6146 東証プライム 機械

ディスコ

広島の砥石屋から始まり、半導体を「切る・削る・磨く」工程で世界シェア7〜8割を握る装置メーカーへ。営業利益率42%、無借金、自己資本比率79%。社内通貨Willによる個人単位の管理会計という異例の組織設計まで含めて、その収益構造を検証する。

01 / OVERVIEW

スナップショット

株価

60,070円

2026/8/20 時点

時価総額

約6.5兆円

自己株除き1億846万株ベース

PER(実績)

約48倍

実績EPS 1,249.8円ベース

PBR

約11倍

BPS 5,408円ベース

売上高

4,369億円

2026年3月期(+11.1%)

営業利益率

42.3%

2026年3月期(営業1,850億円)

自己資本比率

78.9%

有利子負債ゼロ(実質無借金)

保有株数

ポートフォリオ未登録

出典:ディスコ 2026年3月期決算短信(2026年4月22日)、2027年3月期第1四半期決算短信(2026年7月23日)、IR気象台(irweather.jp)、The社史(the-shashi.com/tse/6146)、株探。株価・時価総額・PERは日次で変動するため、売買前には必ず証券会社アプリ等で最新値をご確認ください。

02 / SEGMENT

事業ごと・国/エリアごとの売上高比率

製品別 出荷額構成(2026年3月期、出荷額ベース)

製品カテゴリ構成比通期YoY4Q QoQ中身
ダイサ(切断装置)31%+1%+23%ダイシングソー・レーザソー。生成AI/OSAT向けICが伸長
グラインダ(研削装置)28%+17%▲9%ウェーハ研削。パワー半導体向け減速の影響
周辺装置3%▲2%+69%洗浄・搬送等
精密加工ツール・その他約38%ブレード・研削ホイール等の消耗品、保守サービス
出荷額 合計4,428億円+10.3%過去最高

同社は単一セグメント(精密加工装置・精密加工ツール)で開示しており、上記は出荷額の内訳。精密加工ツール等の構成比は装置3カテゴリの残差から算出した概算です。出典:ディスコ 2026年3月期決算説明資料、IR気象台(irweather.jp)。

地域別・用途別の構造変化

海外売上比率は87.6%(4Q単独)と極めて高い。2026年3月期の台湾向けは1,173.8億円(前年比+57.8%)と急伸し、うちTSMC向けが482.4億円。中国向けは約1,350億円で底堅く推移、米国向けは455.5億円。台湾=先端ロジック/CoWoS、中国=成熟プロセスとパワー半導体、という需要の性格の違いがそのまま地域構成に表れている。

用途ミックスの劇的なシフト

グラインダの用途別IC比率はFY24 4Qの48%からFY25 4Qには76%へ+28pt。同じ期間に「その他半導体(=パワー半導体)」は22%→7%へ縮小した。ダイサのIC比率も62%→69%へ上昇。つまり、この2年で同社の需要構造はパワー半導体向けから生成AI/先端ロジック向けへ完全に入れ替わった。装置の総台数が伸びたというより、売り先が入れ替わりながら単価と付加価値が上がった、というのが実態に近い。
03 / HISTORY

創業からの歴史

1937年、関家三男氏が広島県呉市阿賀町で「第一製砥所」として創業。造船用の鋼材を切断加工するための砥石を作る会社だった。社名DISCOは「Dai-ichi Seitosho(第一製砥所)」に由来する。戦後は万年筆のペン先を加工するための極薄砥石で技術を磨き、この「薄く・精密に切る」という一点の技術が、後に半導体産業と出会うことになる。
最初の転換点は1975年である。それまで砥石(消耗品)だけを売っていた同社が、その砥石を装着する切断装置(ダイシングソー)を自社開発した。砥石・装置・使い方(アプリケーション)を一社で担う体制へ移行したこの判断が、現在に至る同社のビジネスモデルの原型になっている。装置を売って終わりではなく、装置が動き続ける限りブレードという消耗品が売れ続け、その最適な使い方は自社が最もよく知っている――という三重の囲い込みである。
二つ目の転換点は1992年の半導体拡散炉事業からの撤退だった。開発費約50億円の損失を計上したこの撤退は、同社が「自社の土俵ではない領域」を明確に切り離した経験として残る。1997年には「ディスコ・バリューズ」を制定し、事業領域を「切る・削る・磨く」に限定すると明文化した。多角化ではなく、一つの工程を極限まで深掘りする方向が、ここで制度として固定された。
三つ目は2007年、市況の谷でも黒字を保つ収益構造への作り替えである。半導体産業は典型的なシリコンサイクル産業で、装置メーカーの業績は上下に激しく振れる。同社は経費管理レベルという仕組みを導入し、市況が悪化した局面で自動的にコストが絞られる設計を組み込んだ。この体質改善が、リーマンショック後もコロナ禍も黒字を維持できた背景にある。
四つ目が2011年の個人Will会計である。1993年に部門別管理会計、2003年に社内通貨Willによる部門Will会計と段階を踏み、2011年についに会計単位を個人まで分解した。社内の仕事はオークション形式で落札され、嫌がられる仕事ほど落札価格が上がる。2014年度からWill収支が賞与の3%分に反映され、現在は賞与配分に直結している。単体の平均年間給与は2014年3月期の688万円から2026年3月期には1,879万円へ2.7倍になった。
そして2020年代、生成AIブームが同社を主役に押し上げた。HBM(広帯域メモリ)の積層、CoWoSなどの先端パッケージングは、いずれもウェーハを極限まで薄く削り、精密に切る工程を必要とする。連結売上高は2011年3月期の997億円から2026年3月期の4,369億円へ4.4倍、連結従業員数は2,565人から5,547人へ倍増した。株価は2025年4月の52週安値22,640円から2026年4月には73,000円台まで約+222%上昇している。

出典:The社史 ディスコ(the-shashi.com/tse/6146)、ディスコ公式サイト 社史、週刊東洋経済 2014年4月18日号、有価証券報告書。

04 / MISSION, VISION, VALUE

ミッション・ビジョン・バリュー

1997年制定の「ディスコ・バリューズ」が同社の理念体系の中核である。上位の理念だけで18項目、その解釈は300以上に細分化されている。筆頭に置かれるのが「切る、削る、磨く技術によって遠い科学を身近な快適につなぐ」という一文で、事業領域をこの3つの動詞に限定することが理念のレベルで宣言されている。
特筆すべきは、バリューズの中に「売上やシェア、規模の拡大を成長とはしない」という一節があることだ。上場企業がこれを明文化するのは異例である。だがこの一文があるからこそ、会計の単位を個人まで割っても物差しがぶれなかった、という見方ができる。何を成果と呼ぶかを先に決めていたため、社内市場を作っても評価が迷走しなかった。
理念を実装する仕組みがWill会計とPIM活動である。Willは社内通貨で、業務・サービス・備品をすべて金額に換算して収支を管理する。他者へ業務を依頼するときにはWillを支払う。仕事はオークション形式で落札され、工数や難易度で値が動く。PIM(Performance Innovation Management)はカイゼン活動を部署・業務単位の目標に落とし込む仕組みで、全部署に年5%以上の構造的な経費削減が課されている。
設計上の要点は、Will会計を人事評価制度から切り離していることである。会社は公式に「Will会計はあくまで管理会計制度であり、人事評価は別の制度で行う」と明記している。誰にいくら払うかではなく、どの仕事にいくらの価値があるかを社員同士に決めさせる。嫌がられる仕事ほど落札価格が上がる設計は、上司の裁量で処理してきた不公平を価格へ移す試みだった。賞与への反映も2014年度の3%から段階的に太くしており、一度に効かせない進め方をとっている。
関家一馬社長自身は、この仕組みの目新しさを誇らない。「ユニークであることは狙っていない、ある課題に対するベストな解決策がたまたまユニークだった」「Will制度の本質は、社員それぞれが日常の企業活動を自分のこととして考えるかどうか」と述べている。目的は制度の派手さではなく当事者の数を増やすことに置かれている。ただし、この仕組みが直接的に業績を作ったとまでは言い切れない。2011年3月期から2026年3月期にかけての4倍超の増収は、半導体そのものの需要に多くを負っている。Will会計が支えたのは利益の額というより、市況が振れても社員が自分の持ち場の収支を見続ける習慣だったと見るのが妥当だろう。

出典:ディスコ公式サイト「Will会計」「人的資本戦略」、The社史「社内通貨Willによる個人単位の管理会計の導入」(the-shashi.com)、週刊東洋経済 2014年4月18日号、日経ビジネス。

05 / LEADERSHIP

現経営者の特徴・過去の実績(レジリエンスの観点)

代表取締役社長CEOは関家一馬氏。1966年生まれ、1988年に慶應義塾大学理工学部を卒業、米国留学を経て1989年にディスコへ入社した。創業者・関家三男氏の孫にあたるオーナー家3代目である。入社後はソフトウェアのエンジニアとして働き、3年目には新規事業を担当するXプロジェクトのリーダーに就任。1995年に取締役、2002年に常務、2009年4月から社長を務めている(現職は2017年6月から)。在任17年を超える長期政権である。
同氏の問題意識は一貫している。若い頃から「現場の意見が経営陣に届いていない、中間層がバイアスをかけている」という違和感を持ち続けてきたと本人が語っている。常務時代には先代の溝呂木斉社長のもとで、従業員満足度を重んじた年5回のアンケートや、働きがいの開発に特化した部署の設置に関わった。一部の役員から「やりすぎではないか」と言われながらも手応えを得て、社長就任後にこの方向へさらにアクセルを踏み込んだのが個人Will会計である。
レジリエンスの観点では、同社の強みは「危機を乗り越えた」というより「危機が来ても壊れない構造をあらかじめ作っていた」点にある。1992年の拡散炉事業撤退(約50億円の損失)、2007年の経費管理レベル導入による市況耐性の作り込み、そして「売上やシェアの拡大を成長とはしない」というバリューズ。半導体装置という典型的なシリコンサイクル産業にありながら、直近10年で営業赤字を一度も出していない(最も苦しかった2020年3月期でも営業利益365億円・利益率25.8%)。これは業界内で極めて異例である。
オーナー経営の性格も見逃せない。関家氏は「株主だけを重視する経営はしていない、ステークホルダーはすべて大事であり、特に従業員が気持ちよく働けることが何より重要だ」と述べる一方で、「オーナー家なので誰よりも株価を真剣に考えている、三十年後によい会社を残したい」とも語っている。賞与への反映を数年かけて太くするような進め方は、短い評価サイクルの下では選びにくい。長期の時間軸を持てる資本構造が、制度実験を可能にしているという関係である。
留意点としては、①在任17年超という長期政権ゆえの後継者リスク、②オーナー家主導の意思決定に対する外部からの牽制の効きにくさ、③平均年収1,879万円という高水準の人件費が業績連動で振れる構造(市況悪化時には社員の実収入も大きく下がる)が挙げられる。また同社は通期業績予想を開示せず、四半期先のみを開示する方針をとっており、これは市況変動の大きさに対する誠実な姿勢とも、投資家にとっての情報の乏しさとも読める。

出典:The社史 ディスコ 関家一馬(the-shashi.com)、日経ビジネス、日本経済新聞、週刊東洋経済 2010年6月19日号・2014年4月18日号、有価証券報告書。

06 / LATEST EARNINGS

直近決算の予想・ガイダンスに対する結果

2027年3月期 第1四半期(2026年4〜6月)実績 vs 会社ガイダンス

指標会社ガイダンス実績達成率前年同期比
売上高1,061億円1,143億円107.7%+27.1%
営業利益420億円490億円116.7%+42.2%
経常利益423億円484億円114.5%+42.5%
四半期純利益295億円342億円116.0%+44.0%
営業利益率39.6%42.9%前年同期38.3%から+4.6pt
個別出荷額1,165億円+25.3%(四半期最高)

2027年3月期 上期予想(従来「未定」から新規開示)

指標前年同期実績今期予想増減率
上期 売上高1,945億円2,428億円+24.8%
上期 営業利益789億円1,049億円+33.0%
上期 経常利益795億円1,048億円+31.9%(3期連続で上期最高益)
上期 純利益559億円738億円+32.0%
上期 配当129円171円+42円の増配
通期予想未開示「四半期先のみ開示」方針
2026年3月期通期は売上4,369億円(+11.1%)・営業利益1,850億円(+10.9%)・純利益1,355億円(+9.4%)で6期連続の最高益更新。会社予想(売上4,190億円・営業1,721億円)に対しても売上104.3%・営業107.5%と上回った。最大のサプライズは期末配当で、会社予想308円に対し実績376円(年間505円、+22.3%)。同社の配当方針は「①連結下期純利益×25%」「②安定配当(半期10円)」「③追加配当=余剰資金÷3」の3階建てで、年度末の余剰資金624億円に対して③が機械的に発動した結果である。
続く2027年3月期1Qも会社ガイダンスを全項目で上回り、営業利益はガイダンス比+16.7%・前年同期比+42.2%で着地した。従来「未定」としていた上期予想も新規開示され、経常利益で前年同期比+31.9%と3期連続の上期最高益を見込む。上期配当も129円→171円へ42円の増配。生成AI向けを中心に、先端ロジックとHBM向けの高付加価値製品の出荷が好調に推移している。
ここで投資家として押さえておくべきは、「好決算でも株価が下がる」局面を既に経験している点である。2026年4月22日の本決算は売上・利益・配当・翌期ガイダンスの四重サプライズだったにもかかわらず、翌営業日の株価は寄付+2.0%のギャップアップから場中一貫して売られ、終値▲3.78%で引けた。出来高は直前の1.6倍。決算前のPER62.5倍・PBR14.6倍という水準が「業績の伸びがバリュエーションに追いつかない」構造を作っており、52週で+222%上昇してきた相場では好材料が段階的に織り込まれていた、というのが背景である。業績を評価することと、株価が上がることは別の問題だという教科書的な事例と言える。

出典:ディスコ 2027年3月期第1四半期決算短信(2026年7月23日)、株探(kabutan.jp)、ディスコ 2026年3月期決算短信(2026年4月22日)、IR気象台(irweather.jp)。

07 / REVENUE & PROFIT

売上高・利益の推移(直近10年間)

売上高(白)・営業利益(グレー)の推移(2017年3月期〜2026年3月期、単位:億円)

FY17 FY18 FY19 FY20 FY21 FY22 FY23 FY24 FY25 FY26
決算期売上高営業利益営業利益率局面
2017年3月期1,34231323.3%
2018年3月期1,67451030.5%メモリ投資ブーム
2019年3月期1,47538626.2%米中摩擦・メモリ調整
2020年3月期1,41136525.8%10年で最も苦しい年でも利益率25.8%
2021年3月期1,82953129.0%コロナ後の巣ごもり需要
2022年3月期2,53891536.1%半導体不足による設備投資ラッシュ
2023年3月期2,8411,10438.9%パワー半導体(SiC)向けが牽引
2024年3月期3,0761,21539.5%生成AI需要の立ち上がり
2025年3月期3,9331,66842.4%HBM・先端パッケージング本格化
2026年3月期4,3691,85042.3%6期連続最高益

10年間で売上高は3.3倍、営業利益は5.9倍。売上総利益率は70.1%(2026年3月期)と、装置メーカーとしては突出して高い。税引前利益は経常利益とほぼ一致(2026年3月期:経常1,849億円 vs 営業1,850億円)しており、営業外・特別損益の振れがほとんどない点も同社の特徴です。出典:ディスコ 各期決算短信、株探、IRBANK。

営業利益率の推移(2017年3月期〜2026年3月期、単位:%)

23.3 FY17 30.5 FY18 26.2 FY19 25.8 FY20 29.0 FY21 36.1 FY22 38.9 FY23 39.5 FY24 42.4 FY25 42.3 FY26

最も注目すべきはこのグラフである。10年間で最低の年(2017年3月期)ですら23.3%。半導体装置というシリコンサイクルの直撃を受ける業種で、この下限の高さは異例である。2007年に導入された経費管理レベルという仕組みが、市況悪化局面で自動的にコストを絞る設計として機能している。

08 / VALUATION

PERの推移とバリュエーション

把握できているPER・PBRの定点

時点株価PER(実績)PBR備考
2025年4月(52週安値)22,640円約20倍実績EPS 1,143.3円ベースの概算
2026年4月21日(決算前)74,240円62.5倍14.6倍IR気象台の記載値
2026年4月24日71,700円約57倍実績EPS 1,249.84円ベース
2026年8月20日60,070円約48倍約11倍実績EPS 1,249.8円・BPS 5,408.1円ベース

同社は通期業績予想を開示していないため(四半期先のみ開示方針)、予想PERは市場コンセンサスに依存し、公式には存在しません。上記はすべて実績EPSベース。10年分の連続したPER推移は本稿の調査範囲では信頼できるデータ系列を確認できなかったため、確度の高い定点のみを掲載しています。次回更新時に反映予定。

2026年4月の高値74,240円(PER62.5倍)から8月20日の60,070円(PER約48倍)まで、約19%の調整が入っている。この間、業績は1Qでガイダンスを全項目上回り、上期予想も前年比+32%が開示された。つまり業績が上振れる一方で株価が下がり、バリュエーションだけが切り下がった局面である。
セクター内での相対比較で見ると、決算前時点でのPER62.5倍はASML約31倍、東京エレクトロン約25倍に対して突出していた。48倍まで下がってなお、この差は大きい。プレミアムの根拠は、①ダイシング・グラインディングでの世界シェア7〜8割という寡占度、②営業利益率42%・粗利率70%という収益性、③消耗品(ブレード・ホイール)による安定収益、の3点である。逆にディスカウント要因は、①シリコンサイクルの循環性、②通期ガイダンス非開示による予見可能性の低さ、③台湾・TSMCへの依存度上昇、が挙げられる。
なお配当利回りは年間505円(2026年3月期)に対し株価60,070円で約0.84%。配当性向は40.4%と、以前の36.1%から引き上げられている。同社の「余剰資金÷3」という追加配当ロジックはBSから事前に試算可能で、現預金2,846億円という水準を踏まえると、今後も余剰資金の還元が続く可能性が高い。バリュエーションを支える一つの要素である。
09 / CAPITAL RETURNS

ROIC・WACC・ROEの推移

資本効率指標

決算期ROEROICROA自己資本比率WACC(概算)ROIC − WACC
2025年3月期27.6%約8〜10%大幅な価値創出
2026年3月期25.1%約27.0%19.4%78.9%約8〜10%+17〜19pt

ROEは決算短信ベース、ROIC・ROAは決算短信からの外部試算(実効税率30%、余剰現金10%と仮定)。WACCは当サイトによる概算で、リスクフリーレート約1.5〜1.8%、株式リスクプレミアム約6%、半導体装置セクターの高ベータ(1.1〜1.4程度)を前提に置いた粗い推計です。同社は有利子負債ゼロのため、WACCは実質的に株主資本コストと一致します。精緻な資本コストの算定は行っていません。ROIC・ROE・自己資本比率の10年連続系列は次回更新時に有価証券報告書から整備予定。

同社の資本効率を読むうえで最も重要なのは、「自己資本比率78.9%・有利子負債ゼロでROE25%」という組み合わせである。通常、ROE25%を達成するには財務レバレッジを効かせるか、資産を絞るかのどちらかが必要になる。同社はそのどちらもせずに、純粋な事業収益性だけでこの水準に到達している。ROA19.4%という数字がそれを裏づけており、レバレッジ倍率はわずか1.3倍程度にすぎない。
ROIC約27%に対してWACC概算8〜10%、スプレッドは17〜19ポイント。これは日本の上場企業の中でも最上位クラスの価値創出である。源泉は明快で、①粗利率70.1%という価格決定力(=寡占)、②装置販売後に続く消耗品・保守という継続収益、③投下資本が相対的に軽い(工場は持つが、装置メーカーは半導体メーカーほど巨額の設備を必要としない)の3点に尽きる。
留意点は、ROEが2025年3月期27.6%→2026年3月期25.1%へ低下していることである。利益は+9.4%伸びたが、自己資本がそれ以上に積み上がったためで、これは高収益企業が必然的に直面する「資本の滞留」問題である。同社は配当性向を36.1%→40.4%へ引き上げ、余剰資金の1/3を追加配当に回すロジックを機械的に発動させることで対応している。設備投資(2027年3月期約330億円)と研究開発(約360億円)も積極的だが、営業CF1,335億円に対しては十分に吸収できる規模であり、今後もROEを維持するには還元の強化が必要になる構造である。
10 / CASH FLOW

営業・投資・財務・フリーキャッシュフローの推移

キャッシュフロー(2026年3月期、単位:億円)

項目金額内容
営業CF+1,335営業利益1,850億円に対し、運転資本の増加分を吸収してなお強力
投資CF▲1,358設備投資(羽田R&Dセンター新棟・広島郷原新工場)+定期預金の積み増し
財務CF▲450配当支払いが中心(有利子負債ゼロのため返済はない)
FCF▲22一時的にマイナスだが、定期預金積み増しを除けば実質プラス
現金及び預金(期末)2,846前期末比+554億円。有利子負債ゼロ、ネットD/Eレシオ▲0.5倍

2017年3月期〜2025年3月期のCF内訳は本稿の調査範囲では一次資料の連続系列を確認できなかったため掲載していません。数値の推測は行わず、次回更新時に有価証券報告書から補完する予定です。出典:ディスコ 2026年3月期決算短信。

FCFが▲22億円と見出しだけ見ると不安になるが、中身を分解すれば投資CFの大半は定期預金の積み増し(=現金の置き場所の変更)と成長投資である。現金及び預金は前期末比+554億円増えて2,846億円に達しており、実質的なキャッシュ創出力は毀損していない。むしろ「稼いだキャッシュをどこに置くか」が課題になっている段階である。
設備投資の中身は羽田R&Dセンター新棟と広島郷原新工場で、2027年3月期は約330億円を計画。研究開発費は約360億円と、CAPEXより大きい。装置メーカーとしては研究開発に厚く、設備に軽いという配分で、これが投下資本の軽さ=高ROICにつながっている。棚卸資産は商品及び製品390億円・仕掛品431億円・原材料592億円で、需要拡大局面としては適正水準で滞留は見られない。
リスクの観点で見るべきは、有形固定資産が2,232億円(前期比+192億円)と増加していることである。市況が反転して稼働率が下がれば、この固定費が利益率を押し下げる。ただし同社は2007年以降、市況の谷でも黒字を保つ収益構造を作り込んでおり、直近10年で最も苦しかった2020年3月期でも営業利益率25.8%を維持した実績がある。この「下限の高さ」が、装置メーカーとしての最大の安全弁である。
11 / INVESTMENT & M&A

直近の投資・M&A状況

同社の資本配分は、日本の大手製造業としては珍しく「M&Aをほとんどしない」のが特徴である。1992年の半導体拡散炉事業からの撤退(開発費約50億円の損失計上)以降、事業領域を「切る・削る・磨く」に限定するというバリューズが制度として機能しており、隣接領域への買収による多角化を志向していない。成長は一貫して自社開発と自社工場の増強によって実現されてきた。
2027年3月期の投資計画は、設備投資 約330億円(羽田R&Dセンター新棟、広島郷原新工場を含む)、研究開発費 約360億円。R&DがCAPEXを上回るという配分は、同社の競争優位が装置の物理的な生産能力ではなく、加工技術のノウハウそのものにあることを示している。営業CF1,335億円に対して合計690億円の投資であり、財務的な負担は軽い。
残るキャッシュは株主還元に向かう。配当方針は3階建てで、①業績連動部分(連結下期純利益×25%)、②安定配当(半期10円)、③追加配当(余剰資金÷3)。2026年3月期の期末配当376円は、①の184円に対し③が192円上乗せされた結果である。余剰資金の計算は、年度末現預金2,185億円(実質残高)から必要資金1,561億円(運転資金728+技術購入予備320+税金・配当349+設備拡張164)を差し引いた624億円の1/3=208億円という、公式に明文化されたロジックに基づく。投資家がBSから事前に試算できる透明性の高い設計である。
この資本配分の姿勢を一言でまとめれば、「本業に必要な分だけ投資し、余ったら返す」という徹底ぶりである。M&Aによる規模拡大を追わないことは、成長機会を取り逃がすリスクでもあるが、「売上やシェア、規模の拡大を成長とはしない」というバリューズと完全に整合している。理念と資本政策が一致している企業は、実のところそう多くない。

出典:ディスコ 2026年3月期決算短信・剰余金の配当に関するお知らせ(2026年4月22日)、IR気象台、The社史。

12 / SEGMENT GROWTH

主要事業ごとの成長性

用途別ミックスの変化(グラインダ・ダイサの用途別IC比率)

指標2025年3月期4Q2026年3月期4Q変化意味
グラインダ 用途別IC比率48%76%+28pt先端ロジック・HBM向けへの大転換
グラインダ「その他半導体」比率22%7%▲15ptパワー半導体(SiC等)の減速が顕在化
ダイサ 用途別IC比率62%69%+7pt生成AI/OSAT向けICが伸長

出典:ディスコ 2026年3月期決算説明資料、IR気象台。

ダイサ(切断装置・出荷額構成比31%):通期の伸びは+1%と横ばいに見えるが、4Q単独ではQoQ+23%と急加速している。生成AI/OSAT(後工程受託)向けICが牽引役。チップレット・先端パッケージングの普及で、1枚のウェーハから切り出すチップの精度要求が上がっており、レーザソーを含む高付加価値機の比率が上昇している。
グラインダ(研削装置・構成比28%):通期+17%と装置3カテゴリで最も伸びたが、4Q単独ではQoQ▲9%。用途別で見ると、パワー半導体向けが22%→7%へ縮小した一方、IC向けが48%→76%へ拡大した。成長の中身が入れ替わりながら総量は伸びているという構図である。HBMのウェーハ薄化工程は同社の得意領域であり、積層数が増えるほど1枚あたりの研削工程も増える。
精密加工ツール(ブレード・研削ホイール等):装置に装着する消耗品を自社製造・販売している点が、同社のビジネスモデルの核心である。装置が稼働している限り消耗品の需要が継続するため、装置の設置台数(インストールベース)の累積がそのまま安定収益になる。市況が悪化して新規装置の販売が落ちても、既設装置が動いている限りツールは売れる。これが2020年3月期でも営業利益率25.8%を維持できた理由の一つである。粗利率70.1%という高さも、装置単体では説明がつかない。
成長ドライバーの本質:同社の成長は「半導体の生産数量」よりも「1枚のウェーハに施される加工工程の数」に連動する。HBMは何層も積層するために薄化と切断を繰り返し、CoWoSはインターポーザを含む複数の基板を精密に加工する。チップが複雑になるほど、切る・削る・磨く回数が増える。生成AIが半導体の設計を複雑化させている限り、同社の需要は数量成長を上回るペースで伸びる構造にある。逆に、パッケージング技術のパラダイムが変わって加工工程が減れば、この前提は崩れる。
13 / COMPETITIVE POSITION

競争優位性や業界内でのポジション

同社はダイシング装置で世界シェア7〜8割、研削装置(グラインダ)で6〜7割を握るとされる。半導体製造装置の中でも、これほど一社に集中している工程は珍しい。競合として東京精密がダイシング装置で次点のシェアを持つが、差は大きい。
この寡占を支えているのが、1975年に確立した「砥石・装置・アプリケーション」の三位一体モデルである。装置を売り、その装置に装着するブレード・研削ホイールという消耗品も自社で作り、さらに顧客ごとの最適な加工条件(使い方)まで自社が握る。顧客が他社装置に切り替えようとすれば、装置だけでなく消耗品の調達先も加工レシピも全部作り直しになる。スイッチングコストが工程全体に張り巡らされている構造で、これが7割超のシェアを長期にわたって維持できている理由である。
第二の優位性は技術の累積性である。ウェーハを削る・切るという作業は、要求される精度が年々上がり続けている。HBMのウェーハ薄化では数十μmまで削り、それでも割れないよう制御する必要がある。この領域のノウハウは論文や特許だけでは移転しにくく、実際の量産ラインでの試行錯誤の蓄積に依存する。同社が研究開発費(約360億円)を設備投資(約330億円)より厚く配分しているのは、この累積を止めないためである。
第三に、顧客ポジションの良さ。同社の装置は前工程・後工程の境界領域にあり、TSMCのような先端ファウンドリからOSAT(後工程受託)、メモリメーカーまで幅広い顧客層を持つ。2026年3月期の台湾向けは1,173.8億円(+57.8%)でうちTSMC向け482.4億円、中国向け約1,350億円、米国向け455.5億円。特定顧客への依存度が過度に高くない点は、装置メーカーとしては強みである。
弱点は3つ。①シリコンサイクルからは逃れられない。装置需要は半導体メーカーの設備投資計画に従属しており、投資が止まれば新規装置の販売は急減する。②台湾比率の上昇。TSMC向けの伸びは追い風だが、地政学リスクと表裏一体である。③中国向けの規制リスク。約1,350億円という規模は、米国の対中規制が強化されれば直接影響を受ける水準にある。ただし現時点では前期1,254億円→当期1,350億円と底堅く推移している。

出典:ディスコ公式サイト よくあるご質問、半導体業界サイト各種、IR気象台、The社史。

14 / SCP ANALYSIS

SCP理論からの分析(市場動向・規制リスク・業界トレンド)

Structure(市場構造)

半導体製造装置市場全体は、ASML(露光)、アプライドマテリアルズ、ラムリサーチ、東京エレクトロン、KLAといった巨人が工程ごとに棲み分ける寡占構造をとる。その中で「切る・削る・磨く」というニッチ工程をディスコがほぼ独占している。工程別の寡占という点ではASMLのEUV独占に近い構造である。

参入障壁は極めて高い。①加工ノウハウの累積性、②装置+消耗品+アプリケーションの一体提供によるスイッチングコスト、③顧客の量産ラインに組み込まれた実績(歩留まりに直結する工程で、新規参入品を試す動機が顧客側にない)。

買い手集中度は上昇傾向にある。TSMC、サムスン、SKハイニックスといった先端メーカーへの需要集中が進んでいるが、供給側がほぼ一社である以上、交渉力は依然として売り手に傾いている。粗利率70.1%・営業利益率42.3%という水準が、その力関係を数字で証明している。

Conduct(企業行動・規制リスク)

同社の行動原理は「領域を広げない」「M&Aをしない」「R&Dに厚く配分する」「余ったら返す」の4点に集約される。1997年のバリューズで事業領域を3つの動詞に限定して以来、この行動は一貫している。

組織面では個人Will会計とPIM活動により、全部署に年5%以上の経費削減が課され、市況の谷でもコストが自動的に絞られる。不況耐性が組織設計に埋め込まれているという点が、他の装置メーカーとの最大の違いである。

情報開示の面では、通期業績予想を出さず四半期先のみを開示する方針をとる。市況変動の大きさに対する誠実さとも、投資家にとっての予見可能性の低さとも読める。

規制リスク:①米国の対中半導体規制。中国向け約1,350億円が対象になり得る。②HBM関連の輸出規制強化。③日本政府の輸出管理措置。④台湾海峡の地政学リスク(台湾向け1,174億円、TSMC向け482億円)。同社は特定国への依存が突出しているわけではないが、規制は装置メーカーを直撃する形で設計されることが多い。

Performance(業界トレンド・帰結)

結果として、営業利益率42.3%・ROE25.1%・ROIC約27%・自己資本比率78.9%・有利子負債ゼロという、日本の製造業では稀に見る財務プロファイルが実現している。SCPの枠組みで言えば、「ニッチ工程の独占(Structure)」と「領域を広げない規律(Conduct)」の掛け算が、この収益性を生んでいる。

業界トレンドとして最も重要なのは、ムーアの法則の減速がディスコにとっては追い風であるという点である。微細化が限界に近づくにつれ、性能向上の手段はチップレット、3D積層、先端パッケージングへ移行した。HBMは何層も積層し、CoWoSは複数の基板を精密に貼り合わせる。これらはすべて「切る・削る・磨く」工程を増やす。露光装置の微細化競争が鈍る一方で、後工程の加工工程は増え続けるという構造変化が、同社の追い風になっている。

リスクシナリオは2つ。①シリコンサイクルの反転。生成AI投資が一巡すれば装置需要は急減する。ただし消耗品収益が下支えする構造があり、2020年3月期でも営業利益率25.8%を維持した実績がある。②パッケージング技術のパラダイム転換。加工工程を減らす技術(例えばウェーハレベルでの一体成形の進展)が普及すれば、需要の前提が崩れる。現時点でその兆候は見えないが、独占的地位が長く続く企業ほど、技術的断絶に対する脆弱性は蓄積する。
15 / INVESTMENT THESIS

これらの分析結果をもとにした現在の投資妙味

強気側の論拠。第一に、事業の質が突出している。ダイシング7〜8割・研削6〜7割という世界シェア、粗利率70.1%、営業利益率42.3%、有利子負債ゼロで自己資本比率78.9%、ROE25%。この組み合わせを持つ日本の製造業はほとんど存在しない。第二に、下限の高さ。直近10年で最も苦しかった2020年3月期でも営業利益率25.8%を維持した。シリコンサイクル産業でありながら、谷が浅い。第三に、需要構造が「半導体の数量」ではなく「加工工程の数」に連動しており、チップの複雑化が続く限り数量成長を上回る伸びが期待できる。
弱気側の論拠。第一に、バリュエーション。実績PER約48倍・PBR約11倍は、ASML約31倍・東京エレクトロン約25倍と比べて依然として大きなプレミアムである。事業の質が高いことと、その質が株価に十分織り込まれていることは別の話である。第二に、「好決算でも下がる」という実証。2026年4月の四重サプライズ決算に対して株価は翌営業日▲3.78%で反応した。業績予想と株価の方向が一致しない局面が既に発生している。第三に、通期ガイダンス非開示という予見可能性の低さ。投資家は四半期ごとに手探りで先を読む必要があり、サプライズの振れ幅が構造的に大きい。
総合的な見立て。この銘柄は「クオリティ企業だが、クオリティに対して適正な価格を払っているかは別問題」という典型例である。事業そのものに文句をつける余地はほとんどない。問題は48倍というPERが織り込んでいる将来と、実際の将来がどれだけ一致するかにある。

判断の分かれ目は、「生成AI由来の需要が構造変化なのか、循環なのか」という一点に集約される。構造変化(=チップの複雑化が不可逆)と見るならプレミアムは正当化され得るし、循環(=投資が一巡すれば戻る)と見るなら48倍は明確に高い。ここは事実で決着がつく問題ではなく、時間軸の置き方の問題である。

実務的には、①用途別IC比率(グラインダ76%)がさらに上がるか頭打ちになるか、②中国向け約1,350億円が規制で削られないか、③四半期ごとのガイダンス達成率、の3点を追い続けるのが最も情報効率が高い。同社は通期予想を出さない代わりに、毎月の個別売上高・出荷額を速報で開示しており、先行指標の粒度は極めて細かい。この開示を追える投資家にとっては、むしろ情報優位を作りやすい銘柄と言える。

※ 本記述は公開情報に基づく分析であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

16 / WATCH POINTS & RISKS

今後の注目ポイントやリスク要因

注目ポイント(カタリスト)

① 月次の個別売上高・出荷額速報:同社は四半期ごとに個別売上高と出荷額の速報を開示している。通期予想がない代わりに、この速報が最も鮮度の高い先行指標。2027年3月期1Qの個別出荷額1,165億円(+25.3%)は四半期最高。

② HBM・先端パッケージング案件の本格立ち上がり:IRコメントで先端パッケージング比率が言及されるかが焦点。

③ 追加配当ロジックの継続性:中間決算時の現預金残高と必要資金の見直し開示。「余剰資金÷3」は事前試算が可能なため、BSを追えば配当を先読みできる。

④ 用途別IC比率:グラインダのIC比率76%がさらに上昇するか。パワー半導体(現在7%)の底打ちも注目。

⑤ 台湾・TSMC向けの推移:1,173.8億円(+57.8%)、うちTSMC向け482.4億円。CoWoS増設計画との連動を確認。

⑥ 新工場の立ち上がり:羽田R&Dセンター新棟、広島郷原新工場。生産能力の制約が需要を取り逃がしていないか。

リスク要因

① バリュエーション:実績PER約48倍・PBR約11倍。ASML31倍・東エレク25倍に対する大幅プレミアム。好決算でも株価が下落した実例(2026年4月23日▲3.78%)がある。

② シリコンサイクルの反転:半導体装置は循環産業。生成AI投資が一巡すれば装置需要は急減する。ただし消耗品収益と経費管理レベルが下支えする構造はある。

③ 米国の対中半導体規制:中国向け約1,350億円が対象になり得る。HBM関連の規制強化も直撃リスク。

④ 台湾集中と地政学:台湾向け1,174億円、TSMC向け482億円。台湾海峡の緊張は業績と株価の双方に影響。

⑤ 通期ガイダンス非開示:予見可能性が構造的に低く、四半期ごとのサプライズ幅が大きい。信用買残の膨張と重なると値動きが荒くなる。

⑥ 為替感応度:1USD=1円の変動で年間17億円の影響。2027年3月期1Qは1USD=157円の円安前提であり、為替反転時の下振れリスクがある。

⑦ 固定費の増加:有形固定資産2,232億円(+192億円)、平均年収1,879万円。市況悪化時の固定費負担。ただし賞与の業績連動比率が高く、人件費は自動的に調整される設計になっている。

⑧ 長期政権と後継者:関家一馬氏の社長在任は17年超。オーナー家経営ゆえの継続性は強みだが、承継の設計は開示が薄い。

出典:ディスコ 2027年3月期第1四半期決算短信(2026年7月23日)、2026年3月期決算短信・決算説明資料(2026年4月22日)、IR気象台(irweather.jp)、株探、The社史。