期決算短信の「時価ベースの自己資本比率」は338.5%(前期145.7%)と、総資産の3.4倍の時価総額がついている状態である。
株価水準の変遷
株価は2024年に34年ぶりの高値を更新して1万2,000円台まで買われたが、その後は半値以下まで調整した。2025年9月には株探が「核融合発電銘柄」特集で取り上げ、2025年11月には政府が核融合開発に1,000億円超を投じるとの報道で大幅反発するなど、テーマ物色による変動が大きい。2026年9月時点の5,100円台は高値から約57%下の水準で、業績が3期連続最高益を更新する中で株価だけが下がった結果、PERは高値時の水準から大きく圧縮された。
PER観点からの投資判断
PER31倍を正当化するには年率15〜20%程度の利益成長が数年続く必要がある。2026年9月期予想の純利益成長率は13.7%、第3四半期累計では13.8%であり、成長率だけを見ればPEGレシオは2倍超とやや割高になる。ただし受注残高が前年同期比28.1%増の55.09億円(年間売上の約0.9年分)と積み上がっており、2027年9月期まで増収の可視性は高い。核融合関連が研究段階から実証段階へ進めば受注規模が一段階変わる可能性がある一方、テーマの熱量が冷めればPER20倍程度(株価3,300円前後)への調整余地もあると見ておくのが妥当だろう。
出典:株予報Pro(2026年9月9日時点 株価5,119円・PER予32.4倍・PBR実5.39倍・時価総額299億円)、助川電気工業 2025年9月期決算短信、株探ニュース(2025年9月13日・11月26日)。
ROIC・WACC・ROEの動向
ROE(自己資本当期純利益率)
2025年9月期実績:17.4%(2024年9月期16.5%)
東証スタンダード平均(7〜8%)の2倍超。自己資本比率64.8%と財務レバレッジが低い中での17.4%であり、収益性そのもの(売上高純利益率14.5%)が高いことによる。2021年9月期のROEは5.8%程度だったため、4年で3倍になった。
ROIC(投下資本利益率・推計)
推計:約14〜15%
営業利益11.65億円に実効税率30%を適用したNOPAT約8.2億円を、自己資本48.90億円と有利子負債9.82億円(短期借入1.90億円+社債7.92億円)の合計約58.7億円で割ると約14%。投資有価証券9.20億円を除いた事業投下資本ベースではさらに高い。
WACC(加重平均資本コスト・推計)
推計:約6〜8%
小型株でボラティリティが高いためβは1.2〜1.5程度と見られ、株主資本コストは7〜9%程度。有利子負債は社債中心で利率は低く(支払利息+社債利息は年1,000万円程度)、資本構成の8割超が自己資本のためWACCは6〜8%と推計される。
収益性の総合評価
出典:助川電気工業 2025年9月期決算短信。ROIC・WACCは決算短信の数値をもとにした当サイトの推計値であり、会社公表値ではありません。
キャッシュフロー構造
キャッシュフローの推移(百万円)
| 指標 | 2024年9月期 | 2025年9月期 | コメント |
|---|---|---|---|
| 営業CF | 202 | 826 | 前期比4.1倍。売上債権の増加が止まり利益が現金化 |
| 投資CF | −81 | −206 | 設備投資60百万円は小さく、貸付199百万円が主因 |
| 財務CF | −344 | −336 | 配当197百万円、社債償還128百万円 |
| フリーCF(営業+投資) | 121 | 620 | 純利益794百万円に対してFCF転換率78% |
| 現金及び現金同等物(期末) | 229 | 513 | 2026年6月末には1,191百万円へ倍増 |
| CF対有利子負債比率(年) | 5.2 | 1.2 | 2023年9月期は19.7年。急速に健全化 |
受注生産特有の「利益が現金にならない」構造からの脱却
同社は研究機関向けの大型試験装置を受注生産しており、工事進行基準に基づく契約資産が19.32億円(総資産の25.6%)と非常に大きい。2024年9月期は売上債権及び契約資産が8.82億円増加したため、純利益6.37億円に対して営業CFは2.03億円にとどまり、「利益は出ているが現金が残らない」典型的な状態だった。2025年9月期は売上債権の増加が止まり(0.43億円の減少)、営業CFは8.27億円と純利益を上回る水準に回復した。減価償却費は1.17億円と売上の2%程度で、設備投資も年間0.6〜0.8億円と極めて軽い。
資金使途と財務の特徴
投資CFの主な使途は貸付金1.99億円で、長期貸付金が0.37億円から1.89億円へ増えた。決算短信では貸付先が明示されておらず、事業分離した飲食店事業に関連する可能性があるが、投資家として使途の確認が必要な項目である。財務面では短期借入金1.90億円と社債7.92億円(うち1年内償還5.32億円)を抱えるが、現金11.92億円(2026年6月末)でほぼカバーでき、インタレスト・カバレッジ・レシオは81.3倍と借入負担は無視できる水準にある。2026年9月期には社債の借り換えを実施し、固定負債の社債が2.60億円から5.10億円へ増えている。
出典:助川電気工業 2025年9月期決算短信(キャッシュ・フロー計算書、キャッシュ・フロー関連指標の推移)、2026年9月期第3四半期決算短信。
直近の投資・事業再編
主要事業ごとの成長性
セグメント別成長見通し
エネルギー関連事業(原子力・核融合):中期的に高成長、ただし国策依存
2025年9月期に23.9%増収、2026年9月期第3四半期累計で29.3%増収と、同社の成長エンジンである。成長ドライバーは3層に分かれる。第1層は既存原発の再稼働に伴う温度計測・制御機器の更新需要で、電力会社や日立GEベルノバ・三菱重工向けに定期検査のたびに継続的に発生する。第2層は次世代革新炉(高温ガス炉・高速炉・小型モジュール炉)の安全性評価試験で、JAEA向け売上が2026年第3四半期累計で11.9%(前年同期7.3%)へ急増している。第3層が核融合で、QSTのJT-60SA、核融合科学研究所、Helical Fusion・京都フュージョニアリングなどのスタートアップ向けに、液体金属を扱う溶融金属ループ装置やブランケット試験装置を納入する。政府が核融合開発に1,000億円超を投じる方針を固めたとの報道(2025年11月)や第7次エネルギー基本計画は追い風だが、研究予算の配分は年度ごとの政策判断に左右されるため、受注は「階段状」に増減しやすい。
産業システム関連事業(半導体・FPD・自動車・鉄鋼向け):回復局面入り
シース熱電対・シーズヒーター・基板加熱ヒーターなど半導体・FPD製造装置の「熱と計測」部品と、アルミ給湯・鋳造用電磁ポンプが主力。2023〜2025年は半導体装置の在庫調整で伸び悩み、2026年9月期第3四半期累計では自動車・環境関連設備向けの減少で16.8%減収となった。しかし同期間の受注高は前年同期比70.4%増、受注残高は2.2倍の18.21億円と明確に反転しており、会社側も半導体装置向けが「調整段階から出て戻りつつある」と説明している。AI・データセンター向け半導体投資の拡大に伴い東京エレクトロンやKOKUSAI ELECTRICなど装置メーカーの生産が増えれば、2027年9月期にかけて同事業が第2の成長ドライバーになる可能性がある。セグメント利益率も26.4%と高く、回復すれば全社利益への寄与は大きい。
出典:助川電気工業 2025年9月期決算短信、2026年9月期第3四半期決算短信(受注実績・主な相手先別売上実績)、株探ニュース。
競争優位性や業界内でのポジション
SCP理論からの分析(市場動向・規制リスク・業界トレンド)
Structure(市場構造)
買い手が少数・供給者も少数の「狭い市場」
原子力・核融合研究向け試験装置の買い手は電力会社、プラントメーカー、国立研究開発法人に限られ、上位3顧客で売上の4割を占める。供給側も実績を持つ企業が極めて少なく、双方が少数の相対取引市場である。買い手の交渉力は強いが、代替供給者がいないため価格決定力は同社側にも残る。
需要サイド:国策による構造変化
2025年2月閣議決定の第7次エネルギー基本計画で「原子力を最大限活用」と明記され、東日本大震災以降続いた原子力の縮小フェーズから拡大フェーズへ転換した。再稼働は関西電力・九州電力を中心に進み、次世代革新炉の開発と核融合の2030年代実証を政府が後押ししている。同社の需要は電力需要そのものではなく、政府の研究開発予算と電力会社の再稼働投資という「政策変数」に紐づく。
Conduct(企業行動)
同社の戦略:設備を増やさず人を鍛える
大型設備投資やM&Aを行わず、社員の技量を可視化して多能工化する教育投資で受注変動に対応する。固定費を抑えたまま高利益率の受注を取り込むため、増収局面では営業レバレッジが強く効く。飲食店事業の分離など非中核事業の整理も進めた。
競争形態:実績と認証による差別化
研究機関向けは仕様が案件ごとに異なる一品受注で、価格競争より技術提案力と過去の納入実績が決め手になる。産業システム関連では汎用品の価格競争があるが、同社は電磁ポンプなど独自製品との組み合わせで対抗している。IRは最小限で、株主還元は連続増配(配当性向約28〜33%)に集中している。
Performance(業界トレンド・帰結)
研究開発予算の「階段状」変動が業績を左右する
同社の売上の半分は研究機関・電力会社の予算執行に依存し、大型案件の納期によって四半期業績が大きくぶれる。2020年9月期の赤字は原発停止と半導体調整が重なった「二重の谷」であり、逆に2024〜2026年は再稼働・核融合・半導体回復が重なる「三重の追い風」に向かいつつある。政策が続く限り高い業績が持続するが、政権交代や予算削減、原発事故のような事象が起きれば影響は直撃する。
規制・地政学リスク
原子力機器は原子力規制委員会の審査と電力会社の品質保証要求に従う必要があり、規制の厳格化はコスト増要因である一方、参入障壁を高める効果もある。核融合技術は輸出管理の対象になり得るため、海外研究機関向けの納入は地政学的な制約を受ける可能性がある。また同社の生産拠点は茨城県高萩市・日立市に集中しており、地震等の自然災害リスクが単一拠点に集中している。
結論:「国策ニッチ独占」ゆえの高利益率と高ボラティリティ
市場構造(少数の買い手・代替困難な供給者)と企業行動(固定費を増やさない受注対応)の組み合わせが、営業利益率21.3%・ROE17.4%という帰結を生んだ。この構造は原発再稼働と核融合予算が続く限り持続するが、業績の変動要因が政策に集中しているため、株価は業績以上にニュースフローに反応しやすい。
出典:助川電気工業 2025年9月期決算短信「今後の見通し」、経済産業省「第7次エネルギー基本計画」(2025年2月閣議決定)、株探ニュース(2025年11月26日)。
これらの分析結果をもとにした現在の投資妙味
今後の注目ポイントやリスク要因
注目ポイント
1. 四半期ごとの受注高・受注残高
決算短信末尾の「受注実績」がこの会社の先行指標。エネルギー関連の受注残35.53億円(2025年9月末)と産業システム関連の受注残18.21億円(2026年6月末)が維持・拡大するか。
2. 2026年9月期本決算と次期ガイダンス(2026年11月上旬)
営業利益の進捗率88.4%からの上振れ幅と、2027年9月期予想が2桁増益を維持するか。配当予想52円からのさらなる増配の有無。
3. 半導体製造装置向けの回復
産業システム関連の売上が減収から増収に転じるタイミング。受注高70.4%増が売上として実現すれば、利益率26.4%の事業が全社利益を押し上げる。
4. 核融合予算の執行と大型案件
政府の核融合開発投資1,000億円超の具体的な配分、QST・核融合科学研究所・スタートアップからの装置発注、ITER関連の新規受注。
5. 営業キャッシュフローの継続
2025年9月期に営業CF8.27億円と純利益を上回る現金創出を達成したが、大型案件の進行に伴い契約資産が再び膨らまないか。
リスク要因
1. 政策変更・予算削減リスク
売上の半分が国の研究開発予算と電力会社の再稼働投資に依存する。政権交代、エネルギー政策の転換、原子力事故が起きれば受注が急減し、固定費が軽い分だけ利益率も急速に1桁台へ戻る。
2. バリュエーション調整リスク
PER約31倍・PBR約5.4倍は成長率13〜14%に対して割高。テーマの熱量が冷めればPER20倍(株価3,300円前後)への調整余地がある。2024年高値から57%下落した経緯が示すように、値動きの振幅は大きい。
3. 顧客集中リスク
上位3社(シンワバネス・QST・日立GEベルノバ)で売上の約4割。特定案件の納期ずれや予算執行の遅れが四半期業績を大きく揺らす。
4. 小型株特有の流動性・ガバナンスリスク
時価総額約300億円、東証スタンダード、決算説明会なし・中期計画なしとIR開示が薄い。貸付金1.99億円の使途が非開示である点、役員退職慰労引当金3.21億円が純資産に対して大きい点も留意。
5. 人材・拠点集中リスク
従業員217人で受注拡大に対応しており、技術者の確保・多能工化が追いつかなければ納期遅延や品質問題につながる。生産拠点が茨城県北部に集中し、自然災害の影響を単一拠点で受ける。
出典:助川電気工業 2025年9月期決算短信、2026年9月期第3四半期決算短信、株予報Pro、note「助川電気工業(7711):赤字から営業利益率21%へ」(コンボイ、2026年9月18日、無料部分)。