この回のレポートは全3本に分割しています。本ファイルはその3本目、テーマは「LVMHブランド価値分析」です。
LVMHは傘下約70ブランドの個別売上を原則非開示とする戦略を採り、BCGやベインでさえ非公開とする情報を、マイキー氏が1日・約10〜12時間で複数ソースから逆算した実例を紹介する。持株構造の差分、店舗の平米単価とDTC直営比率、中国代行業者のディスカウント率、輸出統計、求人データという5段階の手法で「見えない数字」を可視化する手順を追う。
逆算の結果、ルイ・ヴィトンとエルメスは希少性戦略で最強を維持する一方、グッチはデムナ起用で売上は回復してもロゴ縮小戦略の失敗で売上20%減を経験し「デザイナー依存」に転落、バーバリーは中国代行業者への露出増でブランド価値が最も下落したと分析する。円安による日本店舗の実質利益率低下、中国国内購買率の50%→65%上昇、年間3000ドル/ユーロ層の4億人から3.3億人への縮小など、業界全体の構造変化も扱う。
締めくくりとして、持株構造・店舗データ・輸出統計・求人情報・中国代行業者のディスカウント率を組み合わせる非開示データの逆算手法を投資判断や情報整理に応用する視点、そして売上高の増加がブランド価値の向上を意味しないというグッチの事例から導かれる「売上増≠企業価値増」の視点を、株式投資のKPI分析へ応用するポイントとして整理する。
本レポートは「ドラッカーのMBOとLVMHに見る「測定できない価値」」を全3本に分割・再構成したうちの3本目です(テーマ:LVMHブランド価値分析)。