超伝導・イオントラップ・冷却中性原子・シリコン・光 ―― 各方式はエラー訂正時代にどう進化しているか
量子コンピューティングには超伝導・イオントラップ・冷却中性原子・シリコン・光の5方式がある。これまでの量子コンピューターは「ノイズありの中規模デバイス(NISQ)」として運用されてきたが、2025〜2026年にかけてこの前提が大きく変わった。計算後にノイズを取り除くのではなく、計算しながらリアルタイムにエラーを訂正するFTQC(誤り耐性量子コンピューティング)の実装フェーズに各社が移行し始めている。
超伝導方式ではIBMがモジュール化によるスケーリング問題を解決し、Googleは「ビットを増やせばエラーが指数関数的に減る」ことを世界で初めて証明した。イオントラップではQuantinuumとMicrosoftが共同で論理量子ビットのエラーを物理ビット単体比で1/800に下げ、IonQはバリウムイオンへの切り替えとフォトニックインターコネクトにより2027年に800論理ビットへのスケールアップを計画している。冷却中性原子方式では1,152個の物理ビットから580個の論理ビットを2:1の効率で生成する手法が示され、従来の1000:1という常識を根本から覆した。シリコン方式は既存の半導体製造インフラをそのまま活用でき、SQC(オーストラリア)がリン原子を1個ずつ配置する精密技術で注目を集めている。光方式ではPsiQuantumがGlobalFoundriesと組んでOmegaチップを量産し、データセンター型の量子コンピュートセンターの建設を開始した。
重要なのは「量子ビットの数」から「エラーをどう消し去るか」へと評価軸が移ったこと、そしてこれら5方式を横断的にまとめる「Androidのような」プラットフォーム企業が次の本命になりうるという示唆である。
量子コンピューターの勝負は「ビット数競争」から「エラー訂正の実装競争」に移った。
5方式それぞれの最新突破と、それを束ねる"見えない本命"の存在。
セッション冒頭、マイキー氏は参加者に「量子コンピューティングに5つの計算方式があることを理解している人はどれくらいいるか」と挙手を求めた。数名が手を挙げたが、具体的に方式名を答えられる参加者はほとんどいなかった。これは一般的な株式投資家の量子コンピューター理解の現在地を象徴するエピソードであり、マイキー氏はホワイトボードに5方式を手書きしながら、基礎から体系的に解説を始めた。
量子コンピューターの計算方式は大きく5つに分類される。超伝導方式、イオントラップ方式、冷却中性原子方式、シリコン方式、そして光方式である。それぞれに強みと弱みがあり、どの方式が最終的に「勝つ」かはまだ確定していないが、現時点で最も研究が進んでいるのは超伝導方式である。
| 方式 | 特徴 | 課題 | 主要プレイヤー |
|---|---|---|---|
| 超伝導 | 最も研究が進んでいる。量子ビットを大量に作れる | エラーが起きやすい | IBM, Google, 理研, 富士通, Amazon, Rigetti |
| イオントラップ | 少ないビット数で高精度 | 大規模化が難しい | IonQ, Quantinuum, AQT(オーストリア) |
| 冷却中性原子 | ビット数を増やしやすい | 商用事例が少ない・動作が遅い | QuEra, Atom Computing, Pasqal, ハーバード大, MIT |
| シリコン | 既存の半導体インフラを活用可能。常温に近い動作 | まだ量子ビット数が少ない | 理研, 日立, SQC(豪), Intel |
| 光 | 常温動作OK。光ファイバーで無限に拡張可能 | 精度が低い・計測時のみ冷却が必要 | PsiQuantum, 東京大学, 中国科学技術大学 |
発言では「オーストラリアのAQT」とされたが、AQT(Alpine Quantum Technologies)はオーストリア・インスブルック拠点の企業である。オーストラリアの量子企業として正しいのはシリコン方式のSQC(Silicon Quantum Computing)。混同に注意。
発言中に「オプトキュー(OptQC)」という企業名が挙がったが、主要な光量子コンピューティング企業の公開情報には該当する社名が見当たらない。要確認 Xanadu(カナダ)、ORCA Computing(英国)、Quandela(フランス)などが光方式の主要プレイヤーとして知られている。
これらの方式はそれぞれ独立に進化しているが、投資判断において重要なのは、個々の方式の優劣ではなく、「どの企業がどの方式でどのような問題を解決しようとしているか」、そしてさらに上位のレイヤーとして「これらを統合するプラットフォームは誰が握るか」という視点である。マイキー氏は「1番重要な企業は最後に言う」として、まず各方式の技術的な進展から話を始めた。
量子コンピューターのこれまでの時代は「NISQ(Noisy Intermediate-Scale Quantum)」と呼ばれる段階にあった。これは2018年にCaltechのJohn Preskillが提唱した概念で、日本語では「ノイズありの中規模量子デバイス」を意味する。量子ビットは熱や電磁波といった外部環境に極めて弱く、計算の途中でデータが破損してしまう。ゲート数(計算ステップ数)が増えるとノイズに飲まれるため、NISQ時代の主なアプローチは「計算中にはエラーを訂正せず、計算が終わった後にノイズを統計的に取り除く」というものだった。VQE(変分量子固有値ソルバー)やQAOA(量子近似最適化アルゴリズム)といった古典コンピューターとのハイブリッドアルゴリズムが主流だったのはそのためである。
計算後にノイズを取り除く「エラー緩和」。少ないゲート数でしか信頼できる計算ができない。古典コンピューターとのハイブリッドが前提。
計算しながらリアルタイムにエラーを検出・訂正する「エラー訂正」。多数の物理量子ビットを束ねて仮想的な「論理量子ビット」を構成し、制限なく長時間計算が可能に。
2025〜2026年にかけて、このNISQからFTQC(Fault-Tolerant Quantum Computing:誤り耐性量子コンピューティング)への転換が起きた。FTQCでは、量子エラー訂正(QEC)によって多数の物理量子ビットを束ね、エラーのない仮想的な「論理量子ビット」を構成する。これにより、ノイズの影響を受けずに長時間の計算が可能になる。従来は1個の論理量子ビットを作るのに数千〜数万個の物理量子ビットが必要とされていたが、この比率の改善が各方式の最大の競争ポイントになっている。
評価軸の転換:これまでの量子コンピューターは「量子ビットの数」ばかりが注目されてきた。しかし今は「ノイズをどう抑えるか(モジュール化)」と「エラーをどれだけ消し去るか(エラー訂正)」の2つが実装フェーズの勝負を決める。IBMもGoogleも、実用的なFTQCの実現目標を2029年に設定している。
IBMは2029年に「Starling」(200論理量子ビット、1億量子演算)、2033年以降に「Blue Jay」(2,000以上の論理量子ビット)を計画。Googleも同時期にFTQC実現を目指すロードマップを公開している。「2029年」はIBM・Google双方が公言している目標年であり、発言内容と一致する。
超伝導方式では、シリコンチップ上に量子ビットを並べるのが基本設計だが、ビット数を増やすと2つの問題が顕在化する。第一に、信号を送る配線がごちゃごちゃになりスペースが不足する。第二に、量子ビットが隣り合うと信号が互いに干渉しあってノイズが発生する。マイキー氏はこれを「ものすごく気を使う人たち。隣に人がいるとちょっと横にずれるような、すごいデリケートで気の弱い人」と喩えた。
IBMは巨大な単一チップを作ることをやめ、高性能な中規模チップを複数並べて外部で接続するモジュール化戦略に転換した。お互いの干渉をシャットダウンするために下片結合器(カプラースイッチ)を用い、Heronプロセッサーを開発した。マイキー氏の比喩では「隣同士でいるとみんな気を使っちゃうから、壁を作って気にしないようにする」というものである。これにより量子状態を保てる時間が伸び、複数のQPU(量子プロセッサー)を接続してデータセンターのように拡張できるシステムが本格化している。
IBM Quantum Heronは156量子ビットのプロセッサーで、2量子ビットゲート忠実度99.9%を達成。IBM Quantum System Twoは3基のHeronプロセッサーを搭載するモジュラー型アーキテクチャで、2023年にローンチされた。2026年にはqLDPC(量子低密度パリティ検査)メモリとLogic Processing Unit(LPU)を統合するKookaburraモジュールが予定されている。
Googleは「量子ビットを増やせばエラーが指数関数的に減る」ことを世界で初めて実験的に証明した企業である。通常の工業製品(自動車など)では部品を増やすほど故障率が上がる。しかしQEC理論では、ある精度の閾値を超えた品質の量子ビットであれば、数を増やすことでシステム全体のエラーが指数関数的に低下する。マイキー氏は「全部のパーツを優秀にしてしまうと、1つの部品が壊れたとしても車は走り続ける」と喩えた。
Googleは2024年12月に105量子ビットのWillowチップを発表。表面符号による量子メモリを閾値以下で動作させることに成功し、距離7の符号で1サイクルあたり0.143%のエラー率を達成した(Λ=2.14のエラー抑制)。コヒーレンス時間は約100μsで、先代のSycamore(20μs)から約5倍に向上。ただし発言中の「256量子ビットへの拡張」「64ビットから4倍に拡張」「チップの裏側から直接信号線を刺す」という2025年4月のニュースについては、公開情報で該当する発表が確認できない。要確認 Willowは105量子ビットであり、256量子ビットの発表はIBMや他社のロードマップの可能性がある。
超伝導方式がたくさんのビットを並べてノイズを力技でねじ伏せるアプローチなのに対し、イオントラップ方式は「天然の素材(イオン)を使って最初から超高品質なビットで計算する」という思想に基づく。真空中の電磁場の中でイオン(電子を帯びた原子)を1つずつ浮かせ、レーザーで操作する。人工的に作る超伝導ビットと違い、天然の原子を使うため量子ビットが同質の性質を持ち、壊れにくい。超伝導は無理やり人工的に作るからバラつきがあったが、イオントラップは天然のイオンを使うため安定した品質が得られるという原理的な優位性がある。
2026年6月、QuantinuumとMicrosoftはNature誌に共同論文を発表した。論理量子ビットの計算エラーを通常の物理ビット単体と比較して1/800に下げることに成功したという内容である。以前は30個の物理ビットから4個の論理ビットを構成していたのに対し、56個の物理ビットから12個の高度な論理ビットを構成できるよう進化した。
この成果を支える3つの革新的技術がある。第一に、計算を途中で止めることなくリアルタイムにエラーを検出・修復する技術。マイキー氏は「車を走らせながらタイヤ交換ができる技術」と喩えた。第二に、カラーコードと呼ばれる4次元幾何学的構造を応用したエラー訂正プログラムで、1回の手順で効率的にエラーを検出できる。第三に、エラーを含む論理ビットが生まれた場合に別の場所に移送し、エラー同士を連結させて全体として正常化させる技術で、量子ビットの寿命を10倍以上伸ばすことに成功した。
論文タイトルは「Improved quantum processor logical error rates via correction and detection」。Quantinuumのイオントラップ型QCCD(Quantum Charge-Coupled Device)ハードウェア上でMicrosoftの量子ビット仮想化プラットフォームを実行。carbon codeとtesseract codeの2つのエラー訂正方式を用い、ベル状態準備では物理ベースラインの0.8%から0.001%へ論理エラー率を低減(800倍改善)。12論理量子ビットのcat状態では22倍の改善を達成。発言内容の「1/800」「リアルタイムエラー訂正」「寿命10倍以上」はいずれも公開データと整合する。
IonQはハードウェアの素材と接続方法を変えることで一気にスケーリングしようとしている。従来のイッテルビウムからバリウムイオンへの切り替えによりレーザー精度を向上させ、さらにフォトニックインターコネクト(光接続)でモジュール間を結ぶことで、個々のトラップにおけるイオン数の限界を突破する戦略をとっている。
IonQの公式ロードマップによると、2026年は物理量子ビット忠実度99.99%・12論理量子ビット・論理エラー率1.00E-7未満、2027年は同99.99%・800論理量子ビットを目標としている。発言中の「2026年に12量子ビット→2027年に800ビット」は論理量子ビット数であり、公開ロードマップと一致する。なお2025年にLightsynq社を買収し、量子メモリとフォトニックリンク技術を獲得している。
超伝導やイオントラップの常識を覆すと期待されているのが冷却中性原子方式である。超伝導方式ではチップ上に金属配線が大量に必要で巨大化してしまうが、冷却中性原子方式では真空容器の中にルビジウムなどの中性原子を浮かべ、レーザーで光ピンセットのように捕まえて固定する。物理的な電線ではなく光だけで原子を固定するため、「走りながらチェスのように原子を動かす」ことが可能になる。
原子に特定のレーザーを当てると、隣の原子と干渉して離れてしまう(超伝導の問題点)のではなく、むしろバランスを取ろうとする相互作用状態を作り出せる。これがリュードベリブロッケードと呼ばれる技術で、2つの隣接する原子が同時に高励起状態になることを防ぎ、制御された量子ゲートを実現する。この技術によりエラーを劇的に減らすことに成功している。
FTQCの最大の壁は、1個の論理量子ビットを作るために必要な物理量子ビットの数だった。従来は1,000個から10,000個の物理ビットが必要とされ、実用的な1,000個の論理量子ビットを作るには数百万〜数千万個の物理ビットが必要と見積もられていた。この常識を根本から覆したのが冷却中性原子方式の最新成果である。1,152個の物理ビットから580個の論理ビットを生成し、2:1という驚異的な効率を達成した。理論上、1兆回計算してもエラーが出ないことの証明になったとされる。
パラダイムシフトの意味:1,000:1だったものが2:1になったということは、実用的なFTQCの実現に必要な物理量子ビット数が桁違いに少なくて済むことを意味する。これにより「FTQC実現は数十年先」という悲観論が後退し、「数年以内に到達可能」という見通しに変わりつつある。
2026年の研究で、1,152個の物理量子ビットから580個の論理量子ビットを符号化率0.503で生成し、最大5個のエラーまで保護することに成功したことが確認されている。また、Atom Computingは2026年に112個の物理量子ビットから24個の論理量子ビットを生成・エンタングルし、Bernstein-Vaziraniアルゴリズムを実行したと報告している。発言中の「東京大学から出てきた」という部分については、東京大学の光量子コンピューティング研究グループが関連研究を行っているが、この特定の1152→580の実験の主体がどこかは公開情報から特定できなかった。要確認
超伝導が巨大なスパコンのようなもの、冷却中性原子が光と原子の「空中戦」だとすれば、シリコン方式は既存の半導体技術をそのまま利用して小さなサイズで一気に普及させようとする戦略である。最も現実的に商業化に近いと言われる理由は、すでにデータセンターのインフラが存在するからである。
量子コンピューターの運用には基本的に絶対零度に近い-273℃が必要とされるが、シリコン方式は-272℃でも動作可能である。たった1℃の差に思えるが、極低温領域では冷凍機にかかる負荷は-272℃と-273℃で100倍以上のコスト差が生じる。この1℃のマージンにより、量子ビットの横に制御用の半導体回路を設置できるようになり、システム全体の設計自由度が飛躍的に高まる。
IntelはTunnel Fallsと名付けた12量子ビットのテストチップを量産に成功している。300mmウエハー上でEUV(極紫外線)リソグラフィを用いて製造し、歩留まり95%以上を達成。均一な量子ビットを工業的に作れる技術を確立した点が強みである。
SQC(Silicon Quantum Computing)はオーストラリアの企業で、Michelle Simmons教授が率いている。2026年6月にオーストラリアの政府ファンド(NRFC)から大規模な資金調達に成功した。顕微鏡を使ってシリコン結晶の上にリン(P)原子を1nm以下の精度で1個ずつ手作業で配置するという技術を持ち、「Watermelon」と名付けたチップをすでに提供している。エラー訂正回路を一切動かさない状態でアルゴリズムを実行できるほどの高品質を実現している。
SQCは2026年6月にNRFCから追加4,000万AUDの投資を受けた(初回2,000万AUDとあわせ計6,000万AUD)。2025年には2量子ビット忠実度99.99%を達成し、「量子ビットを増やすほど性能が向上する」ことを示したと報告。Watermelonチップの名称はSQC公式サイトで確認できる。Intel Tunnel Fallsは2023年6月発表の12量子ビットチップで、2026年1月にアルゴンヌ国立研究所へ出荷された。発言内容は公開情報と概ね一致する。
日本勢では理研と日立がシリコン方式で研究を進めている。半導体内部で発生する微細なノイズを消す技術を開発し、論理ビットの寿命を100倍安定化させることに成功したとされる。
歴史の繰り返し:かつてPCのCPUは真空管だった。それがシリコン半導体に置き換わって一般に普及した。量子コンピューターも現在は真空(冷却中性原子方式など)を使っているが、シリコン方式がこの歴史を再現し、量子コンピューターを半導体チップとして普及させる可能性がある。
光方式は情報を「光の粒(フォトン)」に乗せて計算する。光は熱の影響を受けないため常温動作が可能で、超伝導やイオントラップのように極低温に閉じ込める必要がない。光ファイバーを使えば理論上無限に拡張できるという強みを持つ。ただし計測結果を蓄積する計測器には冷却が必要であり、光ファイバーを通過する際のロスも課題となる。
PsiQuantumはGlobalFoundries(半導体ファウンドリ)と提携し、光量子用チップ「Omega」を半導体ラインで大量生産している。シリコンフォトニクス技術の進化により光のロスを最小限に抑え、チップ上に光回路を高密度に構築できるようになった。通常の光ファイバーを接続するだけでサーバーラックに並べて計算能力をスケールアウトできる設計で、データセンター型の量子コンピュートセンターの建設をブリスベン(豪)とシカゴ(米)で開始している。
2025年2月にNature誌で発表されたOmegaチップセットの公称性能は、単一量子ビット状態準備・測定忠実度99.98%、2光子量子干渉可視度99.5%、チップ間量子インターコネクト忠実度99.72%、2量子ビット融合ゲート忠実度99.22%。データセンター2拠点は2027年の稼働を目指しており、発言内容の「すでに建設開始」は公開情報と一致する。
東京大学は光量子コンピューティングの研究で世界的な拠点となっており、シカゴ大学が投資を行っている。中国科学技術大学も光方式の主要研究機関として位置づけられている。
マイキー氏はセッションの最後に、ここまで説明した5方式の個別企業は「パーツの部分」に過ぎないと指摘した。リサーチの4象限マトリクス(別レポート参照)に照らすと、各方式の企業は「ミクロ具体」に位置し、「頭の悪いやつ」はここばかりを探す。本当に儲かるのは「マクロ中象」と「ミクロ中象」の交点にあるルールメイカー・アーキテクチャのレイヤーだという。
ヒントとして、セッション終盤に「なんちゃらリンク」というキーワードが示された。マイキー氏がYouTubeのネットワーク関連の回で話した内容に含まれるとのことで、冷却中性原子や超伝導などの各方式を全部まとめて高速にモーラ(網羅)する技術を持ち、「量子コンピューティングのAndroid版のようなもの」を出す企業が存在するという。各方式はエラーを減らしてきたがまだ完全ではなく、それを全体的に統合してカバーするプラットフォーム——これが最大の投資テーマになりうるという示唆で締めくくられた。
投資の階層構造:「サービス・製品の実装」(ミクロ具体)ではなく、「アーキテクチャとポジショニング」(ミクロ中象)、さらにその上の「ルールメイカー」(マクロ具体)のレイヤーを見ることが最大のリターンにつながる。量子コンピューティングにおけるこの上位レイヤーの企業を特定することが、今後のリサーチ課題として提示された。