スナップショット
株価
2,588.5円
2026/9/18 終値(Yahoo!ファイナンス)
時価総額
約5,820億円
2,588.5円×224.7百万株(概算)
PER(予想)
約15.0倍
FY27/3会社予想EPS約173円で算出
PBR
約2.0倍
stockanalysis(2026/9取得)
配当利回り(予想)
2.70%
年間70円予想(前期61円)
年初来レンジ
2,510〜3,400円
安値8/5(1Q決算日)・高値4/8
事業ごと・国/エリアごとの売上高比率
事業セグメント別 売上高(2026年3月期)
事業セグメント別 営業利益(2026年3月期)
国・エリア別 売上高(2026年3月期)
出典:日油 2026年3月期決算短信(決算短信PDF)、The社史(the-shashi.com/tse/4403/current)。構成比はセグメント合計(2,574億円)に対する比率。
この3枚が示すのは「稼ぐ場所と伸びる場所が違う」構造である。売上の56.5%を占める機能化学品(界面活性剤・脂肪酸誘導体・有機過酸化物・化粧品原料・防錆)が利益の53%を稼ぎ、売上19.4%の医薬・医療・健康(DDS用活性化PEG・機能性脂質・MPCポリマー・機能食品)が利益率31.7%で利益の31%を出す。一方、本テーマの主役である化薬は売上23.9%に対し利益は16%、利益率12.9%と3事業で最も低い。つまり日油は「防衛株」として買われても、利益の8割強は防衛と無関係の化学・医薬から出ている。1年前(2025年3月期)の構成は機能化学品63%・医薬20%・化薬16%だったから、化薬は1年で構成比を8ポイント押し上げたことになる。地域別は日本72.2%と内需型で、防衛向けは当然ほぼ全額が国内計上。為替感応度は同業の化学大手より低く、海外はアジア14%(中国・台湾・韓国の電子材料・化粧品原料)が中心である。
創業からの歴史
出典:The社史(the-shashi.com/tse/4403、日油有価証券報告書【沿革】に基づく)、日油会社情報(nof.co.jp/company/message)、株探ニュース2025年5月26日(kabutan.jp)。
ミッション・ビジョン・バリュー
出典:日油トップメッセージ(nof.co.jp/company/message)、2028中期経営計画 NOF VISION 2030(r08_gyoseki5.pdf)、ログミーFinance(finance.logmi.jp/articles/385198)。
現経営者の特徴・過去の実績(レジリエンスの観点)
出典:キタイシホン 役員情報(kitaishihon.com/company/4403/board-of-director)、日油役員一覧(nof.co.jp/company/officer)、The社史(歴代社長)、2027年3月期1Q決算短信(自己株式取得・消却)、決算説明会質疑応答(r08_gyoseki8.pdf)。
直近決算の予想・ガイダンスに対する結果
2027年3月期 第1四半期(2026年4〜6月)実績 vs 通期会社予想
| 指標 | 1Q実績 | 前年同期比 | 通期会社予想 | 進捗率 | 評価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 690億円 | +23.1% | 3,190億円(+23.7%) | 21.6% | 下期偏重前提なら妥当 |
| 営業利益 | 107億円 | ▲9.7% | 500億円(+5.5%) | 21.4% | 前年同期は25.0%進捗 |
| 経常利益 | 115億円 | ▲6.3% | 510億円(+1.3%) | 22.6% | 過去5年平均進捗28.3%を下回る |
| 純利益 | 75.7億円 | ▲12.1% | 390億円(▲3.8%) | 19.4% | 未達懸念 |
| 営業利益率 | 15.5% | ▲5.6pt(前年21.1%) | 15.7% | ― | 化薬の売上急増で希釈 |
| 自己資本比率 | 76.7% | +2.7pt(前期末74.0%) | ― | ― | 前受金減で総資産圧縮 |
セグメント別 1Q実績 vs 通期予想
| セグメント | 1Q売上 | 前年比 | 1Q営業利益 | 前年比 | 通期予想(売上/営利) | 営利進捗 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 機能化学品 | 392億円 | +8.8% | 78.5億円 | +11.0% | 1,555億/264億円 | 29.7% |
| 医薬・医療・健康 | 112億円 | ▲17.9% | 12.2億円 | ▲77.6% | 502億/123億円 | 9.9% |
| 化薬 | 184億円 | +197.8% | 23.0億円 | 黒字化(前年▲0.07億円) | 1,128億/154億円 | 14.9% |
出典:日油 2027年3月期第1四半期決算短信(2026年8月5日、決算短信PDF)、2026年3月期決算短信(PDF)、株探決算速報(Yahoo!ファイナンス転載)、みんかぶニュース2026年8月5日(minkabu.jp/news/4585812)、stockanalysis株価履歴(5月11日▲13.18%)。
この数字が意味すること。1Qの営業減益は「防衛の失速」ではなく「防衛の売上が先に立ち、利益率の低い工事売上が全社利益率を希釈した」ことと「DDSの納入時期のズレ」の合成である。会社予想の営業利益率15.7%は前期18.4%から2.7pt低下する前提であり、その通りに進んでいる。問題は、下期にDDS納入と化薬工事の両方が計画通り積み上がるかという「二重の下期偏重」を抱えている点で、11月の2Q決算で医薬の進捗が40%に届かなければ通期未達の確率が高まる。
売上高・利益の推移(直近10年間)
売上高(FY2017〜FY2026、3月期、億円・日本基準)
営業利益(億円)
経常利益(税引前利益の代替、億円)
営業利益率(%)
10年データ表(億円)
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 営業利益率 | 経常利益 | 純利益 |
|---|---|---|---|---|---|
| FY17(2017/3) | 1,741 | 243 | 14.0% | 250 | 176 |
| FY18(2018/3) | 1,799 | 258 | 14.3% | 274 | 199 |
| FY19(2019/3) | 1,892 | 284 | 15.0% | 301 | 220 |
| FY20(2020/3) | 1,809 | 269 | 14.9% | 288 | 211 |
| FY21(2021/3) | 1,726 | 266 | 15.4% | 289 | 233 |
| FY22(2022/3) | 1,926 | 356 | 18.5% | 376 | 267 |
| FY23(2023/3) | 2,177 | 406 | 18.7% | 432 | 340 |
| FY24(2024/3) | 2,223 | 421 | 19.0% | 456 | 340 |
| FY25(2025/3) | 2,383 | 453 | 19.0% | 466 | 365 |
| FY26(2026/3) | 2,580 | 474 | 18.4% | 504 | 406 |
出典:The社史(the-shashi.com/tse/4403/current、有価証券報告書XBRLベース)。税引前利益は集計元で個別開示がないため、日本基準の経常利益(税金等調整前利益との差は特別損益のみ)を代替指標として掲載した。
この10年で日油は「売上1.5倍、営業利益1.9倍、営業利益率14%→18%」を実現した。売上は1,741億円→2,580億円(CAGR+4.5%)と化学メーカーとしては平凡な伸びだが、営業利益は243億円→474億円(CAGR+7.7%)と売上の伸びを上回り、営業利益率はコロナ禍を含めて一度も14%を割らず、2023年3月期以降は18〜19%で定着した。減収は2020年3月期と2021年3月期の2回だけで、その2年も営業利益率は14.9%→15.4%と上がっている。つまりこの会社の10年は「値上げと製品ミックス改善で利益率を切り上げ続けた10年」であり、規模で稼ぐ会社ではない。2026年3月期は営業利益率が18.4%と前期の19.0%からわずかに低下したが、これは利益率12.9%の化薬売上が急増した希釈効果であり、機能化学品・医薬単体の利益率が崩れたわけではない(ただし機能化学品は原燃料高と減販で▲30億円の減益)。2027年3月期は売上3,190億円・営業利益500億円予想で、利益率15.7%へさらに希釈される見込み。
PERの推移(直近10年間)
実績PER(各3月末株価÷当該期EPS、倍)
算出データ(株価・EPSはいずれも現行株式数ベースに調整)
| 年度 | 3月末株価(調整後) | EPS(調整後) | 実績PER |
|---|---|---|---|
| FY17(2017/3末) | 788円 | 67.4円 | 11.7倍 |
| FY18(2018/3末) | 1,048円 | 77.0円 | 13.6倍 |
| FY19(2019/3末) | 1,257円 | 86.4円 | 14.5倍 |
| FY20(2020/3末) | 1,143円 | 83.9円 | 13.6倍 |
| FY21(2021/3末) | 1,930円 | 93.5円 | 20.6倍 |
| FY22(2022/3末) | 1,673円 | 107.9円 | 15.5倍 |
| FY23(2023/3末) | 2,057円 | 139.0円 | 14.8倍 |
| FY24(2024/3末) | 2,086円 | 141.2円 | 14.8倍 |
| FY25(2025/3末) | 2,020円 | 153.9円 | 13.1倍 |
| FY26(2026/3末) | 3,101円 | 176.3円 | 17.6倍 |
| 現在(2026/9/18) | 2,588.5円 | 約173円(FY27/3会社予想) | 約15.0倍(予想) |
出典:Yahoo!ファイナンス時系列(月次データ)、The社史(EPS)。
この数字が意味すること。市場は日油に対して10年間、営業利益率18%・ROE13%の企業としては控えめな13〜15倍しかつけてこなかった。理由は内需型化学という地味さと、成長率が一桁だったことにある。2026年春の17.6倍は「防衛で成長率が変わる」期待の値段だったが、会社が5月に「2028年度に化薬利益は半減」と示したことで、その期待は剥落した。現在の15倍は「防衛プレミアムなし、DDS回復も織り込まず」の水準に近い。逆に言えば、ここから上に行くには化薬の既存製品(初度費を除く)の増産が数字で見えるか、DDSの回復が前倒しになるかのどちらかが必要で、PERの拡大だけを当てにする局面ではない。
ROIC・WACC・ROEの推移(直近10年間)
ROIC(概算)・ROE・WACC(%)
ROIC・ROE・WACCとスプレッド
| 年度 | NOPAT(億円) | 投下資本(億円) | ROIC | ROE | WACC(β0.8) | スプレッド |
|---|---|---|---|---|---|---|
| FY17 | 170 | 1,585 | 10.7% | 11.6% | 7.3% | +3.4pt |
| FY18 | 181 | 1,731 | 10.4% | 11.8% | 7.3% | +3.1pt |
| FY19 | 199 | 1,867 | 10.7% | 12.4% | 7.3% | +3.3pt |
| FY20 | 188 | 1,873 | 10.0% | 11.9% | 7.3% | +2.7pt |
| FY21 | 186 | 2,074 | 9.0% | 11.5% | 7.3% | +1.7pt |
| FY22 | 249 | 2,235 | 11.1% | 12.1% | 7.3% | +3.8pt |
| FY23 | 284 | 2,436 | 11.7% | 14.2% | 7.3% | +4.4pt |
| FY24 | 295 | 2,694 | 11.0% | 12.8% | 7.3% | +3.6pt |
| FY25 | 317 | 2,820 | 11.2% | 13.1% | 7.3% | +3.9pt |
| FY26 | 332 | 2,986 | 11.1% | 13.7% | 7.3% | +3.8pt |
試算方法:ROIC=NOPAT÷投下資本。NOPAT=営業利益×(1−実効税率30%)、投下資本=自己資本+有利子負債(期末、The社史の有報XBRL集計)。WACC=CAPMで推定。リスクフリーレート2.956%(2026年9月18日の新発10年国債利回り、財経新聞)、株式リスクプレミアム5.5%、負債コスト1.5%(税引後1.05%)、資本構成は時価総額5,817億円:有利子負債33億円(負債比率0.6%)。β は stockanalysis 公表の5年β0.36を使うと株主資本コスト4.9%・WACC4.9%になるが、内需ディフェンシブ株の低βが過小評価を生みやすいため、本表では保守的にβ0.8(株主資本コスト7.4%・WACC7.3%)を採用した。ROEはThe社史の値(会社公表のROEは2026年3月期14.1%)。
ROICは10年間9.0〜11.7%のレンジにあり、保守的なWACC7.3%を毎年1.7〜4.4ポイント上回っている(最低はコロナ禍の2021年3月期9.0%)。β0.36を使えばスプレッドは6ポイント超に広がる。ただし投下資本には現預金830億円(2026年3月末)が含まれており、これを除いた事業ROICは2026年3月期で約15.4%と、さらに高い。つまり日油は「資本コストを稼げているか」という問いにはとうに答えを出しており、問題はROICが10年間ほぼ横ばいで、上がってもいないことだ。利益が1.9倍になっても自己資本が同じ1.9倍(1,518億→2,953億円)に積み上がったためで、ROEも11〜14%のレンジを出ていない。2026年3月期に自己株式200億円を取得し、中計で総還元性向70%以上を掲げたのは、この「資本の積み上がり」を止めるためであり、ROE15%以上(2030年度目標)は利益成長より資本圧縮で達成する設計と読める。今後、早期装備化の1,150億円の設備は防衛省との契約で回収される仕組みのため、日油側の投下資本を大きく増やさない点も、ROICの観点では追い風である。
営業・投資・財務・フリーキャッシュフローの推移(直近10年間)
キャッシュフロー4種(FY2017〜FY2026、億円)
10年データ表(億円、FCF=営業CF+投資CF)
| 年度 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF |
|---|---|---|---|---|
| FY17 | 240 | ▲58 | ▲75 | 182 |
| FY18 | 202 | ▲49 | ▲85 | 153 |
| FY19 | 199 | ▲55 | ▲108 | 143 |
| FY20 | 278 | ▲48 | ▲113 | 230 |
| FY21 | 307 | 19 | ▲80 | 326 |
| FY22 | 274 | ▲88 | ▲153 | 186 |
| FY23 | 233 | ▲7 | ▲162 | 226 |
| FY24 | 300 | ▲150 | ▲171 | 150 |
| FY25 | 290 | ▲137 | ▲220 | 152 |
| FY26 | 359 | ▲44 | ▲314 | 314 |
出典:The社史(the-shashi.com/tse/4403/current、有報XBRLベース)、2026年3月期決算短信(前受金の注記)。
営業CFは10年間で199〜359億円、一度もマイナスなし。FCFは10年通算で概算+2,064億円のプラスで、財務CFは10年通算▲1,482億円と、営業CF累計の5割強を配当・自己株式・借入返済で株主と債権者に戻してきた。投資CFは2024〜25年3月期にLS愛知工場(DDS)と化薬設備で▲150億円・▲137億円と膨らんだが、2026年3月期は▲44億円に縮小している。ここで注意すべきは2026年3月期の営業CF359億円(+24%)の中身で、決算短信の注記によれば化薬事業の早期装備化に係る防衛関連設備の前受金139億円が含まれている。つまり営業CFの増加分のほぼ全額は防衛省からの前受けで、本業のキャッシュ創出力は前期並みと見るのが正確である。2027年3月期の設備投資予定705億円(前期344億円)はこの前受金と今後の契約収入で賄われる設計だが、工事の進捗と入金のタイミングがずれれば、一時的にFCFが赤字に振れる年が出る可能性は高い。中計のキャッシュアロケーション(営業CF1,100億円に対し投資930億円+還元960億円以上)が「必要に応じ借入」と明記しているのはそのためで、実質無借金の財務が数年内に変わる可能性は織り込んでおくべきである。
直近の投資・M&A状況
出典:化学工業日報(chemicaldaily.com/archives/649476)、株探ニュース2025年5月26日(kabutan.jp)、財経新聞(zaikei.co.jp)、決算説明会質疑応答(r08_gyoseki8.pdf)、2028中期経営計画(r08_gyoseki5.pdf)、DDS事業の展開(r07_gyoseki2.pdf)、日油事業所一覧(nof.co.jp/company/plant/map_aichi)。
主要事業ごとの成長性
セグメント別 実績と会社計画(億円)
| セグメント | FY25/3実績 売上/営利 | FY26/3実績 売上/営利 | FY27/3予想 売上/営利 | 2028年度(FY29/3)計画 売上/営利 | 利益率推移 |
|---|---|---|---|---|---|
| 機能化学品 | 1,509/298 | 1,458/268 | 1,555/264 | 1,770/354 | 19.7%→18.4%→17.0%→20.0% |
| 医薬・医療・健康 | 480/157 | 499/158 | 502/123 | 615/188 | 32.7%→31.7%→24.5%→30.6% |
| 化薬 | 388/31 | 617/80 | 1,128/154 | 670/73 | 8.1%→12.9%→13.7%→10.9% |
| 連結(調整後) | 2,383/453 | 2,580/474 | 3,190/500 | 3,060/570 | 19.0%→18.4%→15.7%→18.6% |
出典:2026年3月期決算説明資料(r08_gyoseki4.pdf)、質疑応答(r08_gyoseki8.pdf)、2028中期経営計画、DDS事業の展開、日油事業構成図(nof.co.jp/company/structure)、whiteorder.net(二次情報)。セグメント営業利益の合計と連結の差は全社費用・消去。
この表が意味すること。2027年3月期の増益は化薬(+74億円)が医薬(▲35億円)と機能化学品(▲4億円)の減益を埋めて余りある形で成り立っている。2028年度の目標570億円は、逆に化薬が▲81億円減る分を機能化学品(+90億円)と医薬(+65億円)で埋めて増益を続ける形だ。投資家が見るべきは「防衛が伸びるか」ではなく「防衛の山が崩れる2028年度に、化学と医薬がその穴を埋める準備ができているか」である。1Qの数字(機能化学品は順調、医薬は遅延)はこの点で明暗が分かれた。
競争優位性や業界内でのポジション
出典:Round1-2テーマ分析(防衛・安全保障パラダイム転換)、whiteorder.net(二次情報)、DDS事業の展開(r07_gyoseki2.pdf)、日油事業構成図。防衛向けシェアの公式数値は非開示(未取得)。
SCP理論からの分析(市場構造・企業行動・業界トレンド)
Structure(市場構造)
Conduct(企業行動・規制リスク)
Performance(業界トレンド・収益性への帰結)
これらの分析結果をもとにした現在の投資妙味
※本セクションは公開情報に基づく分析であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
今後の注目ポイントやリスク要因
注目ポイント(カタリスト・日付)
② 次期防衛力整備計画(2026年末の閣議決定見込み)。2027〜29年以降の弾薬・誘導弾の調達数量と、早期装備化枠の継続・拡大。日油の新設備の稼働率を決める。
③ 2028年3月期の会社予想(2027年5月)。初度費ピーク2年目の化薬営業利益と、2028年度クリフの深さがどう示されるか。ここが「半分利確」の判断点。
④ H3ロケットの打ち上げ再開。宇宙関連製品の出荷回復(1Qは減少)。
⑤ DDS主要顧客の医薬品の市場浸透状況と、機能性脂質(LNP用)の臨床進捗。回復が2028年度から前倒しになれば医薬の利益率30%台が早期に戻る。
⑥ 防衛装備移転三原則の見直し。推進薬・火薬の輸出解禁は新設備の稼働率を押し上げる長期カタリスト。
⑦ 自己株式取得の進捗と追加設定。総還元性向70%以上の方針のもと、2026年8月決議分(50億円上限)の消化後に次の枠が出るか。
⑧ 3月末の年度末配当(70円予想の期末35円)と、累進配当の継続。
リスク要因
② 1Q時点の通期未達リスク。営業利益進捗21.4%、純利益進捗19.4%、経常進捗22.6%(5年平均28.3%)。医薬・化薬の「二重の下期偏重」が計画通り実現しない場合、初の減益・下方修正となりうる。
③ 武豊工場の安全事故。2000年・2009年・2023年・2025年に爆発事故。住宅地隣接型の工場で1,400億円の工事と量産が並行する局面は、事故確率が構造的に高まる。事故は操業停止・工期遅延・初度費計上の後ずれに直結する。
④ 工事コストの再増額と工期遅延。初度費は1,000→1,400億円へ増額済み。資材・人件費の高騰が続けば再増額や工期のずれが起き、収益認識のタイミングが読めなくなる。
⑤ DDSの顧客集中。主要3社向けの動向で医薬セグメントの利益が±30億円動く。特定顧客の医薬品の市場浸透遅延は日油がコントロールできない。
⑥ 原燃料高と中東情勢。機能化学品の原料は石油化学由来で、会社も「終息時期は想定できない」と認める。一部顧客の生産計画見直しが減販につながる。
⑦ 防衛調達制度の変更。原価計算方式・利益率の見直し、次期整備計画での数量減。双方独占市場では買い手(国)の制度変更が直接利益率を決める。
⑧ 財務構造の変化。中計は「必要に応じ借入」を明記。実質無借金が崩れる局面ではROICは維持されてもFCFが赤字に振れる年が出る。
⑨ 自動車減産。エアバッグ用インフレータ火薬(化薬の機能製品)と特殊防錆処理剤(機能化学品)は自動車生産に連動し、1Qでも防錆が低調・機能製品が減収。
出典一覧
https://the-shashi.com/tse/4403/current/
https://the-shashi.com/tse/4403/
https://the-shashi.com/tse/4403/segment/
https://azcms.ir-service.net/DATA/4403/ir/140120260804508740.pdf
https://azcms.ir-service.net/DATA/4403/ir/140120260508520276.pdf
https://www.nof.co.jp/files/ir/library/briefing-materials/r08_gyoseki4.pdf
https://www.nof.co.jp/files/ir/library/briefing-materials/r08_gyoseki5.pdf
https://www.nof.co.jp/files/ir/library/briefing-materials/r08_gyoseki8.pdf
https://www.nof.co.jp/files/ir/library/briefing-materials/r07_gyoseki2.pdf
https://www.nof.co.jp/ir/library/document-list
https://www.nof.co.jp/company/message
https://www.nof.co.jp/company/structure
https://www.nof.co.jp/company/plant/map_aichi
https://finance.logmi.jp/articles/385198
https://finance.yahoo.co.jp/quote/4403.T/history
https://finance.yahoo.co.jp/news/detail/17c4ceeca7aba0f26e3fb9564807742b338901a0
https://finance.matsui.co.jp/stock/4403/settlement/index
https://stockanalysis.com/quote/tyo/4403/statistics/
https://stockanalysis.com/quote/tyo/4403/history/
https://minkabu.jp/news/4585812
https://kabutan.jp/news/marketnews/?b=n202505260432
https://chemicaldaily.com/archives/649476
https://zaikei.co.jp/article/20250526/812146.html
https://whiteorder.net/nof-defense-business-guide/
https://kitaishihon.com/company/4403/board-of-director
https://kitaishihon.com/company/4403/business
https://www.zaikei.co.jp/article/20260918/870672.html
未取得項目:防衛向け売上の公式比率(非開示)、化薬セグメントの10年営業利益系列(2025/3期以前は集計元に未掲載、会社IR一次資料での確認が必要)、株価取得時点の時価総額の公式値(概算で代替)、保有株数。
分析日:2026-09-20