スナップショット
株価
1,096円
2026/8/26終値
時価総額
125.9億円
東証グロース・超小型株
PER(実績/予想)
14.3倍 / 13.0倍
グロース市場としては異例の低さ
保有株数
―
未確認
売上高(2026年3月期)
71.5億円
前期比+19.7%
経常利益(同)
13.1億円
利益率18.3%・前期比+43.4%
リカーリング売上比率
98.9%
売上のほぼ全てが継続課金
自己資本比率
77.3%
実質無借金・現預金約49億円
事業ごと・国/エリアごとの売上高比率
サービス別 売上高構成比(2026年3月期)
会計上は「モバイルIoT支援事業」の単一セグメントで、開示上は2つのサービスに分けられる。
ここで注意すべき点がある。市場は同社を「IoT銘柄」として見がちだが、実際にはMVNEサービスが売上の72.2%を占める。しかもこの比率は2024年3月期の67.2%からむしろ上昇している——つまり直近2年で伸びたのはIoTではなくMVNEの方である。IoT/DXプラットフォームサービスの売上は2024年3月期17.6億円から2026年3月期約19.9億円へ+13%、対してMVNEは約36.1億円から約51.6億円へ+43%。会社が「中長期の成長事業」と位置づけるIoTは、まだ数字の主役ではない。出典:ミーク 2026年3月期決算説明(ログミーファイナンス)、事業計画及び成長可能性に関する事項(2025年3月21日)。
国・エリア別
顧客属性の変化(MVNEサービスの顧客数に占める内訳)
| 時期 | 通信事業者 | 非通信事業者 | コメント |
|---|---|---|---|
| 2014年3月期(事業承継前) | 100.0% | 0.0% | ソニーNC時代。純粋な格安SIM支援 |
| 2020年3月期 | 91.7% | 8.3% | ― |
| 2024年3月期 | 68.4% | 31.6% | 訪日外国人向け、独自経済圏構築など |
この表が示すのは顧客の質的な変化である。かつては格安SIM事業者(MVNO)だけが顧客だったが、いまはファミリーマート、プロ野球球団、カブ&ピースといった「通信を本業としない企業が自社ブランドのモバイルサービスを持ちたい」という需要が3割強を占める。市場全体(独自サービス型SIMのスマホ向け)は2021年から漸減しているのに同社のMVNEが伸びているのは、この非通信事業者の取り込みによる。出典:ミーク 事業計画及び成長可能性に関する事項(2025年3月21日)。
創業からの歴史
出典:ミーク「事業計画及び成長可能性に関する事項」(2025年3月21日、ir.meeq.com)、証券リサーチセンター 新規上場会社紹介レポート(holistic-r.org)。
ミッション・ビジョン・バリュー
出典:ミーク株式会社 公式サイト(meeq.com)、IR情報 メッセージ(ir.meeq.com)、事業計画及び成長可能性に関する事項(2025年3月21日)。
現経営者の特徴・過去の実績(レジリエンスの観点)
出典:ミーク「事業計画及び成長可能性に関する事項」マネジメントチーム(2025年3月21日)、2026年3月期決算説明(ログミーファイナンス)。
直近決算の予想・ガイダンスに対する結果
2026年3月期 通期実績 vs 会社予想(上方修正後)
| 指標 | 実績 | 前期比 | 上方修正後予想に対して |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 71億5,000万円 | +19.7% | +2.1%(超過) |
| 営業利益 | 12億9,600万円 | +39.5% | ― |
| 経常利益 | 13億500万円 | +43.4% | +8.8%(超過) |
| 当期純利益 | 8億7,900万円 | +38.9% | ― |
| ポストペイド累計回線数 | 71万7,000件 | +4万2,000件 | ― |
第4四半期に「企業価値向上施策」として約1億6,000万円(企業広告2,500万円・顧客獲得キャンペーン9,400万円・決算賞与4,000万円)を投下したため、第4四半期単独では一時的に減益。それでも通期では経常利益が前期比約4億円の増益となった。販管費率は前期20.5%から19.6%へ0.9ポイント低下している。
2027年3月期 第1四半期(2026年4〜6月)実績
| 指標 | 実績 | 前年同期比 | 通期予想に対する進捗 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 18億6,400万円 | +8.9% | 24.2% |
| 営業利益 | 3億8,100万円 | +15.8% | ― |
| 経常利益 | 3億8,400万円 | +17.1% | 26.7% |
| 四半期純利益 | 2億4,600万円 | +14.4% | ― |
2027年3月期 通期予想
| 指標 | 前期実績 | 今期予想 | 増減率 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 71.5億円 | 77.0億円 | +7.7% |
| 経常利益 | 13.05億円 | 14.4億円 | +10.3%(3期連続最高益) |
出典:ミーク 2026年3月期決算説明(ログミーファイナンス)、2027年3月期第1四半期決算短信(2026年8月12日)、株探、投資の森。
売上高・利益の推移
売上高(白)・経常利益(グレー)の推移(2020年3月期〜2026年3月期、単位:億円)
売上高 経常利益
| 決算期 | 売上高 | 経常利益 | 経常利益率 | 当期純利益 | 局面 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2020年3月期 | 81.7 | 3.4 | 4.1% | 2.2 | 設立初年度・MVNE承継直後 |
| 2021年3月期 | 99.9 | 6.1 | 6.1% | 4.0 | 売上のピーク(特定顧客が60.3億円) |
| 2022年3月期 | 68.8 | 7.2 | 10.5% | 4.7 | 特定顧客の剥落開始(▲31%) |
| 2023年3月期 | 59.8 | 8.2 | 13.7% | 5.4 | 減収continue も増益 |
| 2024年3月期 | 53.8 | 7.8 | 14.6% | 5.4 | 売上の底。コロナ特需回線の解約 |
| 2025年3月期 | 59.7 | 9.1 | 15.2% | 6.3 | 増収に復帰/2025年3月 東証グロース上場 |
| 2026年3月期 | 71.5 | 13.1 | 18.3% | 8.8 | 上場後初の通期・大幅増収増益 |
この表は普通の成長株の形をしていない。売上高は2021年3月期の99.9億円をピークに2024年3月期の53.8億円まで46%減少し、そこから2026年3月期に71.5億円まで戻した——U字である。一方で経常利益はほぼ一貫して増加し、3.4億円から13.1億円へ3.9倍になった。経常利益率は4.1%→18.3%と14ポイント以上改善している。
売上が半減する間に利益を増やせたのは、消えた売上(楽天モバイル・LINEモバイル向け)が低採算の大口卸だったからである。同じ通信回線でも、大口の格安SIM事業者に卸すのと、IoT用途で小口を大量に売るのとでは単価も粗利率もまったく違う。
なお当社は2019年3月設立のため、10年分の連続データは存在しない。上記が入手可能な全期間です。2025年3月期の数値は、2026年3月期決算で開示された前期比増減率から逆算した概算値を含みます。出典:ミーク「事業計画及び成長可能性に関する事項」財務ハイライト(2025年3月21日)、2026年3月期決算短信、投資の森。
経常利益率の推移(単位:%)
4.1%(2020年3月期)→18.3%(2026年3月期)。7期で+14.2ポイント。通信インフラ系のB2B事業としては非常に高い水準であり、これが「地味だが儲かる」と評価される根拠になっている。
サービス別の売上高推移(2020年3月期〜2024年3月期、単位:億円)
IoT/DXプラットフォーム MVNE(その他顧客) MVNE(特定顧客)
この会社を理解する上で最も重要なグラフである。グレーの「MVNE(特定顧客)」は楽天モバイルとLINEモバイル(現ソフトバンク)向けで、両社がMNO化・統合したことにより、2021年3月期の60.3億円から2024年3月期の13.5億円へ、3年で47億円が消滅した。
その間、IoT/DXプラットフォームは10.3億円→17.6億円、MVNE(その他顧客)は20.6億円→22.7億円へ増加している。合計では穴を埋めきれず売上は半減したが、残ったのは高採算の売上だけだった。2025年3月期以降、特定顧客の剥落がほぼ終わったことで、ようやく増収と増益が同時に走り始めている。
2025年3月期以降のサービス別内訳は、上場後の開示ではIoT/MVNEの2区分に統合されているため、上図は2024年3月期までを掲載しています。出典:ミーク「事業計画及び成長可能性に関する事項」(2025年3月21日)。
バリュエーション
現在の主要指標(2026年8月26日終値ベース)
| 指標 | 数値 | コメント |
|---|---|---|
| 株価 | 1,096円 | 2026/8/26終値 |
| 時価総額 | 125.9億円 | 東証グロース・超小型株 |
| PER(実績) | 約14.3倍 | 2026年3月期 純利益8.79億円ベース |
| PER(予想) | 12.97倍 | 会社予想ベース |
| PBR(実績) | 2.04倍 | 自己資本 約61.7億円 |
| PSR | 1.76倍 | ― |
| ROE(実績) | 約14.2% | 期末自己資本ベースの概算 |
| 自己資本比率 | 77.3% | 実質無借金 |
| 配当 | 無配 | 成長投資・M&A資金を優先 |
PER13〜14倍という水準は、東証グロース市場の銘柄としては異例に低い。経常利益が3期連続で過去最高を更新する見通しで、利益率18.3%、リカーリング売上比率98.9%、自己資本比率77.3%という財務プロファイルを持つ企業に対する評価としては、割安の部類に入る。
ただし低PERには理由がある。①東証グロースの超小型株(時価総額126億円)で流動性が乏しく(8/26の出来高43,000株)、機関投資家が入りにくい、②上場から1年半でトラックレコードが短い、③売上の72%を占めるMVNEが「市場全体としては漸減している独自サービス型SIM」に立地している、④会社予想が保守的で、成長率が二桁前半に見える。
投資の森の「業績適正株価」は2,126円(上昇余地+94.0%)と算出されているが、これは業績のみから導かれる理論値であり、流動性ディスカウントは織り込まれていない点に注意が必要である。
上場が2025年3月のため、PERの複数年推移は成立しません(次回更新時に上場後の推移を反映予定)。出典:投資の森(nikkeiyosoku.com)、当サイト試算。
株価騰落率(2026年8月26日時点)
| 期間 | ミーク | 日経平均 | TOPIX | グロース市場250 |
|---|---|---|---|---|
| 1ヶ月 | +12.99% | +2.56% | +2.43% | +13.85% |
| 3ヶ月 | ▲3.35% | +1.69% | +4.33% | ▲7.28% |
| 6ヶ月 | ▲8.97% | +13.11% | +5.89% | +4.29% |
| 1年 | +27.74% | +54.79% | +33.75% | ▲0.60% |
1年では+27.7%とグロース市場250指数(▲0.6%)を大きく上回るが、日経平均(+54.8%)には劣後している。値動きは日経平均よりもグロース市場の需給に連動しやすい。出典:投資の森。
ROIC・WACC・ROEの考察
資本効率の主要指標(2026年3月期)
| 指標 | 数値 | 算出根拠 |
|---|---|---|
| NOPAT(営業利益×0.70) | 約9.1億円 | 営業利益12.96億円、実効税率30%想定 |
| 自己資本 | 約61.7億円 | 時価総額125.9億円÷PBR2.04倍 |
| 有利子負債 | ほぼゼロ | 自己資本比率77.3%・実質無借金 |
| ROIC(総投下資本ベース・概算) | 約14.7% | NOPAT÷(自己資本+有利子負債) |
| ROIC(余剰現金控除後) | 実質的に極めて高い | 現預金約49億円+定期預金約25億円を控除すると投下資本はごくわずか |
| ROE(実績) | 約14.2% | 純利益8.79億円÷期末自己資本 |
| WACC(概算) | 約11% | rf1.7%+β1.3×ERP5.5%+小型株プレミアム約2.5% |
| ROIC − WACC | +3.7pt前後 | 価値創出。余剰現金を除けばスプレッドはさらに拡大 |
ROIC・WACCはいずれも当サイトによる概算試算です。前提:リスクフリーレート1.7%(10年国債)、株式リスクプレミアム5.5%、β約1.3、東証グロース超小型株のサイズプレミアム約2.5%、実効税率30%。
読み取るべき点は2つある。第一に、この会社は資本をほとんど必要としないビジネスである。設備投資は年0.5〜2.1億円にすぎず、経常利益13.1億円に対して1〜2割の水準にとどまる。第二に、それにもかかわらずバランスシートには使われていない現金が積み上がっている——現預金約49億円に加え、成長投資の待機資金として約25億円を定期預金へ移しており、合計74億円は時価総額126億円の約6割に相当する。
この構造は、資本効率の観点では明確な改善余地を意味する。M&Aが実行されて事業が拡大すればROICは維持されたまま利益規模が増えるが、現金が滞留し続ければROEは希薄化していく。「M&Aを本当にやるのか」が、この銘柄の資本効率を左右する最大の変数である。
設備投資額の推移(2020年3月期〜2024年3月期、単位:億円)
設備投資額は年0.5〜2.1億円で、対経常利益比率は12〜35%(2024年3月期は19%)。ネットワーク設備を持つ通信インフラ企業でありながら、投資負担は極めて軽い。データセンターやネットワーク回線を自社保有せず、他社設備内に自社仕様の機器を設置する形態を採っているためである。
この「アセットライトな通信インフラ」という構造が、高い利益率と高いROICを同時に成立させている。ただし裏返せば、ネットワーク回線とデータセンターは賃借であり、貸主側の事情で契約条件が変われば事業に直接影響する——同社自身が有価証券届出書でリスクとして明記している点でもある。出典:ミーク「事業計画及び成長可能性に関する事項」(2025年3月21日)。
営業・投資・財務・フリーキャッシュフローの推移
キャッシュフローの状況(開示が確認できた期間、単位:億円)
| 決算期 | 営業CF | 投資CF | 財務CF | FCF | 現金及び現金同等物 期末残高 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 7.82 | ▲1.27 | ▲2.23 | 6.55 | 20.1 |
| 2024年3月期 | 5.23 | ▲2.48 | ▲0.23 | 2.75 | 22.6 |
| 2026年3月期 | 約15 | 約▲31 | ― | 約▲16 | 現預金 約49 |
2026年3月期の投資CF▲31億円は、額面どおりに読んではいけない。会社の説明によれば、この大半はM&Aを含む今後の成長投資の待機資金として約25億円を定期預金へ移したことによるものである。定期預金への振替は会計上「投資活動」に分類されるが、実質的には現金の置き場所を変えただけで、事業からキャッシュが流出したわけではない。これを除けば投資CFは▲6億円程度で、FCFは十分プラスである。
営業CFは約15億円と、経常利益13.1億円を上回っている。設備投資が軽く、リカーリング課金で回収が安定しているため、利益がそのままキャッシュになりやすい構造といえる。
2021年3月期・2022年3月期・2025年3月期の連結キャッシュフロー計算書は、無料で参照できる開示範囲では取得できなかったため掲載していません(次回更新時に有価証券報告書ベースで反映予定)。数値の推測は行っていません。出典:ミーク「事業計画及び成長可能性に関する事項」財務ハイライト(2025年3月21日)、2026年3月期決算説明(ログミーファイナンス)。
従業員数の推移
2020年3月期19名から2024年3月期59名へ3.1倍。従業員属性は営業39%・事業開発22%・エンジニア19%・バックオフィス19%(2024年3月期末時点)で、約4割が開発人財である。従業員1人当たり営業利益は2025年3月期1,250万円→2026年3月期1,680万円へ+34%。会社は社内に「AI-X課」を設置してAI活用を進めており、人員増に頼らない利益成長を志向している。
直近の投資・M&A状況
M&A・出資の3つのターゲット(2026年5月時点)
| ターゲット | 内容 | 狙い |
|---|---|---|
| 規模の拡大 | 他社のMVNO事業の譲受など | 現業の純粋な規模拡大。帯域の使用効率がさらに上がる |
| 機能強化 | IoT/DX・MVNE両サービスのシステム開発・オペレーション効率化 | 提供価値の向上と機能拡張 |
| 新領域獲得 | IoT領域で不足するテクノロジー・ソリューション | 中長期の成長ドライバー確保 |
会社は「ソーシングから具体的な検討フェーズへ移行」と説明する一方、「フィナンシャルリターンとストラテジックリターンを両面から吟味し、規律ある意思決定を徹底する」とも述べている。現時点で実行された案件はなく、成果はまだ数字に表れていない。
その他の直近の投資・施策
| 時期 | 内容 | 意味 |
|---|---|---|
| 2025年10月 | 「MVNO as a Service」の提供開始 | 子会社ミークモバイルを通じ、料金請求・顧客管理・カスタマーサポートまで一括提供。通信ノウハウのない企業でも自社ブランドのモバイルサービスを立ち上げられる |
| 2026年3月期4Q | MEEQ ビジネスツールズ「デバイスセレクト」リリース | デバイス調達からSIMキッティングまでワンストップ。回線以外の単価向上策 |
| 2026年3月期4Q | 企業価値向上施策 約1.6億円 | 企業広告2,500万円・顧客獲得キャンペーン9,400万円・決算賞与4,000万円 |
| 継続 | 「AI-X課」によるAI社員の実装 | 人事・営業領域でAI活用。1人当たり営業利益1,250万円→1,680万円 |
| IPO資金使途 | 人件費・採用費3.7億円/ネットワーク増強費8.8億円/サービス開発費3.0億円 | 2026〜2027年3月期に充当予定。ネットワーク増強が最大 |
出典:ミーク 2026年3月期決算説明(ログミーファイナンス)、事業計画及び成長可能性に関する事項(2025年3月21日)。
主要事業ごとの成長性
会社が掲げる3つの成長ドライバー+2つの加速装置
| 区分 | 施策 | 現状 | 当サイトの見方 |
|---|---|---|---|
| 成長ドライバー① | MVNO as a Service | 2025年10月発表。多数の商談が進行中だが、具体的な発表はまだ | 最も期待値が高い。1案件の規模が大きく、受注すれば上方修正要因 |
| 成長ドライバー② | ビジネスサポート(MEEQ APPS/デバイスセレクト) | 順次リリース中 | 回線以外の単価向上策。積み上げ型で効果は緩やか |
| 成長ドライバー③ | 業界専用サービス(垂直展開) | 提携先とのプロダクト開発を検討 | 最も時間がかかる。業界ごとに個別開発が必要 |
| 加速装置① | M&A/出資 | 待機資金25億円確保。検討フェーズ | 未実行。実行されれば最大のカタリスト |
| 加速装置② | AI活用(AI-X課) | 人事・営業でAI社員が稼働 | 既に1人当たり営業利益+34%として数字に表れている |
出典:ミーク 2026年3月期決算説明(ログミーファイナンス)、事業計画及び成長可能性に関する事項(2025年3月21日)、IDC Japan「国内IoT市場 産業分野別 テクノロジー別予測、2024年〜2028年」、MM総研「国内MVNO市場調査」。
競争優位性や業界内でのポジション
出典:ミーク「事業計画及び成長可能性に関する事項」参入障壁・主な事業等のリスク(2025年3月21日)、証券リサーチセンター 新規上場会社紹介レポート(holistic-r.org)。
SCP理論からの分析(市場動向・規制リスク・業界トレンド)
Structure(市場構造)
一方、下流の顧客は多数かつ分散している。MVNO事業者、IoTサービサー、DXを進める事業会社、独自経済圏を作りたい小売・金融——顧客側の交渉力は個々には弱い。
そしてMVNEという中間層は極めて少数である。通信技術・法制度理解・顧客獲得力の3つを同時に要求されるため、参入者が増えない。つまり同社は「上には勝てないが、横には競合がほとんどいない」という構造にいる。利益率18.3%が成立するのはこの横方向の希少性による。
市場規模で見ると、独自サービス型SIMは2024年3月末で1,310万回線。従来型(スマホ向け)は2020年の1,345万回線から2024年の783万回線へ漸減する一方、IoT向けは155万回線(2016年)から850万回線(2026年予測)へ拡大する予測で、市場の重心はIoTへ移りつつある。
Conduct(企業行動・規制リスク)
規制リスクは通信業特有で、しかも両刃である。第一に接続料規制。総務省がMNOの接続料を引き下げる方向で規制してきたことは、MVNE/MVNOにとって追い風だった。実際、音声料金の規制緩和(プレフィックス番号自動付与)は同社の実質売上総利益率を大きく押し上げている。逆に規制の方向が変われば利益率は圧迫される。第二に電気通信事業法。事業運営そのものが法制度の上に成り立っており、制度変更への対応力が事業継続の前提になる。第三にキャリア自身の戦略。MNOが法人IoTの直販を強化したり、MVNO向け卸条件を変更すれば、中間業者の収益は直接影響を受ける。これは規制というより取引条件の問題だが、実質的な影響は規制に近い。
Performance(業界トレンド・帰結)
出典:MM総研「国内MVNO市場調査(2024年3月末時点)」、IDC Japan「国内IoT市場 産業分野別 テクノロジー別予測アップデート、2024年〜2028年」、ミーク 事業計画及び成長可能性に関する事項(2025年3月21日)。SCPの枠組み適用は当サイトによる解釈です。
これらの分析結果をもとにした現在の投資妙味
※本記述は公開情報の整理と当サイトの解釈であり、投資勧誘・投資助言ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
今後の注目ポイントやリスク要因
注目ポイント(カタリスト)
待機資金約25億円は時価総額126億円の約2割。「規模の拡大」「機能強化」「新領域獲得」の3ターゲットで検討中。実行されれば利益規模とROICの両面でインパクトが大きい。
2025年10月発表。多数の商談が進行中と会社は説明。MVNEは1案件の規模が大きく、受注が業績予想に織り込まれていないため上方修正の直接要因になる。
2027年3月期は売上+7.7%・経常+10.3%の計画だが、第1四半期の経常利益進捗率は26.7%と計画を上回るペース。前期も上方修正後の予想を超過しており、期中の上方修正の蓋然性は相応にある。
相互接続性試験まで完了済み。実現すれば「国内全キャリア対応」という他社にない訴求力を得る。
従業員1人当たり営業利益は1,250万円→1,680万円へ+34%。人員増に頼らない利益成長が続けば、利益率18.3%はさらに上がる余地がある。
現在は無配。M&Aが不発に終わった場合、配当や自己株取得へ方針転換する可能性がある。これも株価の下支え材料になりうる。
リスク要因
モバイル通信の仕入のうちNTTドコモが70%以上(2024年3月期)。回線調達コストが上昇すれば、経常利益率18.3%は直接圧迫される。会社自身が有価証券届出書でリスクとして開示している。
楽天モバイル・LINEモバイルの離脱で3年間に47億円を失った実績がある。筆頭株主ソニーNCは2024年3月期売上の34.9%を占めていた。同じことが再発しない保証はない。
時価総額126億円、1日の出来高は数千万円規模。売りたいときに売れない、買い増したいときに株価を押し上げてしまう——小型株特有のリスクが常にある。
独自サービス型SIMのスマホ向けは2020年の1,345万回線から漸減トレンド。顧客の入れ替えで伸ばしているが、非通信事業者の参入需要が一巡すれば成長は止まる。
MNO自身が法人IoTに注力すれば、MVNEという中間業者の存在意義が問われる。IoTコネクティビティにはソラコム(KDDI傘下)など資本力のある競合も存在する。
ネットワーク回線・データセンターは他社設備を賃借。貸主が契約継続を拒否したり条件変更を求めた場合、事業に直接影響する。
現預金約49億円+定期預金約25億円で時価総額の約6割。M&Aが実行されなければ、無配のまま現金が積み上がりROEが希薄化していく。
2025年3月上場でまだ1年半。公開企業としての計画精度や開示姿勢を評価するには、判断材料がまだ少ない。
最終更新:2026年8月27日。出典:ミーク「事業計画及び成長可能性に関する事項」(2025年3月21日)、2026年3月期決算説明・決算短信、2027年3月期第1四半期決算短信(2026年8月12日)、証券リサーチセンター、ログミーファイナンス、投資の森、MM総研、IDC Japan。