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株価
78.8元
2026/8時点。52週レンジ 47.21〜80.80元
時価総額
約1,157億元
総株式数 14.68億株
PER(TTM)
46.67倍
過去3年パーセンタイル98.7%/5年99.1%
保有株数
―
未確認
売上(2025年通期)
1,647.82億元
前年比 +43.25%
帰属純利益
24.13億元
前年比 +5.20%(増収率に大きく劣後)
粗利率
4.88%
前年6.85%から△1.96pt
PBR / ROE
5.49倍 / 11.77%
配当利回りほぼ0%(2025年度は10株0.40元)
事業ごと・国/エリアごとの売上高比率
製品別 売上構成比(2025年通期)
サーバー製品1,546.05億元(+47.69%)、ストレージ・スイッチ等97.71億元(△2.80%)、その他4.05億元(+37.42%)。事実上「サーバー1本足」の企業であり、ストレージ・スイッチはAIクラスタ構築の付帯品として存在している。
地域別 売上構成比(2024年通期ベース)
2024年の海外売上は340.81億元(前年比+256.98%)で、従来15%未満だった海外比率が一気に約30%へ跳ね上がった。中国国内が依然主戦場だが、海外向けAIサーバー需要の取り込みが急拡大している。2025年通期の地域別内訳は今回のリサーチで確認できず、次回更新時に反映予定。
製品別・販売モデル別の粗利率(2025年通期)
| 区分 | 売上(億元) | 前年比 | 粗利率 | 前年差 |
|---|---|---|---|---|
| サーバー製品 | 1,546.05 | +47.69% | 4.52% | △2.18pt |
| ストレージ・スイッチ等 | 97.71 | △2.80% | 8.74% | +0.89pt |
| その他 | 4.05 | +37.42% | ― | ― |
| 販売:区域(地域代理)モデル | ― | ― | 12.25% | △4.04pt |
| 販売:行業(大口顧客直販)モデル | ― | ― | 3.71% | △1.33pt |
| 全社合計 | 1,647.82 | +43.25% | 4.88% | △1.96pt |
この表がこの会社の構造をほぼ説明している。売上を伸ばしているのは粗利率3.71%の「大口顧客直販」であり、粗利率12.25%と相対的に高い「地域代理」モデルは規模が伸びていない。売れば売るほど平均粗利率が下がる売上構成になっている点が、増収率43%に対して増益率5%という結果の直接的な理由である。出典:浙商証券 2025年年報点評(2026/4/29)。
創業からの歴史
出典:浪潮集団公式資料、同社IR(ieisystem.com)、IDC市場データ、Federal Register「Additions to the Entity List」(2025年3月28日公示)、各種報道。
ミッション・ビジョン・バリュー
出典:浙商証券 2025年年報点評(2026/4/29)に引用された経営陣の見解、同社公式サイト。
現経営者の特徴・過去の実績(レジリエンスの観点)
出典:浪潮信息 取締役会改選公告(2026年5月8日)、新浪財経、同花順F10、Federal Register、同社リスク開示。
直近決算の予想・ガイダンスに対する結果
2025年通期実績(2026/4/11開示)
| 指標 | 2025年通期 | 前年比 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 営業総収入 | 1,647.82億元 | +43.25% | AI算力需要を全面的に取り込み |
| 帰属純利益 | 24.13億元 | +5.20% | 増収率に大きく劣後 |
| 控除後(扣非)純利益 | 20.81億元 | +11.03% | 本業ベースはやや改善 |
| 粗利総額 | 80.47億元 | +2.40% | 売上+43%に対し粗利+2.4% |
| 粗利率 | 4.88% | △1.96pt | 価格競争と原材料コスト上昇 |
| 三費合計 | 60.01億元 | +4.06% | 増収率を大幅に下回り費用率は改善 |
| うち販売費 | 12.72億元 | △12.29% | 販路効率化 |
| うち研究開発費 | 38.12億元 | +8.54% | 研究開発投入総額は38.77億元 |
| 営業活動CF | 54.53億元 | +7,183% | 前年0.98億元からの正常化 |
| 販売回収金 | 2,314.77億元 | +85.79% | 収現比140.47%(前年108.56%) |
出典:浪潮信息 2025年年度報告、浙商証券「2025年年報点評」(2026/4/29)。
直近四半期と2026年上半期の利益予告
| 期間 | 売上 | 前年同期比 | 帰属純利益 | 前年同期比 |
|---|---|---|---|---|
| 2025年 Q4 | 441.13億元 | +39.41% | 9.31億元 | △6.68% |
| 2026年 Q1 | 354.70億元 | △24.30% | 6.05億元 | +30.74% |
| 2026年 上半期(会社予告) | ― | ― | 26〜31億元 | +226%〜+288% |
2026年上半期の予告EPSは1.77〜2.11元(前年同期0.5425元)。控除後純利益も20.55〜25.55億元(+206%〜+280%)と、一過性要因ではないことを示している。会社は増益理由を「業界の上昇機会を捉え、製品技術革新と顧客満足度向上、製品ラインの整備、製品付加価値の向上、供給保障能力の強化を継続した」と説明。この発表を受けて株価はストップ高(一字涨停)となった。出典:亿牛网掲載の公告要旨(2026/7/7, 7/8)、新浪財経。
売上高・利益の推移(直近10年間)
営業収入(10年推移、億元)
2016年126.68億元→2025年1,647.82億元と、10年で約13倍。CAGRは約33%という驚異的な成長である。特に2018年(+84.17%)と2024年(+74.64%)の2回、需要爆発による段差がある。2023年のみ△5.41%と上場以来初の減収に沈んだが、これはGPU供給制約による一時的なもの。2017年・2019年の数値は前年比開示からの逆算値であり、確定値ではありません。
帰属純利益(10年推移、億元)
同じ10年で純利益は2.87億元→24.13億元と約8.4倍。売上の13倍に対し利益は8.4倍で、成長するほど利益率が薄くなっていることが2つのグラフの対比から読み取れる。2017年・2018年の確定値は今回のリサーチで確認できず、次回更新時に反映予定(推測での穴埋めは行っていません)。2019年は前年比開示からの逆算値。
税引前利益(利润总额、億元)
売上が2021年670億元→2025年1,648億元と2.5倍になる間、税引前利益は21.60億元→24.68億元と14%しか増えていない。
粗利率の推移(%)
10.45%→4.68%へ半減以下。この1本のグラフが、同社の投資判断における最重要論点である。
出典:stockanalysis.com(SHE:000977 Income Statement/S&P Global Market Intelligence)、2020年年度報告、2018年年度報告、浙商証券レポート、前瞻眼(財務摘要)。単位は億元。
PERの推移(直近10年間)
年間平均PER(倍)
2017〜2018年は平均80〜88倍という完全なテーマ株評価。2022年に平均17.67倍(最安13.20倍)まで叩き売られた後、2023年以降は30倍台のレンジに定着し、2026年の年初来平均は38.97倍まで上昇している。
PERの位置づけ
| 指標 | 数値 | 備考 |
|---|---|---|
| 現在のPER(TTM) | 46.67倍 | 2026年8月時点 |
| 過去3年パーセンタイル | 98.7% | 直近3年で最も割高な水準 |
| 過去5年パーセンタイル | 99.1% | ほぼ5年来の最高圏 |
| 過去10年パーセンタイル | 65.7% | 10年でみれば中位やや上 |
| 全期間平均PER | 99.54倍 | 上場初期の異常値を含む |
| 過去最高/最安 | 1,423.46倍(2010/11)/13.20倍(2022/10) | ― |
| PBR | 5.49倍 | ― |
| 配当利回り | 約0% | 2025年度配当は10株0.40元、配当性向11.01% |
出典:亿牛网(eniu.com)歴史市盈率。年間平均PERは同サイトの年次集計値。2016年の値は同サイトで確認できず未取得。
ROIC・WACC・ROEの推移(直近10年間)
資本効率と財務レバレッジ
| 指標 | 2024年通期 | 2025年Q1 | 直近(2025Q3〜2026年) |
|---|---|---|---|
| ROE(希薄化ベース) | 11.46% | 2.28%(四半期・非年率) | 11.77% |
| ROE(加重平均) | 12.06% | 2.30% | ― |
| ROIC(投下資本利益率) | 7.18% | 1.37%(四半期・非年率) | ― |
| 総資産報酬率(ROA) | 4.01% | 0.70% | ― |
| 売上純利益率 | 2.00% | 0.98% | 1.46%(2025通期) |
| 資産負債率 | 71.44% | 77.47% | 80.42% |
| 総資産回転率 | 1.92回 | 0.58回 | ― |
出典:前瞻眼(財務摘要・報告期)、亿牛网。
WACCとスプレッド(当サイト概算試算)
| 項目 | 推定値 | 算出の考え方 |
|---|---|---|
| 株主資本コスト | 約9〜11% | 中国10年国債利回り(2.0〜2.5%程度)+β約1.3〜1.5(A株の算力関連セクターは高ボラティリティ)×エクイティ・リスクプレミアム5〜6% |
| 負債コスト(税引後) | 約1.5〜2.5% | 2026年発行の科技創新債券(5年物)の利率が1.85%と極めて低い。国有系企業として資金調達コストは著しく有利 |
| WACC(概算) | 約4〜6% | 資産負債率71〜80%という高レバレッジのため、加重平均では負債コストの低さが強く効く |
| ROIC − WACC スプレッド | 概ね +1〜3pt程度 | 2024年ROIC 7.18%に対しWACC 4〜6%。価値は創出しているが、その幅は薄い |
WACCは公式開示がなく、当サイトによる概算試算です。前提の置き方(特にβとERP)により±2pt程度は容易に動きます。なお資産負債率が2024年71.44%→2025Q3 80.42%と急速に上昇しており、レバレッジ拡大がWACCを見かけ上引き下げている点には注意が必要です。
営業・投資・財務・フリーキャッシュフローの推移
フリーキャッシュフロー(億元・直近5年)
2021年は△84.84億元と大幅な資金流出。2022〜2024年はほぼゼロ近辺で推移し、2025年に+52.28億元へ大幅改善した。一方、2026年第1四半期までのTTMベースでは再び△83.17億元と大きくマイナスに振れている。この会社のキャッシュフローは、利益ではなく運転資本(在庫と売掛金)の増減でほぼ決まる。
キャッシュフロー内訳(確認できた期間、億元)
| 項目 | 2024年通期 | 2025年Q1 | 2025年通期 | TTM(2026Q1まで) |
|---|---|---|---|---|
| 営業活動CF | 0.98 | 58.03 | 54.53 | ― |
| 投資活動CF | △3.70 | △2.65 | ― | ― |
| 財務活動CF | △38.35 | +49.56 | ― | ― |
| フリーCF | △1.73 | ― | +52.28 | △83.17 |
| 設備投資(固定・無形資産取得) | 2.48 | 0.57 | 約2.3(FCFからの逆算) | ― |
| 期末現金及び現金同等物 | 72.97 | 176.43 | ― | ― |
| 販売回収金/売上(収現比) | 108.56% | 120.05% | 140.47% | ― |
出典:前瞻眼(財務摘要・報告期)、stockanalysis.com(Free Cash Flow)、浙商証券レポート。2025年通期の投資CF・財務CFの確定値は今回のリサーチで確認できず、次回更新時に反映予定(推測での穴埋めは行っていません)。10年分の一貫したCF時系列は、開示ソースの制約から今回は取得できませんでした。
直近の投資・M&A状況
出典:浪潮信息 公告(2026/5/12 利益配分、2026/7/24 科技創新債券、2026/8/14 ファンド出資届出、2026/5/8 役員株式売却)、新浪財経7x24、浙商証券レポート。
主要事業ごとの成長性
製品カテゴリー別 売上成長率(2025年通期)
グラフ内のストレージ・スイッチ等は実際には△2.80%(減収)です。表示上は比較のためバー長を最小としています。
競争優位性や業界内でのポジション
SCP理論からの分析(市場動向・規制リスク・業界トレンド)
Structure(市場構造)
Conduct(企業行動)
Performance(業界トレンド・帰結・規制リスク)
一方、規制リスクは極めて重い。2025年3月25日、米商務省BISは浪潮信息本体を含むグループ6社(Inspur Electronic Information Industry、Inspur (Beijing)、Inspur Electronic Information (Hong Kong)、Inspur (HK) Electronics、Inspur Software、Inspur Taiwan)をエンティティリストに追加した(親会社の浪潮集団は2023年3月2日に追加済み)。理由は軍事用途のスーパーコンピュータ開発への寄与とされ、米国原産品の輸出は原則不許可の推定となる。同社は米国からの中核原材料の調達規模が大きく、貿易政策の変動が原材料調達と事業運営に大きな不確実性をもたらすと自ら開示している。
整理すると、この会社は「需要は政策で作られ、供給は政策で断たれうる」という、両側を地政学に挟まれたポジションにある。中国国内の国産化政策が需要を押し上げる一方、米国の輸出規制が中核部材へのアクセスを脅かす。加えて、①GPU等の調達価格変動が粗利を直撃するリスク、②国内競合の値下げ攻勢による価格競争激化、③顧客上位5社に75%を依存する集中リスク、④資産負債率80%という高レバレッジの財務リスク——構造的な脆弱性は多い。
これらの分析結果をもとにした現在の投資妙味
※本セクションは公開情報にもとづく当サイトの考察であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
今後の注目ポイントやリスク要因
注目ポイント
・上半期純利益予告26〜31億元(+226〜288%)が実現するか、通期でどこまで続くか
・売上が減って利益が増えた構図(2026Q1)の原因特定。GPU調達価格の低下か、製品ミックスの改善か
・ストレージ・スイッチ(粗利率8.74%)の売上比率が上昇し、製品構成が均衡化するか
・液冷サーバーの中国市場シェア1位の継続と、液冷比率の上昇ペース
・推論用算力需要の立ち上がり。エージェント(智能体)の産業実装が本格化するか
・海外売上比率(2024年で約30%)が、エンティティリスト下でどこまで維持・拡大できるか
・顧客集中度(2024年 上位5社75%)が低下方向に向かうか
・営業CF・収現比(2025年140.47%)の水準維持
リスク要因
・粗利率の構造的な低さ:2021年10.45%→2025年4.88%。上流(GPU)と下流(クラウド事業者)に挟まれた構造は基本的に変わっていない
・顧客集中リスク:2024年 上位5社で約75%、第1位単独で31.51%
・高レバレッジ:資産負債率が2024年71.44%→2025Q3 80.42%へ上昇。需要反転時の耐久力に不安
・運転資本依存のCF:TTM(2026Q1まで)のフリーCFは△83.17億元。利益ではなく在庫・売掛の動きでCFが数十億元単位で振れる
・バリュエーション:PER 46.67倍は過去3年パーセンタイル98.7%・5年99.1%。利益率改善が頓挫すれば調整余地が大きい
・国内競合との価格競争:超聚変・新華三・中科曙光等との差別化は困難
・GPU供給制約の再来:2023年は供給制約により上場後14年で初の減収(△5.41%)
・株主還元の乏しさ:配当性向11.01%、2025年度は10株0.40元(前年比△75%)
・中国A株特有のリスク:値動きの荒さ、開示水準、政策変更
出典:浪潮信息 2025年年度報告および各種公告、浙商証券「2025年年報点評」(2026/4/29)、stockanalysis.com(SHE:000977)、亿牛网(eniu.com)、前瞻眼、Federal Register「Additions to the Entity List」(2025/3/28)、IDC市場データ、各種報道。