スナップショット
株価
2,575円
2026/8/26終値(2026年4月1日付で1→5分割)
時価総額
約2.2兆円
重工3社では三菱重工に次ぐ規模
PER(TTM実績)
18.2倍
TTM EPS 143.1円ベース
保有株数
―
未確認
売上収益(2026年3月期)
2兆3,113億円
前期比+8.5%・過去最高
事業利益(同)
1,455億円
利益率6.3%・過去最高
ROE(同)
13.4%
10年で最高、10年平均は5.4%
自己資本比率(同)
24.3%
有利子負債8,612億円・ネット負債7,458億円
事業ごと・国/エリアごとの売上高比率
事業セグメント別 売上収益構成比(2026年3月期、外部売上ベース)
セグメント合計は2兆3,113億円。パワースポーツ&エンジン(二輪車・ジェットスキー・SxS・汎用エンジン)と航空宇宙システムの2本柱で全社の56%を占める。かつての祖業である船舶はエネルギーソリューション&マリン事業に統合され、単独では開示されていない。出典:The社史 川崎重工業(the-shashi.com/tse/7012)、stockanalysis.com(TYO:7012)。
所在地別 売上収益構成比(2026年3月期 第3四半期累計)
日本38.8%・米国32.9%と、実質的に日米2カ国で7割を占める構造。米国比率の高さは二輪車・SxSなどパワースポーツ事業と、ボーイング向け機体構造分担によるもので、米国関税政策と為替に対する感応度が高い理由でもある。通期の所在地別内訳は有価証券報告書ベースで次回更新時に差し替え予定。出典:川崎重工業 2026年3月期第3四半期決算資料。
創業からの歴史
出典:The社史 川崎重工業(the-shashi.com/tse/7012)、同「経営の転換点」各項、川崎重工業 公式サイト 沿革。
ミッション・ビジョン・バリュー
出典:川崎重工業「カワサキグループ・ミッションステートメント」(khi.co.jp)、「グループビジョン2030」(khi.co.jp/groupvision2030)、日本経済新聞「川崎重工、30年ぶり増資に込めた決意」(2026年7月)。
現経営者の特徴・過去の実績(レジリエンスの観点)
出典:Wikipedia「橋本康彦(実業家)」、ニュースイッチ(日刊工業新聞社)「川重の次期社長は初のロボット部門から」(newswitch.jp)、日経ビジネス、The社史 川崎重工業 歴代社長(the-shashi.com)、ロボスタ(2026年5月22日)。
直近決算の予想・ガイダンスに対する結果
2027年3月期 第1四半期(2026年4〜6月)実績
| 指標 | 実績 | 前年同期比 | コメント |
|---|---|---|---|
| 受注高 | 5,257億円 | +17.8% | 防衛・エネルギー案件が牽引 |
| 売上収益 | 5,436億円 | +11.3% | 通期予想2.56兆円に対し進捗21.2% |
| 事業利益 | 358億円 | +74.3% | 通期1,800億円に対し進捗19.9% |
| 税引前四半期利益 | 348億円 | +106.8% | 円安による為替差益も寄与 |
| 親会社帰属 四半期利益 | 157億円 | +269.0% | 前年同期の低水準からの反動が大きい |
パワースポーツ&エンジンが、固定費削減効果に加えて米国IEEPA関税の還付もあり前年同期を大きく上回った。前期に関税で叩かれたセグメントが、今期は還付で押し上げられている構図である。
2027年3月期 通期予想(2026年8月7日 上方修正)
| 指標 | 前期実績 | 今期予想 | 増減率 | 5月公表比 |
|---|---|---|---|---|
| 受注高 | 2兆7,400億円 | 2兆4,200億円 | ▲11.7% | ▲1,200億円(下方) |
| 売上収益 | 2兆3,113億円 | 2兆5,600億円 | +10.8% | 据え置き |
| 事業利益 | 1,455億円 | 1,800億円 | +24.0% | +100億円(上方) |
| 税引前利益 | 1,455億円 | 1,570億円 | +7.9% | 上方修正 |
| 当期利益(親会社帰属) | 1,082億円 | 1,150億円 | +6.3% | 上方修正 |
前提為替レートは1ドル150円・1ユーロ180円。注意すべきは受注高だけが下方修正されている点で、売上・利益の上方修正と方向が逆になっている。今期の利益は既存の受注残(期首2兆4,200億円)の消化で作られており、新規受注の伸びが鈍れば来期以降の成長率は落ちる。「今期は良いが、その先の仕込みは想定を下回っている」というのが、この決算の最も重要な読み方である。
売上高・利益の推移(直近10年間)
売上収益(白)・事業利益(グレー)の推移(2017年3月期〜2026年3月期、単位:億円)
売上収益 事業利益
| 決算期 | 売上高 | 事業(営業)利益 | 利益率 | 当期純利益 | 局面 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2017年3月期 | 15,188 | 460 | 3.0% | 262 | 油圧機器・車両の低迷 |
| 2018年3月期 | 15,742 | 559 | 3.6% | 289 | ― |
| 2019年3月期 | 15,947 | 640 | 4.0% | 275 | IFRS移行 |
| 2020年3月期 | 16,413 | 621 | 3.8% | 187 | ― |
| 2021年3月期 | 14,885 | ▲53 | ▲0.4% | ▲193 | コロナ/航空宇宙▲317億円 |
| 2022年3月期 | 15,009 | 277 | 1.8% | 218 | 二輪が北米レジャー需要で急回復 |
| 2023年3月期 | 17,256 | 703 | 4.1% | 613 | 円安・二輪好調 |
| 2024年3月期 | 18,493 | 320 | 1.7% | 254 | 航空宇宙▲150億円・不祥事の期 |
| 2025年3月期 | 21,293 | 1,075 | 5.0% | 880 | 航空宇宙が黒字転換(+558億円) |
| 2026年3月期 | 23,113 | 1,455 | 6.3% | 1,082 | 売上・利益とも過去最高 |
10年間で売上高は1.52倍(CAGR +4.8%)、事業利益は3.2倍。ただし直線的な成長ではなく、2021年3月期と2024年3月期に2度の急落を挟んでいる点がこの会社の本質である。総合重工は事業の数だけリスク源を抱えており、どこか1つが崩れると全社利益が一気に消える。逆に言えば、2026年3月期の利益率6.3%は同社の10年間で最も高く、複数事業が同時に上を向いた稀な年でもある。
なお税引前利益はIFRS開示ベースで2022年3月期309億円→2023年3月期703億円→2024年3月期320億円→2025年3月期1,075億円→2026年3月期1,455億円。IFRS移行前(2018年3月期以前)は経常利益ベースで2017年3月期367億円・2018年3月期432億円であり、会計基準の断絶があるため10年連続の税引前利益系列は作成していません。出典:The社史 川崎重工業(the-shashi.com)、stockanalysis.com。
PERの推移
PER(期末株価ベース、単位:倍)
| 決算期 | 期末株価(分割調整後) | 時価総額 | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 410.6円 | 3,728億円 | 17.10 | 0.75 |
| 2023年3月期 | 552.7円 | 4,847億円 | 9.14 | 0.81 |
| 2024年3月期 | 984.5円 | 8,537億円 | 33.64 | 1.30 |
| 2025年3月期 | 1,760.6円 | 1兆4,956億円 | 17.00 | 2.06 |
| 2026年3月期 | 2,897.0円 | 2兆4,214億円 | 22.39 | 2.55 |
| 現在(2026年8月) | 2,575円 | 約2.2兆円 | 18.2 | 約2.4 |
この4年で最も大きく変わったのは利益ではなく市場からの評価倍率である。株価は2022年3月期末から2026年3月期末までで7.1倍になったが、そのうち純利益の増加寄与は5.0倍、残る1.4倍分はPBRが0.75倍→2.55倍へ切り上がった分——つまり「万年PBR1倍割れの重工」というレッテルが剥がれたことによる。
裏を返せば、現在の株価には既にディレーティング(評価倍率の低下)余地が積み上がっている。純利益が横ばいでもPBRが1.5倍まで戻れば株価は4割安になる計算で、ここからのリターンは「利益がさらに伸びるか」に完全に依存する。
2021年3月期以前のPERは、赤字期を含むこと・分割調整済み株価の連続系列を無料データで取得できないことから、本ページでは掲載していません(次回更新時に一次資料ベースで反映予定)。出典:stockanalysis.com Ratios(TYO:7012)。
ROIC・WACC・ROEの推移
ROE(10年推移、単位:%)
10年平均ROEは5.4%。2021年3月期は▲4.2%と資本を毀損している。二桁に乗せたのは2023年3月期(11.0%)と直近2期(12.9%・13.4%)のみで、「安定して二桁を出せる会社になった」と判断するにはまだ実績が足りない。出典:The社史 川崎重工業。
ROIC・WACC(概算)・ROE(2022年3月期〜2026年3月期、単位:%)
ROIC WACC概算 ROE
| 決算期 | ROIC | ROCE | WACC(概算) | ROIC−WACC | 判定 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 3.93% | 4.40% | 約5.5% | ▲1.6pt | 価値毀損 |
| 2023年3月期 | 5.91% | 7.00% | 約5.6% | +0.3pt | ほぼ均衡 |
| 2024年3月期 | 2.37% | 3.20% | 約5.8% | ▲3.4pt | 価値毀損 |
| 2025年3月期 | 7.01% | 10.30% | 約6.0% | +1.0pt | 価値創出 |
| 2026年3月期 | 6.24% | 9.20% | 約6.2% | ±0.0pt | 均衡 |
WACCは当サイトによる概算試算です。前提:リスクフリーレート1.7%(10年国債)、株式リスクプレミアム5.5%、β約1.2で株主資本コスト約8.3%、負債コスト税引後約0.9%、資本構成は時価総額と有利子負債8,612億円から算出(E:D=約72:28)。過去期はβ・株価水準の変化を踏まえた概算で、精緻な数値ではありません。
読み取れるのは、川崎重工は10年のうち大半でROICがWACCを下回ってきた会社であり、直近2期でようやく資本コストに追いついた段階だということ。ROEが13.4%と高く見えるのは自己資本比率が24.3%と低い(=レバレッジが効いている)ためで、ROIC6.2%との差はほぼ財務レバレッジで説明できる。この構造は、金利上昇局面では逆回転しうる点に注意が必要である。出典:stockanalysis.com Ratios、当サイト試算。
営業・投資・財務・フリーキャッシュフローの推移(直近10年間)
キャッシュフロー4種(2017年3月期〜2026年3月期、単位:億円)
営業CF 投資CF 財務CF FCF(営業+投資)
| 決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF | 現預金残高 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2017年3月期 | 935 | ▲649 | ▲158 | 286 | 507 |
| 2018年3月期 | 561 | ▲806 | 378 | ▲245 | 644 |
| 2019年3月期 | 1,098 | ▲853 | ▲198 | 245 | 683 |
| 2020年3月期 | ▲155 | ▲694 | 1,158 | ▲849 | 1,026 |
| 2021年3月期 | 346 | ▲374 | 231 | ▲28 | 1,222 |
| 2022年3月期 | 1,444 | ▲525 | ▲1,023 | 919 | 1,085 |
| 2023年3月期 | 970 | ▲729 | 74 | 241 | 1,384 |
| 2024年3月期 | 317 | ▲898 | 129 | ▲581 | 842 |
| 2025年3月期 | 1,489 | ▲1,112 | 96 | 377 | 1,328 |
| 2026年3月期 | 1,401 | ▲1,280 | ▲332 | 121 | 1,154 |
この表がこの銘柄の最大の論点である。10年間のFCF合計は約486億円——年平均わずか49億円で、同期間の純利益累計3,867億円とはまるで釣り合わない。営業CFが増えた分だけ投資CFも膨らんでおり、投資CFは10年間で▲649億円→▲1,280億円へ倍増している。
つまり川崎重工は、「利益は出るがキャッシュが手元に残らない会社」である。理由は3つ考えられる:①航空宇宙・エネルギー案件の運転資本負担が大きい、②水素・ロボットなど回収時期の見えない先行投資が恒常化している、③二輪の在庫サイクルが重い。
2026年7月に約1,937億円を公募増資・CBで調達したのも、この文脈で読むべきである。自己資金では成長投資を賄えないため外部資金を取りにいった、というのが実態に近い。「過去最高益」と「30年ぶりの増資」が同じ年に起きているのは矛盾ではなく、この会社のキャッシュ構造の必然だと考えられる。出典:The社史 川崎重工業、stockanalysis.com Cash Flow。※FCFは「営業CF+投資CF」で算出。設備投資のみを控除する定義(営業CF−CapEx)では2026年3月期441億円となります。
直近の投資・M&A状況
2026年に動いた主要案件
| 時期 | 案件 | 内容 | 読み筋 |
|---|---|---|---|
| 2026年5月 | NVIDIAとのフィジカルAI協業 | 米サンノゼに「Kawasaki Physical AI Center San Jose」を開設。NVIDIA・Microsoft・Analog Devices・富士通と協業 | 橋本社長の出身領域。ロボット単体売りから「AIで動くロボット」への転換を狙う |
| 2026年6月 | エアバスとの防衛ドローン提携 | Airbus Defence and Spaceと滞空型無人機「U950 Eurodrone」の対潜型検討で覚書を締結。最大40時間滞空 | P-1哨戒機で培った対潜戦システムの外販ルート。自衛隊向け提案が前提 |
| 2026年6月 | 中国の対日輸出規制強化 | 中国がドローンメーカー・原子力企業・防衛機関を対象に輸出管理リストを拡大 | 川重も含む日本の防衛関連企業へのサプライチェーンリスク |
| 2026年7月 | 約1,937億円の資金調達 | 公募増資(海外募集3,735万株、払込7月22日)+転換社債。30年ぶりの大型調達 | フィジカルAI・液化水素供給網へ投下。希薄化は約4.5% |
| 2026年7月 | NVIDIAとの「AI造船所」構想 | ロボットとAIエージェントによる造船現場の生産性改善 | 自社工場のDXを外販商材化する構想。実装はこれから |
出典:日本経済新聞「川重が1937億円の調達発表」「川崎重工、30年ぶり増資に込めた決意」「川崎重工、フィジカルAIでNVIDIAと協業」「川崎重工、エアバスと防衛ドローン」(いずれも2026年)、ロボスタ(2026年5月22日)、Reuters(2026年6月・7月)、航空新聞社 Aviation Wire。
主要事業ごとの成長性
セグメント利益(2026年3月期、単位:億円/前期比)
| セグメント | 売上(FY26/3) | 利益(FY26/3) | 利益率 | 利益(FY25/3) | 方向 |
|---|---|---|---|---|---|
| パワースポーツ&エンジン | 6,828 | 228 | 3.3% | 479 | ▲52.4%(米関税直撃) |
| 航空宇宙システム | 6,137 | 625 | 10.2% | 558 | +12.0%(最大の利益源) |
| エネルギーソリューション&マリン | 4,336 | 550 | 12.7% | 443 | +24.2%(最高利益率) |
| 精密機械・ロボット | 2,591 | 144 | 5.6% | 70 | +105.7%(半導体回復) |
| 車両 | 2,362 | 87 | 3.7% | 84 | +3.6%(横ばい) |
| その他 | 858 | 71 | 8.3% | 53 | +34.0% |
出典:The社史 川崎重工業 セグメント業績(the-shashi.com)、川崎重工業 各期決算説明資料。
競争優位性や業界内でのポジション
出典:川崎重工業 有価証券報告書(第203期)、The社史 川崎重工業、各社決算資料。
SCP理論からの分析(市場動向・規制リスク・業界トレンド)
Structure(市場構造)
結果として、川重が価格決定力を持つのは防衛と一部の二輪だけである。全社利益率6.3%という数字は、この市場構造の平均値としてほぼ妥当な水準に見える。
Conduct(企業行動・規制リスク)
規制リスクは3方向から来る。第一に米国の通商政策。IEEPA関税は前期にパワースポーツ事業の利益を半減させ、今期は還付で押し上げるという振れ幅を生んだ。関税は同社にとって最大の外部変数である。第二に中国の輸出管理。2026年6月に中国はドローン・原子力・防衛関連の日本企業へ輸出規制を拡大しており、部材調達リスクが顕在化した。第三に防衛調達をめぐるガバナンス規制。2024年の潜水艦裏金問題と舶用エンジン検査データ改ざんは、指名停止という形で直接的に収益を脅かしうる。防衛比率を高めるほど、この種のコンプライアンスリスクの重みは増す。
Performance(業界トレンド・帰結)
そしてSCPの帰結として重要なのは、構造的に価格決定力の弱い市場ばかりに立地している企業は、好況期の利益を将来の投資で使い切りやすいという点だ。10年間のFCF累計486億円という数字は、まさにその帰結を示している。追い風が止まったとき、この会社に何が残るのか——それがSCP分析から出てくる最大の問いである。
出典:川崎重工業 各期決算説明資料、CNBC「China widens Japan export curbs」(2026年6月)、Reuters、日本経済新聞。SCPの枠組み適用は当サイトによる解釈です。
これらの分析結果をもとにした現在の投資妙味
※本記述は公開情報の整理と当サイトの解釈であり、投資勧誘・投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
今後の注目ポイントやリスク要因
注目ポイント(カタリスト)
2027年3月期の受注予想は2兆4,200億円へ下方修正済み。第2四半期以降で上方修正されるか、さらに下振れするかが、来期以降の成長率を決める。
2026年6月の覚書が正式契約に進めば、防衛システムの海外輸出という新しい収益源が立ち上がる。日本の防衛装備移転の実績としても大きい。
2026年5月開設のサンノゼ拠点とNVIDIA協業から、具体的な受注・製品が出てくるか。精密機械・ロボットの利益率が5.6%から一段上がれば、増資の正当性が裏づけられる。
IEEPA関税の還付が続くのか、恒久的な関税として定着するのか。パワースポーツ&エンジンの利益(前期228億円)は、この一点で年間200億円以上振れる。
2026年3月期の配当は34.2円(分割調整後)、配当性向24.0%。過去最高益と自己資本比率の改善を受けて還元方針が引き上げられるかは、PBR維持の観点で重要。
リスク要因
PBR2.4倍は同社の歴史的レンジの上限。株価上昇の約4割は評価倍率の切り上がりによるもので、利益がピークアウトすればディレーティングが一気に進みうる。
10年FCF累計486億円。投資CFが年1,280億円まで膨らんでおり、営業CFがわずかでも落ちればFCFは即マイナスになる。追加の資金調達が必要になる可能性は残る。
自己資本比率24.3%、有利子負債8,612億円。ROE13.4%の相当部分はレバレッジ由来であり、金利上昇局面では利払い負担と資本コストの両方が効いてくる。
2024年の潜水艦裏金問題・舶用エンジン検査データ改ざんは記憶に新しい。防衛比率が上がるほど、指名停止のような制裁が業績に与えるインパクトは大きくなる。
2026年6月に中国がドローン・原子力・防衛関連の日本企業への輸出管理を強化。部材調達の途絶リスクと、中国建機市況(油圧機器)の低迷が同時に効く。
液化水素は2010年代から15年以上取り組んで、いまだ収益貢献がほぼゼロ。増資資金の投下先でもあり、遅延が続けば「先行投資」ではなく「埋没費用」と評価される。
最終更新:2026年8月27日。出典:川崎重工業 2027年3月期第1四半期決算短信・決算説明資料、有価証券報告書(第203期)、The社史、stockanalysis.com、日本経済新聞、Reuters、CNBC。