6490 東証プライム 機械・流体制御部品/半導体装置部材

PILLAR(日本ピラー工業)

1924年創業、船舶用パッキンから始まった「漏れを止める会社」が、半導体洗浄装置向けフッ素樹脂継手で世界シェア9割超を握るに至った。2027年3月期は第1四半期の営業利益が+83%、通期は売上830億円・営業利益200億円へ上方修正。「AI覇権争い」テーマのミクロ具体として、AI計算基盤の裏側にある「流体のつるはし」を数字で検証する。

01 / OVERVIEW

スナップショット

株価

9,440円

2026/9/18 終値(前日比+3.74%)

時価総額

約2,364億円

2026/9/18 発行済株式数ベース(自己株控除後 約2,158億円)

PER(会社予想)

15.4倍

予想EPS 612.39円、2026/9/18

PBR(実績)

2.58倍

BPS 3,661.40円(2026/6末)

配当利回り(予想)

2.60%

年間245円予想(配当性向40%目標)

保有株数

未確認

出典:Yahoo!ファイナンス(finance.yahoo.co.jp/quote/6490.T)、IFIS株予報(kabuyoho.ifis.co.jp)。取得日2026年9月18日終値。発行済株式数25,042,406株、自己株式2,181,018株(2026/3末)。52週高値は12,080円(2026/8/7)、安値は4,760円(2026/1/5)で、年初から一時2.5倍まで急騰したのち、9月18日時点では高値から約22%調整した位置にある。この数字が意味すること:Round1-2で「未確認」だった時価総額とPERは、2,364億円・予想PER15.4倍と確定した。営業利益率24%予想・ROE予想15%超の企業として、PER15倍は「テーマ株としてはまだ織り込み途上」と読めるが、株価が8カ月で2倍になった直後という文脈は忘れてはならない。

02 / SEGMENT

事業ごと・国/エリアごとの売上高比率

事業セグメント別 売上高(2026年3月期)

電子機器関連(ピラフロン等) 393.6億円 / 66.2% 産業機器関連(シール・ガスケット) 200.9億円 / 33.8%

事業セグメント別 セグメント利益(2026年3月期)

電子機器関連 90.6億円(利益率23.0%) 産業機器関連 30.2億円(利益率15.0%)

国・エリア別 売上高(2026年3月期)

日本 388.4億円 / 65.3% アジア 142.5億円 / 24.0% その他(北米・欧州等) 63.9億円 / 10.7%

出典:PILLAR 2026年3月期決算短信(2026年5月14日)、中期経営計画One2030(media.nippon-pillar.com)。
電子機器関連事業はフッ素樹脂(PFA)製の継手・チューブ・バルブ・ベローズポンプ「ピラフロン」を半導体・液晶・医療向けに供給する事業で、免震建物向け製品も含む。産業機器関連事業はメカニカルシール、グランドパッキン、ガスケットを石油精製・石油化学・エネルギー・自動車向けに供給し、2023年に買収したタンケンシールセーコウを含む。売上の66%を占める電子機器関連が利益の75%を稼ぎ、利益率23.0%と産業機器(15.0%)を8ポイント上回る。ただし産業機器も利益率15%は決して低くなく、しかも売上の約6割がメンテナンス需要(財経新聞)で景気変動に強い。地域別では日本65.3%と国内比率が高く見えるが、これは半導体装置メーカー(国内)への納入がいったん日本売上として計上されるためで、会社は間接輸出を含めた実質海外比率を6割超と説明している。この数字が意味すること:「半導体向け高利益率事業」と「プラント保守という安定収益」が2:1で組み合わさった構造で、半導体不況期(2025年3月期)に営業利益率19.5%を維持できた理由がここにある。

03 / HISTORY

創業からの歴史

1924年、創業者・岩波嘉重氏が大阪で「日本ピラー工業所」を創業した。最初の製品は船舶のレシプロ機関向け合金パッキン、つまり蒸気や油の「漏れを止める」部品だった。1926年に淀川区で工場を開設し、1932年には自動車・船舶用ガスケットへ広げる。1948年に株式会社化(資本金200万円)、そして1951年、国産初のメカニカルシール(回転軸の軸封装置)を開発した。ポンプの軸から流体が漏れないようにするこの部品は、いまも産業機器関連事業の中核であり、同社が「トータルシール技術」を名乗る根拠である。
転機は1952年に始めたフッ素樹脂製品「ピラフロン」だった。当初は高温高圧フランジ用ガスケットなど工業用途だったが、1984年、大阪証券取引所上場と同じ年に半導体向けフッ素樹脂製品に参入する。半導体ウェーハの洗浄工程では高温の硫酸・塩酸・フッ酸が配管を流れ、金属もゴムも耐えられない。この「漏れたら装置が止まる」領域で、パッキン以来の密封技術とフッ素樹脂加工を組み合わせた継手が、半導体装置メーカーの標準品になっていった。1967年三田工場(兵庫)、1989年福知山工場(京都)、2004年熊本工場と国内の生産拠点を整え、1980年の韓国を皮切りにシンガポール(1993)、米国(1999)、台湾(2001)、中国・蘇州(2003)へ海外展開した。
2010年代後半からは投資のギアが上がる。2018年ドイツ、2019年インドネシア、米ヒューストン生産拠点、2020年に新三田工場が竣工し、2021年に中国・滁州(じょしゅう)の拠点が稼働した。2022年に益子製作所を買収して東証プライムへ移行、2023年には産業機器の同業タンケンシールセーコウを買収し、福知山第2工場と三田イノベーションセンターが竣工。創業100周年の2024年に商号を「日本ピラー工業」から「PILLAR」へ改めた。2025年12月には中国・滁州の新工場が竣工し2026年1月に稼働、マレーシア・ペナンに販売子会社を設立、2026年度内には羽田イノベーションシティに東京イノベーションセンターを開設する計画である。創業以来一貫して「流体の漏れを止める」という一つの技術しかやっていない点が、この会社の沿革の特徴である。

出典:PILLAR 沿革(pillar.co.jp/ja/about/history)、個人投資家向け会社説明会資料2026年2月17日(webcast.net-ir.ne.jp)。※Round1-2のテーマ資料で「マレーシア・ジョホール新工場」と記載した新工場は、会社開示では中国・滁州工場(2026年1月稼働)であり、本稿で訂正する。マレーシアは2025年12月設立のペナン販売子会社(資本金3百万米ドル)である。

04 / MISSION, VISION, VALUE

ミッション・ビジョン・バリュー

同社はパーパスとして「社会を支える未来を創る」を掲げ、その土台を「流体の漏れ制御技術(トータルシール技術)」に置く。半導体、医療・医薬・食品、エネルギー・環境、石油精製・石油化学の4市場を重点市場と定め、「ピラー技術のプラットフォーム」——ピラフロン、PFAチューブ、メカニカルシール、ロータリージョイント、ベローズポンプ、バルブ——を横断的に展開するのが事業ビジョンである。
数値目標は中期経営計画「One2030」(2026年度〜2030年度)に集約されている。最終年度に売上高1,000億円・営業利益250億円(営業利益率25%)、ROE15%、海外売上比率50%以上。セグメント別には電子機器関連を393億円→685億円(利益率23%→27%)、産業機器関連を201億円→315億円(同15%→21%)へ伸ばす計画で、5年累計の成長投資900億円(設備投資500億円、R&D200億円、M&A200億円)を投じる。株主還元は2026年5月に配当方針を変更し、連結配当性向40%を目標とし、買収防衛策も同時に廃止した。One2030期間の株主還元総額は300〜350億円を見込む。前計画「One2025」は半導体市況の影響で売上目標を未達に終えたが、海外比率と成長投資(3年累計312億円)は目標を達成したと総括している。この数字が意味すること:2026年3月期の売上595億円を5年で1,000億円にする計画は年率11%成長を前提とするが、2027年3月期の会社予想830億円がすでに計画初年度で全体の8割超に達しており、One2030は上方修正を迫られる可能性が高い。

出典:中期経営計画One2030(pillar.co.jp/ja/ir/management/vision計画PDF)、資本コストや株価を意識した経営(pillar.co.jp)、配当方針の変更・買収防衛策の廃止(2026年5月14日、開示PDF)。

05 / LEADERSHIP

現経営者の特徴・過去の実績(レジリエンスの観点)

現在の代表取締役社長は岩波嘉信(いわなみ・よしのぶ)氏、2020年6月就任。1979年神戸市生まれの創業家出身で、2010年に執行役員として入社、2012年取締役、2014年から営業本部グローバル事業推進部長としてUAE・タイ・メキシコ・中国・ドイツ・インドネシア・インドの海外拠点開設を主導した。前任の社長は岩波清久氏で(依頼文の「岩波清久社長」は前社長にあたる。現在の役職は本稿では未確認)、2020年の交代は創業家内での世代交代である。就任時40歳という若さと、海外拠点の立ち上げ経験が経歴の柱で、本人は「組織や他人に依存せず、必要とされる人間にならなければいけない」「創業家だからではなく、こいつに任せたからこそ良い会社になったと言われたい」と語っている。
レジリエンスの観点で見ると、岩波嘉信氏の在任6年間には3つの危機があった。第1にコロナ禍。就任直後の2020年6月、先行きが見えない状況を「成長を準備する機会」と位置づけ、業務の電子化と効率化を進めた。結果として2021年3月期は営業利益48億円(+30%)で増益を確保している。第2に半導体不況。2025年3月期は営業利益113億円(▲20%)と大きく落ち込んだが、営業利益率は19.5%を維持し、しかも同期に営業CF142億円を稼ぎ出した。第3にこの不況期のただ中で、タンケンシールセーコウ買収(2023年)、福知山第2工場、滁州新工場、羽田イノベーションセンターという投資を止めなかった点である。3年累計312億円の成長投資を不況期に実行し、その直後に2027年3月期の売上+40%予想を迎えている構図は、「不況期に能力を仕込み、回復期に刈り取る」という装置部材メーカーの王道を実行したと評価できる。一方で創業家経営ゆえのガバナンス(後継、資本政策)は外部から見えにくく、2026年5月の買収防衛策廃止と配当性向40%への引き上げは、その懸念に対する回答と読める。

出典:アイアールmagazine「海外経験で身につけた独立心を糧にして」(ir-magazine.net-ir.ne.jp)、日本経済新聞2020年5月「日本ピラー工業社長に岩波嘉信氏」(nikkei.com)、The社史(the-shashi.com/tse/6490/current)。

06 / LATEST EARNINGS

直近決算の予想・ガイダンスに対する結果

2027年3月期 第1四半期(2026年4〜6月)実績と通期予想の修正

指標1Q実績前年同期比通期予想(5/14当初)通期予想(8/6修正)修正率1Q進捗率
売上高183.0億円+35.6%700億円830億円+18.6%22.1%
営業利益49.6億円+83.4%155億円200億円+29.0%24.8%
経常利益53.7億円+94.2%155億円204億円+31.6%26.3%
純利益36.7億円+85.8%107億円140億円+30.8%26.2%
営業利益率27.1%+7.1pt22.1%24.1%+2.0pt
EPS160.69円+75.74円468.04円612.39円+30.8%
年間配当188円245円+57円前期130円

1Q セグメント別(2026年4〜6月)

電子機器関連 1Q売上 137.1億円(+53.6%)利益率32.6% 産業機器関連 1Q売上 45.8億円(+0.4%)利益率10.5%
第1四半期は売上183億円(+35.6%)、営業利益49.6億円(+83.4%)。電子機器関連が売上137億円(+53.6%)、セグメント利益44.8億円(+112.4%)と爆発的に伸び、利益率は32.6%に達した。会社は理由を「半導体市場の回復を背景に、半導体・液晶製造装置関連業界向けピラフロン製品の販売が国内外ともに当初の想定を上回って推移」し、操業度向上が利益を押し上げたと説明している。一方で産業機器関連は売上45.8億円(+0.4%)、利益4.8億円(▲18.7%)と、製品構成の変化と原材料・人件費上昇で減益だった。
2026年5月14日に出した当初予想(売上700億円・営業利益155億円)は、1Qが出た8月6日に売上830億円・営業利益200億円へ修正された。この修正後予想は、前中期計画BTVision2027が2027年3月期の到達点として掲げた売上660億円・営業利益170億円(営業利益率25.7%)を、売上で26%、営業利益で18%上回る。Round1-2で参照した「営業利益率25.7%予」はこの旧計画値であり、現在の会社予想は24.1%である。この数字が意味すること:1Qの営業利益率27.1%に対し通期予想は24.1%で、会社は2Q以降の利益率が1Qを下回ると想定している。1Qの利益率が続けば営業利益は220億円超も計算上はありうるが、会社は保守的に見ている。同時に、四半期売上183億円は前期の四半期平均149億円から一段上がった水準で、これが装置メーカーの前倒し発注による一時的な山なのか、滁州工場の稼働を伴う恒常的な水準なのかは、2Q(11月)で判定すべき最大の論点である。

出典:2027年3月期第1四半期決算短信(2026年8月6日)、業績予想及び配当予想の修正(増配)に関するお知らせ(同日)、松井証券マーケット情報(finance.matsui.co.jp)。

07 / REVENUE & PROFIT

売上高・利益の推移(直近10年間)

売上高(FY2017〜FY2026、3月期、億円)

272 FY17 295 FY18 310 FY19 292 FY20 302 FY21 407 FY22 487 FY23 586 FY24 580 FY25 595 FY26

営業利益(億円)

52 FY17 52 FY18 51 FY19 37 FY20 48 FY21 114 FY22 138 FY23 142 FY24 113 FY25 121 FY26

税引前利益(経常利益、億円)

53 FY17 52 FY18 52 FY19 37 FY20 51 FY21 118 FY22 141 FY23 151 FY24 115 FY25 129 FY26

営業利益率(%)

19.1% FY17 17.6% FY18 16.5% FY19 12.7% FY20 15.9% FY21 28.0% FY22 28.3% FY23 24.2% FY24 19.5% FY25 20.3% FY26

10年財務データ(3月期)

年度売上高(億円)営業利益営業利益率経常利益純利益EPS(調整後)年間配当
FY172725219.1%5332131.06円34円
FY182955217.6%5234139.98円36円
FY193105116.5%5237152.13円45円
FY202923712.7%3726108.57円40円
FY213024815.9%5134144.66円50円
FY2240711428.0%11883350.47円106円
FY2348713828.3%141104442.99円133円
FY2458614224.2%151108462.57円159円
FY2558011319.5%11583355.82円125円
FY2659512120.3%12989388.19円130円

出典:The社史(the-shashi.com/tse/6490/financials、有価証券報告書XBRLベース)、Yahoo!ファイナンス配当情報(EPS・配当)、株探(s.kabutan.jp)。※税引前利益は日本基準の経常利益を掲載。
この4枚が示すのは「2022年3月期を境に別の会社になった」という事実である。2017〜2021年3月期の5年間、売上は272〜310億円、営業利益率は12.7〜19.1%で足踏みしていた。2022年3月期に売上407億円(+35%)、営業利益114億円(2.4倍)へ跳ね、営業利益率は28.0%へ一気に切り上がった。生成AI以前の半導体投資ブームで洗浄装置向けピラフロンの出荷が急増した年である。以降の4年間は半導体不況を挟んでも営業利益率19.5〜28.3%のレンジを保ち、10年前の水準(12.7〜19.1%)を一度も下回っていない。10年CAGRは売上+9.1%、営業利益+9.9%だが、その実態は「5年停滞→1年で2倍→高原状態」であり、平均成長率で語る銘柄ではない。営業利益率が不況期でも20%近辺で下げ止まる点が、シェア9割の価格決定力を裏づける最も重要な数字である。

08 / VALUATION

PERの推移(直近10年間)

期末実績PER(各3月末終値÷当期EPS、倍)

11.5倍 FY17 11.3倍 FY18 8.4倍 FY19 11.6倍 FY20 12.9倍 FY21 8.8倍 FY22 8.5倍 FY23 13.8倍 FY24 9.3倍 FY25 18.0倍 FY26

算出内訳

年度3月末終値(調整後)EPS(調整後)実績PER
FY171,501円131.06円11.5倍
FY181,582円139.98円11.3倍
FY191,277円152.13円8.4倍
FY201,258円108.57円11.6倍
FY211,864円144.66円12.9倍
FY223,080円350.47円8.8倍
FY233,750円442.99円8.5倍
FY246,380円462.57円13.8倍
FY253,325円355.82円9.3倍
FY267,000円388.19円18.0倍
2026/9/18 現在9,440円612.39円(会社予想)15.4倍(予想)
算出方法:各年度の3月末月足終値(Yahoo!ファイナンス、株式分割調整後)を、同年度の調整後EPSで割った。10年間の実績PERは8.4〜18.0倍のレンジで、中央値は11.5倍前後。2024年3月期末の13.8倍と2026年3月期末の18.0倍が高く、いずれも半導体投資期待で株価が先行した局面である。現在の予想PER15.4倍は、実績ベースの10年レンジの上寄りだが、EPSが612円へ58%伸びる前提での倍率であり、仮に会社予想が達成されれば、株価が変わらなくても2027年3月期末の実績PERは15.4倍にとどまる。逆に言えば、市場は「来期以降も増益が続く」ことまでは織り込んでおらず、東京エレクトロンのような有名ショベル(Round1-2で予想PER30倍前後と整理)と比べ、倍率面での過熱はない。この数字が意味すること:PERの水準は、この銘柄の10年史の中で「高いが極端ではない」位置にある。株価の上値を決めるのは倍率の拡大ではなく、2028年3月期のEPSが612円からさらに伸びるかどうかである。

出典:Yahoo!ファイナンス月足時系列(finance.yahoo.co.jp)、同配当情報(EPS)。

09 / CAPITAL RETURNS

ROIC・WACC・ROEの推移

ROE・ROIC・WACC概算とスプレッド

年度NOPAT(概算)投下資本(概算)ROIC(概算)ROIC(現金控除後)ROEWACC(概算)スプレッド
FY2024(2024/3)99.4億円711億円14.0%18.7%15.4%(期末自己資本ベース)約9.4%+4.6pt
FY2025(2025/3)79.3億円750億円10.6%14.9%11.5%(期首期末平均)約9.4%+1.2pt
FY2026(2026/3)84.7億円804億円10.5%15.5%11.7%(決算短信)約9.4%+1.1pt
FY2027予(2027/3)140億円約846億円約16.5%約16〜17%約9.4%+7pt前後

試算方法:NOPAT=営業利益×(1−実効税率30%)。投下資本=自己資本+有利子負債(有利子負債はThe社史の有利子負債比率1.2〜1.7%から逆算した概算で、10〜12億円程度)。現金控除後ROICは投下資本から現金同等物(2026/3末255億円)を除いたもの。WACCはCAPMで、リスクフリーレート2.9%(本サイト6479分析と同じ2026年8月28日時点の日本10年国債利回りを踏襲)、マーケットリスクプレミアム5.5%、β1.2(半導体装置関連の中小型株として仮置き、実測βは未取得)、負債コスト1.8%(税引後1.26%)、時価ベース資本構成(負債比率約1%)で約9.4%と推定した。FY2027予の投下資本は2026年6月末自己資本837億円に有利子負債概算を加えた値。
出典:決算短信各期、株探(総資産・自己資本、s.kabutan.jp)、One2030(ROE目標15%)。
この数字が意味すること:ROICは半導体不況期の2025〜2026年3月期でも10.5%とWACC概算9.4%を上回り、経済的付加価値は不況期でもプラスを維持した。ただしスプレッドは+1pt程度と薄く、これは自己資本比率75%・現金255億円という「使っていない資本」が分母を膨らませているためで、現金控除後のROICは15%前後になる。会社予想どおり2027年3月期に営業利益200億円が実現すれば、ROICは16%台、ROEは中計目標の15%に初年度で到達する計算になる。FY2017〜FY2023のROIC・ROE系列は自己資本の絶対額が今回取得できず未取得(推測値による補完は行っていない)。

10 / CASH FLOW

営業・投資・財務・フリーキャッシュフローの推移(直近10年間)

キャッシュフロー4種(FY2018〜FY2026、億円)

FY18 FY19 FY20 FY21 FY22 FY23 FY24 FY25 FY26 営業CF 投資CF 財務CF FCF

キャッシュフロー・自己資本比率(億円、%)

年度営業CF投資CF財務CFFCF(営業+投資)自己資本比率
FY1838-32-15677.3%
FY1950-39-151179.6%
FY2041-30-191180.9%
FY2157-37-222083.3%
FY22120-16-1710481.0%
FY2361-6-285581.9%
FY2456-16253-10670.8%
FY25142-68-407475.3%
FY26151-59-539275.2%

出典:The社史(the-shashi.com/tse/6490/current)、株探(FY2024〜FY2026の百万円単位:営業CF 5,640/14,184/15,126、投資CF ▲16,197/▲6,807/▲5,882、財務CF 5,323/▲3,959/▲5,316)、2026年3月期決算短信。※FY2017(2017年3月期)のCFは今回のデータ取得で確認できず未取得。
この数字が意味すること:営業CFは9年間一度もマイナスにならず、2022年3月期に120億円へ跳ねて以降は不況期でも142〜151億円と、むしろ利益の落ち込み期に増えている(運転資本の回収)。FCFは9年通算で概算+267億円のプラスだが、2024年3月期だけは投資CF▲162億円(タンケンシールセーコウ買収と福知山第2工場)で▲106億円の赤字となり、財務CFが+53億円と唯一の資金調達年になった。この年を除けば、設備投資と買収を営業CFの範囲内で賄い、残りを配当と自社株買い(2025年に20億円枠)に回す「無借金の自己完結型」で、現金は255億円まで積み上がっている。One2030の設備投資500億円(5年)は年100億円ペースで、直近の営業CF150億円なら借入なしで吸収できる規模である。

11 / INVESTMENT & M&A

直近の投資・M&A状況

2022年:益子製作所買収。産業機器関連の補完。同年に東証プライムへ移行。
2023年:タンケンシールセーコウ買収。メカニカルシールの同業を取り込み、産業機器関連事業の規模を拡大した。2024年3月期の投資CF▲162億円の主因で、同年の連結従業員数は867人→1,132人へ増えた。会社は「タンケンとのシナジー最大化」を産業機器の最優先課題とし、2026年3月期には産業機器関連がセグメント過去最高(利益30.2億円、+20.8%)を達成した。
2020〜2023年:三田・福知山の増産投資。2020年に新三田工場(兵庫県三田市、電子機器関連のマザー工場)が竣工。2022年3月には日本経済新聞が「半導体装置の部材増産へ100億円で新工場」と報じ、2023年に福知山第2工場(京都府)と三田イノベーションセンターが竣工した。フッ素樹脂継手の製造自動化・内製化を進め、大型品・複雑形状に対応する体制(日刊工業新聞)を整えたのがこの時期である。One2030の設備投資500億円は「福知山第2工場、伊那工場、維持更新投資等」を対象と明記しており、福知山第2の増床・伊那(長野)の新拠点が次の増産の中心になる。
2025年12月〜2026年:海外の3点セット。中国・滁州の新工場が2025年12月に竣工し2026年1月に稼働(敷地+18,200㎡で従来の3倍、第2期増床も計画)。同月マレーシア・ペナンにフッ素樹脂チューブ加工・販売子会社を設立(資本金3百万米ドル)。2026年度第4四半期には羽田イノベーションシティに東京イノベーションセンター(先端R&D・産学連携)を開設予定。中国は半導体装置市場で最大の地域であり、One2030の海外比率50%目標の主戦場である。
M&A枠200億円(One2030)。タンケン以降の大型案件はなく、5年で200億円の枠が示されているのみ。現金255億円・無借金の財務からすれば、電子機器関連の周辺(ポンプ、バルブ、計測)を取り込む余力は十分にある。

出典:PILLAR沿革、One2030計画PDF、日本経済新聞2022年3月(nikkei.com)、日刊工業新聞(nikkan.co.jp)、財経新聞2025年10月(zaikei.co.jp)、会社説明会資料2026年2月。※滁州新工場・福知山第2工場の個別投資額は開示資料で未確認。

12 / SEGMENT GROWTH

主要事業ごとの成長性

セグメント別 成長率と利益率

セグメントFY2026売上前期比FY2026利益前期比利益率FY2027 1Q売上前年同期比1Q利益率One2030目標(FY2031)
電子機器関連393.6億円+0.8%90.6億円+2.9%23.0%137.1億円+53.6%32.6%685億円・27%
産業機器関連200.9億円+6.2%30.2億円+20.8%15.0%45.8億円+0.4%10.5%315億円・21%
電子機器関連(フッ素樹脂製品)。成長のエンジンであり、同時に変動の源でもある。2026年3月期は「生成AI等の先端ノード分野では需要が拡大したが、車載向けなど市場の大半を占める分野の回復が限定的」で+0.8%にとどまり、免震事業の大口反動もあった。それが2027年3月期1Qで+53.6%へ転じ、利益率は32.6%まで上がった。フッ素樹脂継手は装置1台あたりの搭載点数が多く、洗浄装置の出荷台数と先端ノードの微細化(洗浄工程数の増加)の両方が効く。One2030の目標は5年で1.74倍(年率11.7%)だが、初年度で1Q水準を年換算すれば548億円と、すでに目標の8割に達する。半導体装置メーカー(SCREEN・東京エレクトロン等)への依存度は、決算短信に主要販売先の開示がなく未取得。ただし洗浄装置向け継手で世界シェア9割超という以上、洗浄装置世界首位のSCREENと同2位グループの東京エレクトロンが最大顧客群であることは構造的に確実で、両社の装置出荷が同社の売上を規定する。
産業機器関連(メカニカルシール・ガスケット)。石油精製・石油化学・エネルギーの保守需要が売上の約6割を占め、2026年3月期は海外の大口補修案件と原子力再稼働・定期修理の需要で過去最高を更新した。1Qは減益だが、これは製品構成と原材料・人件費によるもので需要の減退ではない。One2030の利益率目標21%は現在の15%から6pt改善を要し、タンケンとの統合効果(調達・拠点統合)が鍵になる。成長率は年率9%程度で、電子機器関連の変動を吸収する「安定装置」の役割。
データセンター液冷向け製品。Round1-2で「液冷・高純度配管に効く」と位置づけたが、会社開示を確認した範囲では、液冷(CDU・マニホールド等)向け製品の売上や受注の開示は存在しない。2026年2月の会社説明会資料は対象市場に「データセンター」を列挙しているものの、事業紹介ページでは半導体・液晶・医療・免震・5G基地局が挙げられ、液冷の言及はない。フッ素樹脂配管・継手・ロータリージョイントは液冷システムの冷却水配管と技術的に隣接するが、現時点では「可能性」であって「実績」ではなく、本稿ではテーマへの寄与を半導体洗浄装置(AIチップ製造の前工程)に限定して評価する。

出典:2026年3月期決算短信、2027年3月期第1四半期決算短信、One2030計画PDF、PILLAR事業内容(pillar.co.jp/ja/business)、財経新聞2025年10月。

13 / COMPETITIVE POSITION

競争優位性や業界内でのポジション

堀の本体は「洗浄装置向けフッ素樹脂継手で世界シェア9割超」という数字にある。半導体の洗浄工程では高温の硫酸・塩酸・フッ酸・過酸化水素がウェーハ上を流れ、配管から1滴でも漏れれば装置停止と歩留まり事故に直結する。継手は装置1台に数百点単位で使われ、単価は安いが「漏れない」実績が全てを決める。装置メーカーは一度認定した継手を設計図面に組み込み、量産中に別メーカーへ切り替える動機がない。この認定と図面への組み込みによるスイッチングコストが、1984年参入から40年かけて積み上がった結果が9割シェアである。同社の営業利益率が不況期でも20%近辺で下げ止まる事実は、価格競争にさらされていないことの証拠と言える。
第2の堀は素材と加工の垂直統合。フッ素樹脂(PFA)は成形が難しく、パッキン以来100年の密封技術と自社での成形・自動化設備(日刊工業新聞「継手製造を自動化、内製化拡大」)を組み合わせて、大型品・複雑形状品まで対応できる。競合には米Entegris(フッ素樹脂配管部材の世界大手)、国内のフロン工業などが存在するが、洗浄装置向け継手というニッチではPILLARが規格を握っている。ただし、Entegrisは液冷・高純度流体の総合サプライヤーとして規模が一桁大きく、データセンター液冷ではむしろ先行している点は認識しておくべきである。
産業機器関連の位置づけ。メカニカルシールでは国内でイーグル工業(NOK系)が最大手、PILLARとタンケンシールセーコウ(現PILLAR傘下)がそれに続く構図で、世界ではJohn Crane・EagleBurgmann・Flowserveが大手。ここでのPILLARの優位は「シェア首位」ではなく、石油化学・原子力の保守という更新需要への食い込みと、電子機器関連との技術共有(フッ素樹脂シール)にある。業界内ポジションを一言で言えば、「半導体前工程の流体配管ではニッチ独占、産業シールでは国内上位」であり、前者が利益と株価を、後者が下方耐性を担っている。

出典:株探・財経新聞2025年10月「半導体洗浄装置向けで世界シェア9割超」(kabutan.jp)、日刊工業新聞(フッ素樹脂継手製造の自動化)。※Entegris・イーグル工業との定量的なシェア比較は今回未取得。

14 / SCP ANALYSIS

SCP理論からの分析(市場構造・企業行動・業界トレンド)

Structure(市場構造)

同社が戦う市場は2層で構造が異なる。①半導体洗浄装置向けフッ素樹脂継手は、PILLARが9割超を握る事実上の独占市場。参入障壁は技術(PFA成形・密封)よりも「装置メーカーの認定と図面への組み込み」にあり、買い手(SCREEN・東京エレクトロン等の装置メーカー)は少数だが、継手の単価が装置価格に占める比率が極めて小さいため、価格交渉より安定供給を優先する。つまり買い手が寡占なのに売り手が価格決定力を持つ、部材産業では珍しい構造である。②メカニカルシール・ガスケットは国内でイーグル工業・PILLAR・タンケン等が競う寡占的競争市場で、保守需要中心のため需要は安定するが価格決定力は限定的。マクロの文脈では、SEMIが半導体装置市場を2027年に1,560億ドルと予測し、中国・台湾・韓国が上位3地域を占める。AI覇権争いが「GPUから電力・冷却・部材へ」つるはしを移す中で、洗浄装置向け継手は「先端ノードほど洗浄工程が増える」という構造的追い風を受ける。

Conduct(企業行動・規制リスク)

企業行動の核は「不況期に能力を仕込む」設備投資である。半導体不況の2023〜2025年に福知山第2、滁州、羽田、タンケン買収と3年で312億円を投じ、回復期の2026年に売上+40%を受け止める能力を確保した。2026年5月には配当性向40%への引き上げと買収防衛策の廃止を同時に発表し、創業家経営に対する市場の懸念に応えた。価格面では、産業機器で「中国・欧州での価格改定」(財経新聞)を実行しており、コスト上昇を転嫁する姿勢がある。規制リスクは3方向。第1に米中半導体規制——中国は半導体装置市場最大の地域で、One2030の海外比率50%は滁州工場を前提にしている。日本製部材が中国の国産化義務(Round1-2で「80%義務化」と整理)や米国の対中輸出規制の対象に広がれば、成長シナリオの柱が折れる。第2にPFAS規制——フッ素樹脂(PFA)は有機フッ素化合物(PFAS)の一種で、欧州のPFAS規制が「フッ素ポリマー」を包含する形で確定すれば、素材そのものが規制対象になりうる。半導体用途は除外の方向だが未確定。第3に顧客集中——装置メーカー数社への依存が高く、装置出荷の谷がそのまま業績の谷になる(2025年3月期の営業利益▲20%が実例)。

Performance(業界トレンド・収益性への帰結)

SCPの帰結として、同社の収益性は「装置サイクル×独占マージン」で決まる。装置サイクルが上向く局面(2022年3月期、2027年3月期)は営業利益率が27〜28%へ跳ね、下向く局面でも19〜20%で底を打つ。この「底が20%、天井が28%超」というレンジそのものが、市場構造(独占)の帰結である。業界トレンドは3つ。①先端ノード(2nm以下、GAA、HBM)で洗浄工程数が増え、装置1台あたりの継手点数が増える。②中国の装置需要が国産装置メーカー(北方華創、盛美など)へシフトしており、PILLARが中国の装置メーカーにも継手を納められるか(滁州工場の意味)が海外比率50%の成否を決める。③データセンター液冷は、PFA配管・継手の隣接市場として存在するが、同社の開示上は未着手で、Entegris等が先行する。Performanceの観点で最も重要なのは、2027年3月期の営業利益率24%が「サイクルの山」なのか「構造的な新水準」なのかであり、これは2028年3月期の会社予想(2027年5月)で初めて判定できる。
15 / INVESTMENT THESIS

これらの分析結果をもとにした現在の投資妙味

結論。PILLARは「AI覇権争い」テーマのミクロ具体として、Round1-2の第1位採用を維持する。ただし「低注目」という前提条件は、株価が8カ月で2倍になり、8月に上方修正でストップ高をつけた時点で、半分崩れている。投資妙味は「まだ誰も知らない」ことではなく、「予想PER15.4倍・営業利益率24%・ROIC16%見込み・無借金・配当性向40%」という数字の組み合わせが、装置部材の独占企業としては依然として割高ではないことにある。
バリュエーションの根拠。時価総額2,364億円(自己株控除後2,158億円)に対し、現金255億円・有利子負債ほぼゼロなので、EV(企業価値)は約1,900億円。2027年3月期の会社予想営業利益200億円で割るとEV/営業利益は約9.5倍、営業CF150億円ベースでもEV/営業CF約12.7倍。PER15.4倍は10年実績レンジ(8.4〜18.0倍)の上寄りだが、EPS成長率+58%を考慮したPEGは0.3倍以下で、テーマ株としての倍率拡大はほとんど起きていない。予想配当利回り2.6%は、2025年の同社(1.3%前後)から倍増し、株価の下支えになる。
強気に見るなら。①世界シェア9割超という独占ポジションと、不況期でも営業利益率20%を割らない実績。②1Q営業利益率27.1%に対し通期予想24.1%と、会社予想に保守性が残る。③One2030の売上1,000億円目標が初年度の予想830億円でほぼ射程に入り、計画の上方修正が期待できる。④ROICは不況期でもWACCを上回り、好況期には16%台へ達する見込みで、資本効率の議論で減点がない。⑤配当性向40%・買収防衛策廃止で、創業家経営への割引が縮小する方向にある。
弱気に見るなら。①2027年3月期の売上+40%は装置メーカーの前倒し発注を含む可能性があり、2028年3月期は反動減のリスクがある(2025年3月期の営業利益▲20%が前例)。②株価は52週高値12,080円から22%調整したとはいえ、年初来2倍の水準で、テーマ資金の流出局面では利益確定売りが続きうる。③液冷向け製品の実績は開示上ゼロで、「液冷のつるはし」という期待は現時点では根拠を欠く。④米中規制とPFAS規制という、自社ではコントロールできない2つの規制リスクが、最大市場(中国)と唯一の素材(フッ素樹脂)に同時にかかっている。⑤産業機器関連の1Q減益が、原材料・人件費インフレによる利益率低下の始まりであれば、下方耐性の前提が弱まる。
投資妙味の判定。Round1-2で設定した中期(1〜2年)のエントリー条件は「中間期で売上が前年比プラス転換、営業利益率25%以上を確認」だったが、1Qで売上+35.6%・利益率27.1%と既に満たされており、条件は「2Q(11月)で四半期売上180億円前後・営業利益率25%以上が維持されるか」に更新する。ストップロスは営業利益率20%割れ(2025年3月期水準への逆戻り)を維持する。押し目の目安として、予想PER12〜13倍(株価7,300〜8,000円)は10年実績PERの中央値近辺で、そこまでの調整があれば分割で積み増す合理性がある。ただし本稿は公開情報に基づく分析であり、四半期売上183億円が恒常的水準であるかは2Q決算まで断定できない。
※本セクションは公開情報に基づく分析であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
16 / WATCH POINTS & RISKS

今後の注目ポイントやリスク要因

注目ポイント(カタリスト)

2027年3月期 第2四半期決算(2026年11月上旬見込み、日程は会社IRカレンダーで要確認)。四半期売上が180億円前後を維持し、営業利益率25%以上かどうか。上期累計で通期予想の50%超なら再上方修正の可能性。
滁州新工場の稼働率と中国装置メーカー向け売上の開示。海外比率34.7%→50%の道筋。
One2030の上方修正。初年度で売上830億円なら、1,000億円目標は前倒し達成が視野に入る。2027年5月の本決算・次期予想が判定時点。
液冷・データセンター向け製品の初開示。統合報告書2026(2026年8月31日発行)や東京イノベーションセンター(2026年度4Q開設)でのテーマ提示があれば、Round1-2の「液冷のつるはし」仮説が実績に変わる。
配当性向40%の下での増配・自社株買い。2027年3月期予想245円は前期比+115円。One2030の還元総額300〜350億円の執行ペース。
SCREEN・東京エレクトロンの洗浄装置受注動向(両社の決算は10月末〜11月上旬)。同社の2Qに先行する指標になる。

リスク要因

装置サイクルの反動。売上+40%の翌年に反動減が来る前例(2025年3月期)。2028年3月期予想が減益なら株価は大きく調整する。
顧客集中。半導体装置メーカー数社への依存。主要販売先の開示がなく依存度は未取得だが、洗浄装置向け9割シェアの裏返しとして、SCREEN・東京エレクトロンの出荷が業績を直接規定する。
米中半導体規制。中国は同社の最大海外市場で滁州工場に投資済み。日本製部材への規制拡大や中国の国産化義務化は成長シナリオの柱を折る。
PFAS規制。フッ素樹脂(PFA)は欧州PFAS規制の対象範囲論争の中にあり、フッ素ポリマーが規制対象に含まれれば素材そのものが問題になる。半導体用途の除外が確定するまで、構造的リスクとして残る。
株価の過熱と需給。年初来2倍、8月ストップ高後の調整局面。テーマ資金の流出時には出来高を伴う下落がありうる。
産業機器関連の利益率低下。1Qは原材料・人件費上昇で▲18.7%減益。価格転嫁が追いつかなければ、下方耐性を担う事業の質が落ちる。
創業家ガバナンス。社長交代は創業家内で行われており、買収防衛策廃止後も後継計画・資本政策の透明性は継続的に確認すべき事項。
為替。実質海外比率6割超で、円高局面では円換算利益が圧縮される。
SOURCES

出典一覧

https://finance.yahoo.co.jp/quote/6490.T
https://finance.yahoo.co.jp/quote/6490.T/performance
https://finance.yahoo.co.jp/quote/6490.T/dividend
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https://finance.yahoo.co.jp/quote/6490.T/history?from=20160301&to=20260331&timeFrame=m
https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20260806/20260806511393.pdf
https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20260806/20260806512150.pdf
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https://finance.matsui.co.jp/stock/6490/settlement/index
https://www.pillar.co.jp/ja/about/history/
https://www.pillar.co.jp/ja/business/
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https://www.pillar.co.jp/ja/ir/management/capital-costs/
https://media.nippon-pillar.com/assets/pdf/d969caa01bc5b153596f852b46992fa54b02ecb4.pdf
https://webcast.net-ir.ne.jp/64902602/lyNyMnLqMU/slide.pdf
https://ir-magazine.net-ir.ne.jp/sugao/detail/id=10726
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO59370230R20C20A5YZ0000/
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF052M20V00C22A3000000/
https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00716995
https://www.zaikei.co.jp/article/20251006/828130.html

分析日:2026年9月20日(株価・時価総額は2026年9月18日終値)。未取得項目:FY2017の各CF、FY2017〜FY2023の自己資本額(ROE・ROIC系列)、実測β、半導体装置メーカー別の依存度、液冷向け売上、滁州・福知山第2の個別投資額、2Q決算発表日。